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My-Con(マイコン)クライアントの身体に関する情報をすべて集約。身体の評価から、トレーニングメニュー、コンディショニングメニューなどがデータ化され、一度に把握できる。トレーニング中に動画を撮り、その場で確認もできるのでトレーニングの効率アップにもつながる。iPadさえあれば、ログインするだけでどこからでも閲覧できるため、ジムに行かずトレーナーがいなくとも日々自分の身体の管理ができるようになるのが目的のひとつでもある。2000以上のトレーニングメニュー(静止画・動画含む)は、鍛えたい部位や改善したい動作からでも検索できる。Technology 01『S・O・A・P』を本格導入したのです」 『S・O・A・P』は、コンディショニングトレーナーが1対1で身体のチェックを行い、姿勢や動きのクセ、身体の歪みや柔軟性、筋肉量などを正確に評価し、身体に関する課題を総合的に分析し、問題解決型のカスタムメイドのコンディショニングプランを作成していくもの。そして、効果的なトレーニングを行ううえで、最も重要な評価情報を記録し、共有する必要性から生まれたのがこの「My-Con(マイコン)」である。自己管理のためのツール 問題点が改善されれば、トレーニングメニューも変更される。また、ときには海外出張などでいつもと異なる環境での特別メニューを作成することもあり、メンバーそれぞれのカルテがどんどん増えて管理が大変なことになってしまう。それらを整理整頓し、作業も簡単にできるよう考えたのが「My-Con(マイコン)」だ。開発を手掛けて実に8年、その間、ITテクノロジーも進化し続け、今回3作目にして、ようやくイメージに近いシステムが構築でき、スタートにこぎつけた。 「My-Con(マイコン)」はMy Conditioning(マイコンディショニング)の意味で、鈴木さんの博士論文に基づいて開発されたもの。朝起きて、睡眠は何時間、朝食は何時に何を食べて、運動は…と1日の生活を細かにチェックして21日間の統計を取った。この論文を基にした、体調がいい時、悪い時、双方の生活行動パターンがわかる仕組みもシステムに内蔵されている。 「当時はiPadもないですから、すべてアナログ。アンケートに答えてもらい、コンピューターに打ち込んで業者に依頼して統計を出していました。これがテクノロジーの発展と共に、ボタンひとつで自分で統計が出せるようになりました。僕らが目指すのはエデュケーショントレーニング。トレーナーに依存するのではなく、自分で身体を管理して、自分で治す、そのためにトレーナーがお手伝いしますというスタンスです。日々の管理は自分でできるように頑張りましょう、と伝えるツールが『My-Con(マイコン)』です」可能性を秘めた「My-Con(マイコン)」の展望 「My-Con(マイコン)」は、まだいくつかの課題が残されているという。そのひとつが、iPadを活用することでトレーニング中に大切なフェイストゥフェイスのコミュニケーションが減ってしまうこと。どうしてもトレーナーが画面を見ることが多くなり、プログラム全体の流れを確認しようとスクロールするなど画面操作に時間を取られてしまいがち。トレーニング最中にいかにiPadを見ないで指導ができるか、システムを再構築しているという。その他、動画の要素もさらに充実させていく方針だ。トレーニングメニューの見本など、すでに一部は動画も取り込んでいるが、今後はクライアントのトレーニング中のフォームなどを動画にして保存できるようなシステムも組み込む予定だという。 「My-Con(マイコン)」の活用はトレーナーにも変革をもたらしそうだ。たとえば各地にある同系列ホテルのフィットネス施設などとリンクすることも可能。場所もトレーナーも異なる環境でも、iPadを通して身体の状況やトレーニング履歴が一目瞭然となる。 「トレーナー同士の連携も簡単に取れます。また同系列のフィットネスジムでもすべて共有できます。いつかは企業間の壁すら飛び越えてメンバーやクライアントに常に最適なサービスを提供できる仕組みを整えたいと思います。近日中には外部のパーソナルトレーナーや企業にも販売していく予定です」 自分のクライアントが何人いても、どこにいても、すべてiPadを通してサービスが提供できる画期的なシステム。サーバーには2000ものトレーニングメニューが入っているので、トレーナーにとっては学習システムとしても役立っていくだろう。iPadを活用して、データの収集からフィードバックまでがタイムリーに。S・O・A・Pによる評価や、2000種類以上のトレーニングデータベースにもアクセスでき、価値の高い指導サービスが可能に。18February,2015 www.fitnessjob.jp
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