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図解YOGAアナトミー:アーサナ編 - 医師が教えるヨガの機能解剖学レイ・ロング医学博士(著)中村尚人(監訳)理学療法士、ヨガインストラクター。代々木のアンダーザライトヨガスクールにてヨガの解剖学&運動学講座(AKIC)の講師を務める。ヨガフェスタでは2008年より毎年招聘されている。フィットネスセッション、JAFA主催フォーラム、イベントをはじめ、各種イベントでも講座を担当。また、自身のスタジオ「TAKT EIGHT」を八王子にて主宰。アンダーザライトヨガスクールhttp://www.underthelight.jpTAKT EIGHT http://www.takt8.com/中村尚人Naoto Nakamuraの外旋が苦手な方が多くいます。スカート好きの女性に多いです。普段は内股でヨガの時間だけ外に開くと、股関節の可動域が足りず、膝に負担がかかってしまいます。アーサナでは、捻り運動は股関節を中心として、膝に負担がかからないように注意しましょう。 また膝を床について行うアーサナがありますが、そうすると大腿骨の軟骨面が直接当ってしまいます。特に中高年の方の場合は軟骨を損傷している方が以外と多いので、マットを重ねるかブランケットを膝下に当てるようにしましょう。 いかがでしたか?身体を支える要である膝を大切に使ってポーズをとっていきましょう。 こんにちは、アンダーザライトヨガスクールで、ヨガの解剖学&運動学の講座(AKIC)を担当している中村尚人です。 今回の安全なヨガ指導法講座は、膝編です。膝関節は基本的にはスクワットのように屈伸のみを行う関節です。しかし、足と股関節に挟まれた関節なため、上下の関節の調整役として少しだけ捻ること(内旋/外旋)も出来ます。この捻り運動は本来「関節の遊び」程度なのですが、ヨガのポーズによっては正常可動域を超えてしまうこともあります。特に、股関節の捻りが足りないと、その分の負担が膝に来てしまいます。アーサナで言いますと、座法の定番であるパドマアーサナ(胡坐)が良い例です。股関節を外に開くこと(外旋)が固いと、相対的に膝の捻り(外旋)が強くなり、膝関節の中にあるクッション材である半月板を損傷する危険性があります。内股の習慣がある方に、この股関節第3回 膝 編 神経の機能に支障をきたします。腸は精神的、肉体的なストレスだけでなく、食事からの影響も受けやすいので、腹式呼吸を行うことにより日常的にセルフマッサージを行うことが重要です。また、呼吸運動で動員される呼吸筋(横隔膜、腹横筋、肋間筋群など)の筋力トレーニングにもなります。これらの呼吸筋は呼吸でのみ鍛えることができるのです。 呼吸に動員される筋とメカニズムは以下の通りです。〈吸気〉横隔膜・外肋間筋収縮→胸郭拡大(リブオープン)→胸腔内圧低下→肺に空気が流入(陰圧呼吸)〈呼気〉腹横筋収縮→横隔膜弛緩・上昇(リブクローズ)→胸腔内圧上昇→体外に二酸化炭素を排出(更に呼気と共に内肋間筋を収縮させると努力呼吸) コーチングポイントは、吸気から呼気へと切り返す際には恥骨尾骨筋を収縮させてから吐き始め、骨盤の底の方から腹、胸、首、鼻の順に空気を絞り出すように行うことです。PC筋の収縮は、おしっこを止める感覚です。摩訶不思議?摩訶不思議?常識?トレーナー業界の常識?非常識? トレーニングとして最も簡単なのは、何も抵抗のない状態である立位姿勢で腹式呼吸をさせることです。 スーパインポジションではお腹の重みが抵抗となり、やや強度が増します。ダンベルやプレートを腹部に乗せて行うと更に横隔膜への負荷が上がります。最も強度が高いのはプローンポジションで、床が抵抗となります。柔らかいスモールボールなどを腹部と床の間に挟み込むと更に強度を上げることができます。 腹式呼吸運動のメインマッスルである腹横筋は深層の筋と思われがちですが、触れられるので筋膜リリースが可能です。ASISの2横指下、2横指内側に手根を当ててリリースします。 呼吸は普段不随意的に行われていますが、随意的に腹式呼吸の質を高めることが不随意的な呼吸の質をも高めます。そのためには、腹式呼吸を習慣づけることが大切です。就寝前に行えば、副交感神経優位となり、入眠しやすくなるでしょう。羊は数えれば数えるほど交感神経優位になり寝付きにくくなってしまいます。自身の呼吸を聴くことこそが、最高の子守歌なのです。S.Dream有限会社代表、NESTA JAPAN理事、太田情報専門学校講師。「Drive your HEART&BODY」をテーマにパーソナルトレーナー、チームコーチ、クラブスーパーバイザー、メーカーコンサルタント活動中。雑誌、DVD、TVCM出演多数。Profi le 木内周史 今回のテーマは「腹式呼吸運動」です。前回のテーマであげた「3大基本運動(腹式呼吸運動、咀嚼運動、歩行運動)」の1つ目である「腹式呼吸運動」について詳しくお話ししていきたいと思います。 生体が酸素を体内に取り入れ、代謝の末に生じた炭酸ガスを体外に排出することを呼吸といいます。呼吸には肺胞内の空気とそこを流れる血液との間で行われる「外呼吸」(肺呼吸)と、血液と末梢組織との間で行われる「内呼吸」(組織呼吸)とがあります。私達が指導できるのは肺呼吸で、運動学ではさらに、胸式呼吸と腹式呼吸とに分けられます。胸式呼吸は肺の上前部までで行うのに対し、腹式呼吸は肺の下背部までフルに活用して呼吸を行います。普段は胸式呼吸のみで生活していますが、腹式呼吸を行うことには様々なメリットがあります。 例えば、腹部の大部分を占める腸は内臓筋であるため、種々のストレスによって拘縮しますが、腹式呼吸には腸をマッサージする効果があります。腸が硬くなると自律vol.19~業界都市伝説その17:誰も知らない基本運動①呼吸運動~38January,2015 www.fitnessjob.jp

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