中高年層の参加と利用が盛んになってきている背景には、生活者側の健康意識の高まりもありますが、クラブを運営するプレイヤー側の努力もあります。ジム・プール・スタジオを備えた総合業態をとるクラブはこの数年間にサービス内容を大きく充実させてきています。施設や設備は新設・増改築を行い、その量と質を高めてきています。その一方で、ライフスタイルに応じた会員種別を増やすと同時に、以前よりお手頃な料金をとるようになっています。エグゼクティブクラス向けクラブを除いた一般的なクラブでは、6,000~10,000円程度の月会費になっています。グループプログラムも多種多様に揃え、中高年層が興味を持てるものがたくさん開発されています。営業時間も長くなり、中には24時間営業のクラブも出てきています。
特にツールを使ったシンプルなプログラムに人気があります。例えば、バーベルを使って音楽に合わせてエクササイズするグループプログラムや大きなボールを使って筋肉のコンディショニングを整えるもの、わざとアンバランスにしたボードの上にのり、音楽に合わせてエクササイズするもの、筋膜をリリースする特別な器具を使って全身のコンディショニングを整えるものなどです。
グループプログラムの時間も参加しやすいように「15分間」といった短い時間のものもつくられるようになっています。こうしたプログラムは「最初は抵抗があったが、知り合いに促されて1回参加してみたら意外におもしろかったので続けている」という人が多く、ごく自然に運動を習慣化するのに最適です。最近のクラブは中高年層のニーズに合うようにどんどんその姿を変えてきています。こうした総合業態とは別に、小規模で専門特化したジムやスタジオも人気がでてきています。カーブスやエニタイムフィットネスなどはその代表でしょう。この他、ファンクショナルトレーニングを提供するマイクロジム、ホットでヨガを提供するスタジオなどもあります。