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20April,2015 www.fitnessjob.jpルを使って指導したら、そうしたツールの経験がなかったらしく、とても驚いていて、楽しいと喜んでくれました」 エベレストベースキャンプへの旅は、2年間かけて準備をした。山の中で重さ10キロ超のリュックを背負い、100キロを走り続けるなど厳しいトレーニングを繰り返した上での挑戦だった。 ここでも山口さんは、ガイドもつけない完全フリーの一人旅。4200メートル地点で高山病にかかり、悪寒、頭痛、吐き気に襲われ、途中下山を真剣に考え始めた。その先の工程をシミュレーションした時、さすがに体力的にも無理だと自覚。下山を決めた翌朝5時、鳥の声が山口さんには「行っちゃいな」「行っちゃいな」と聞こえた。そのまま登り続けることは、もはや選択肢から消えていたものの、結局5500メートルまでフラつきながら登り切った。 2700メールまで下山して泊まった宿でシェルパ族のガイドと知り合った。この人は、元柔道家でネパール代表にもなった人物。飲みながら「生まれ変わってもシェルパ族になりたい、エベレストで柔道の指導をしたい」など夜通し柔道談義に花が咲いた。 帰国後、山口さんは、仲良くなったフィジーのソルジャーたちにストレッチポールを送り、エベレストにいるシェルパ族のガイドに柔道の畳を60枚送る計画をしている。連携で活動がステップアップ トレーナーになって10年。これまで主に一人で活動してきた山口さんだが、2014年は初めて他の人と連携し、ステップアップの年となった。それが千代田区三番町にオープンしたランニングステーション 「earth」で、山口さんは「現代版ときわ荘」と呼んでいる。earthは、共同経営のランニングステーションであり、パーソナルスタジオであり、共同オフィス。個人トレーナーや、治療関連者、学生ら約30人が利用登録している。 「若手からベテランまでいます。ライバル心もあるので、互いに高め合うこともできます。専門分野がかぶっていないこともあり、今後仕事の上でも協力し合える機会が増えるだろうし、一緒に新しい何かを作り出せるんじゃないかと期待しています」 さらに昨年はもう一つ、山口さんの熱い心を沸かせる出来事に関わった。柔道家でもある山口さんに、学生時代の後輩から、「日本の小学生の柔道大会に、ネパールのストリートチルドレンを出場させてあげたいが、どうすればいいだろう」という相談が持ち込まれた。ネパールでは子供たちの教育指導に役立つという理由で柔道を奨励しているが、ストリートチルドレンにはパスポートやビザは下りない。 「日本とネパール両国の有志たちの熱心な後押しや活動が、ネパール政府の方針さえも変えさせて、4人の子どもたちが来日できました。〝やらずに悔やむより、やって悔やめ!”というのが私の好きな言葉の一つですが、個人の力ではどうしようもないと思われることでも、まずは、やってみなくてわからない」 トレーナーとして関わるコアコンジョギングクラブでは、2014年に東北復興支援、60名の富士山登頂、筋ジストロフィーの男性のマラソン挑戦サポートなど、一人ひとりの「夢」や「目標」をできる範囲で応援してきた。 「やりたいことをやれる心と身体のた志高く、心優しく、アホ忘れない心。打ち合わせ@共有オフィスひみつきち「硬いのは男の中心だけで十分だ」うとまれていた子供達がスポーツを通して、ちょっぴり世界を変える。「うまくいかないから、うまくいく」「おごってくれる人は、きっといい人だ」日本より物価の高いイスラエルで二日間ご馳走になったお礼にストレッチ指導MUST ITEM!山口敬志さん(33歳)Takashi yamaguchi健康革命家人生修行の旅人ゴールド・マン大学時代、就職活動全敗をきっかけに卒業後は人生修行の旅人へ。そして、紆余曲折を経て、健康革命家になる。一人一人の価値観はライフスタイルを尊重した指導を実施。「自分の健康は自分で守る」をモットーに、柔軟な発想で運動を通して人々の健康をサポート。時々ゴールド・マンに変身。マラソン大会やイベントに参加している。2015年東京マラソンでは、“サブ江頭先生(2時間50分以内)”を達成できなかったことを惜しんでいる。めに、その人を尊重した方法を案内することが重要だと考えています。身体の指導より、話すことが多い場合もあります。今後も常識にとらわれず、柔軟な発想で、運動を通して少しでも悔いのない人生をサポートしていきます」地球が道場、人生は修行の旅 「地球が道場」と話す山口さんは、数年に一度は2~3週間の休みをとり、旅にでかける。どんなに厳しい場所であっても、旅の基本姿勢は一人旅と決めている。なぜなら、山口さんにとって旅は「修行」。予期せぬハプニングに見舞われても、それは修行の一環だから、培ってきた体力・気力・知力をフル動員して立ち向かうしかない。そして、旅先で出会う人々とのコミュニケーションや触れ合いが、山口さんの心の筋肉を増強する。 2014年の〝世界修行”の地は、聖地エルサレムとエベレストだった。 エルサレムで宿泊したのは、窓もない16人部屋の安宿。そこで山口さんは、休暇で来ていたフィジー出身の国連兵士たちとすっかり意気投合し、2日間行動を共にした。 「フィジーの人たちは朗らかで、コミュニケーションが上手。肌の色、信条、民族、立場に関係なく誰に対しても公平で公正で優しい。ご飯やお酒をごちそうになったので、お返しにストレッチを教えました。ウレタンのマットレスを丸めた即席のストレッチポー奨励賞

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