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「やっぱり重要」な筋肉に注目 2014年の日経ヘルスで大反響を得たテーマは「ほうれい線」。5月に発売したムック本に続き、10月号でも特集を組んで、ともに大ヒットしました。「ほうれい線」は、顔のたるみの象徴であり、老けて見える顔の象徴。それでいて、何かを塗ってどうこうできるものじゃない。顔の筋肉のたるみをなくすという自発的な行為の重要性に改めて目を向けた号です。 もう一つ反響が高かったのが12月号の「筋トレ」特集。こちらも、これまで女性たちが若々しくありたいと思いながらも、ラクな方法を探し続けてきた末にたどりついた特集。身体のたるみをなくすうえでは自発的な筋トレがやっぱり重要だよねと見直すきっかけが提供できたと感じています。まじめで熱心な女性が本質を求め始めた さらに今年注目した読者のトレンドとして、食事の方法についても、本質的な内容に興味が向いていることが分かりました。『日経ヘルス』は、今年創刊16年目を迎えるのですが、1998年創刊時の40代女性の平均体重が56・7㎏だったのに対して、2013年の平均体重は54・7㎏と2㎏減っています。女性たちの「痩せたい」という願いはかなえられてきていて、既に単に体重を減らすダイエット法への興味は一段落している感があります。読者アンケートでも、2014年に取り組んだダイエット法として、低糖質ダイエットなど何かを制限する(内容や量をコントロールする、を変更)方法はランキングを落とす一方で、野菜から食べることや、バランス良く食べることなど、本当に自分にいいことは何かということに改めて目を向け、それを実践しようという段階に入っています。私は2014年1月から日経ヘルスの編集長になりましたが、読者から寄せられる声は、思っていた以上にまじめで熱心。そんな読者の方々だからこそ、本質に目が向いてきているのだと感じます。 ただ、そんな中でも新しい情報への関心も高く、2014年にヒットしたトレーニング方法としては、「ゆる筋トレ」と名付けた自重バウンドトレーニングや、「ふくらはぎ」ほぐしなど。食品では、「ココナツ」や「ナッツ」、「大麦」なども注目されました。 日経ヘルスは30代後半~40代の女性をメインの読者対象として、健康や美容情報を提供してきていますが、ネットでの日経ウーマンオンラインとも連携しながら包括的に女性たちの美や健康をサポートしていきます。ネット媒体ではパッと見て感覚的に気づきが得られる内容が求められますが、紙媒体ではより深く専門性の高い、保存性のある情報が求められています。それぞれの媒体の役割を活かしながら、まじめで熱心な日本の女性たちの気持ちとニーズに応えていきたいと考えています。18January,2014 www.fitnessjob.jp日経ヘルス編集長中野恵子さん「日経レストラン」「日経ウーマンオンライン」編集部などを経て、2014年1月から現職。好きなスポーツは乗馬。LIVE編集長沼田千恵さんスポーツ系のフリーマガジン編集を手がけた後、株式会社クラブビジネスジャパン『LIVE』編集部へ。2007年4月より現職。好きなトレーニングはピラティスと加圧。「分かってはいるけど」から、「やっぱりやらなきゃ」へ現実と本質に立ち返り、行動促すフィットネス以外の時間も大切に 2014年の『LIVE』で反響の高かったテーマは、「元気になる食事」「フィットネスクラブに行かない時の過ごし方」(49号)など、トレーニング自体よりその周辺の情報に読者の注目が集まりました。『LIVE』の読者はフィットネスクラブのメンバーが多いこともあり、トレーニング方法については、既にかなりの情報をお持ちなのだと思います。LIVEは今年創刊8年を迎えますが、こうしたテーマを初めて取り上げたことで、フィットネスの周辺に意外に情報がない分野が残っていたことが分かりました。 例えば食事に関しては、「食事は大切」ということは知っていても、実際に何をどのくらい食べたらいいかについては、知らない人も多い。フィットネスのプロたちが日常で何を食べていいるのか紹介したのですが「こんなにたくさん食べていいんだ」と驚く声もありました。もともと健康志向が強く、運動という行動に移されている方々なので、情報への理解度も高いと感じます。メンテナンスに関しては、ジムでも家でもできるバランスボールを使った身体の調整方法を紹介しましたが、「早速やっています!」という声が数多く寄せられました。トレーニングがアクティブなライフスタイルに融合 2014年の意外だったことの一つが、ダンス特集の第2特集として組んだ「ランニングの始め方」(48号)の反響が高かったこと。数年前はランニング系の特集はあまり手ごたえが得られず、フィットネスクラブのメンバー層とランナー層の違いを感じていましたが、今年は第2特集だったにもかかわらず確かな反響がフィットネス・トレーニングがライフスタイルに融合し始めたあって、クラブメンバーにランナーが増えていることを感じました。フィットネスクラブだけ、またはジムだけでトレーニングを完結するのではなく、ランニングをはじめアクティブなライフスタイルと融合しはじめているのだと思います。 また、女性たちもヨガや調整系中心から、アクティブなプログラムやトレーニングに参加し始めています。48号の表紙でダンサーのジェシカさんが着用の上下迷彩柄のウェアの注目度が高く、ウェアの販売も好調で、『LIVE』を設置しているスポーツショップの方々にも喜んでいただきました。 2015年もフィットネスがあるライフスタイルを提案する媒体として生活文化へと繋がる情報を発信していきたいと思います。2015年は創刊50号を記念したイベントや、アクティブなライフスタイルと親和性が高いスマホメディアなど新たなスタイルの情報発信もスタートしたいと考えています。
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