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April,2015 www.fitnessjob.jp19ピラティス界で日米の架け橋に日本発のコース開発にも意欲 2014年に日本発のピラティス団体Pilates Academy for Body Artsを発足した。それまでは帰国子女ならではの堪能な英語力を活かして、ピラティスの本場米国から最新のヒト・モノ・コト・情報を日本に紹介したり、それを手助けする活動が多かったが、団体発足を機に、高橋なぎさんの自覚と意欲は世界を見据えたものとなった。 「海外インストラクターは日本人のピラティスの動きが一番美しい、と褒めます。今後は米国から導入したものを活かして、日本人のより繊細な身体感覚や体格に合うコースを開発して広めたい。そして米国にも日本の情報を発信していきたいです」 カルチャーセンターでピラティスと出会って一年後の2006年夏、米国ピラティス団体の創始者に教えを乞うため、退職してラスベガスへ飛んだ。3ヶ月の滞在後、ネバダ州立大学公認ピラティスのDK BODYの資格を取得。その後、BASIピラティススタジオに務め、6年間のインストラクター時代を経て独立した。 フリー2年目を迎えた2014年、「Docomo GALAXY Tab S.jpg」マストアイテム説明:スケジュール管理やクライアント・取引先企業とのメール送受信などに活用今回の研究で使用した全身振動マシン POWER PLATE pro6MUST ITEM!高橋なぎさん(36歳)Nagi Takahashi一般社団法人日本コアフィットネス協会 理事Pilates Academy for Body Arts エジュケーショナル・ディレクター竹田大介さん(36歳)Daisuke Takeda教育学修士/パーソナルトレーナー審査員特別賞審査員特別賞「KIYORA南青山」「ゴールドジム渋谷東京」を拠点に、フリーのパーソナルトレーナーとして活躍。アスリートのストレングス&コンディショニング、一般人対象のウェイトコントロール、健康増進、ボディメイクなど幅広いジャンルを指導する。Life Fitness 2013年注目のパーソナルトレーナーコンテスト 日本最優秀賞受賞。CSCS、NACA-CPT、株式会社フィットネス・サポート FSTトレーナー育成コース講師、日本肥満予防健康協会認定講師愛猫ロビン、いつも癒され、猫のしなやかな動きは機能的でお手本になりますPilates Anytimeの撮影MUST ITEM!ピラティス専門スタジオで6年間のインストラクター時代を経て、2013年独立。自身のスタジオ Pilates Studio Rebirth をメインに活動中。2011年に米国で人気のピラティスレッスン動画配信サイト『Pilates Anytime』に初のアジア人として出演以後、毎年渡米の際に撮影している。得意な英語力で米国の最新ピラティス事情にも明るい。高橋さんの活動は多岐にわたった。ピラティスマシンメーカー世界トップシェアのバランスドボディ社製フィットネスツールである、MOTRの資格を日本で発行できる唯一のファカルティになったほか、5月には日本で11人しか保持していない米国PMA(Pilates Method Alliance)の認定インストラクター資格を取得した。米国では上位資格として信用のあるPMA認定だが、日本での認知度はまだ低い。ネックになっているのは、現在の認定試験が英語かスペイン語、ポルトガル語でしか受けられない現実にある。 「日本語で受験できるようにPMAにも働きかけていきますが、まずは、英語で受験する人たちをサポートしていきたいと考えています」 昨年は海外講師を招へいしてのセミナーやインストラクター養成コースの開催にも積極的に取り組み、好評を得た。その際に紹介した Rhythm Pilatesは日本初上陸。 「毎年数回渡米して、最新のツールやプログラムを探して導入交渉をしています。人脈も広がりました。これからも自分の強みを活かし、ピラティス界で米国と日本の架け橋的な存在になりたいと考えています」研究成果を現場へ現場に生きる研究を 極真空手の指導を通じて、運動指導の仕事に一生をかけてのやりがいを見出した竹田大介さんは、化学建材メーカーの営業職からパーソナルトレーナーに転職した。トレーナー転身を決めて大学進学、今年3月の大学院修了まで5年に渡って研究室と現場を行き来したのは、指導を受けるお客さんの目的・目標を安全で効率的に達成に導くには、科学的根拠に基づいたプログラムの作成が重要だと考えているからだ。 トレーナー転身を決めた30歳の時に2か月間の猛勉強をして日本大学文理学部体育学科へ入学。年齢がひと回り違う現役大学生たちに交じって運動指導に不可欠な基礎知識や実技を習得。並行して都内のパーソナルトレーニングジムで実務経験を積みNSCA-CPTの資格を取得、フリーのパーソナルトレーナーとして活動を開始した。 「トレーニングやプログラムにもエビデンスが求められる。トレーナーも国内外の学術論文などを読んで、新しい知識や情報に敏感にアンテナを張って勉強したり、自ら論文を発表していくことが必要になると思います」 その言葉通り、竹田さんは学士過程を修了後、自身での研究活動と専門知識を習得するために、同大学大学院文学研究科教育学専攻体育学コースへ進学。バイオメカニクス研究室に在籍して生体力学を専門に研究活動を続け、2015年3月に修了した。 修士論文は、「全身振動刺激がウォームアップとしての片脚スクワット支持脚の筋出力に与える影響」。走る、歩くという人間の動きは片脚支持が基本になっていることに着目し、パワープレートに乗る前と後で片脚スクワットでの各種力学量を測定。研究成果は、日本体育学会で発表した。 「様々な研究成果を現場のトレーニングに落とし込んでいくこともこれからの自分の課題と捉えています」 学生のわらじを脱ぎ、今後はトレーナー活動、トレーナー育成、研究活動の三本柱に専念する。 「高齢者への運動指導を拡充していく必要性を感じています。企業や医師など専門家と連携して意義のある研究や活動を続けて社会に還元していきます」 医療関係者と提携し、医師の処方のもと医療費控除の対象として運動指導ができる施設の開業を目指した準備にも入っている。本領発揮はこれからだ。インストラクター部門トレーナー部門インストラクター部門インストラクター部門
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