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14January,2014 www.fitnessjob.jpフィットネス環境が進化渡部 私は活動拠点が秋田で、東京に比べると情報が限られていますが、その中でも2014年に注目した動向は、究極の利便性といえる24時間年中無休といった「コンビニ化」した新業態の増加と、小規模ジムでライザップ等に代表される「ブティック化」した効果追求型の高価格ジムが増え、二極化してきていること。そして、遺伝子ダイエットなど個人の科学的データや測定結果をもとに、究極的にパーソナライズされたサービスを提供する環境が身近になったことです。フィットネス環境の進化を感じた1年でした。石塚 私が注目したのは、フィットネスに参加する方々のニーズの多様化に合わせて、それぞれのニーズに応えるツールの活用が進んだことです。グループエクササイズに参加される方々のニーズは大きく分けて3つあり、それは「楽しみたいという心理的効果」「痩せたい、筋肉をつけたい、美しくなりたい、などのボディメイク効果」そして「癒しなど身体と心のメンテナンス効果」です。楽しさに応えるものとしては、ラディカルフィットネスの「ユーバウンド」というトランポリンを活用したグループエクササイズが挙げられます。トランポリンを跳ぶのではなく、足で押すように動くことで、驚くほど汗がかけるのです。シンプルな動きで楽しめるので、男性の参加者も多く、これまでスタジオに参加されたことのない新しい参加者層が開拓できます。「痩せたい、機能的な身体を作りたい、筋肉をつけたい」というニーズには「ViPR」が有効ではないでしょうか。初めて目にした時は新鮮な驚きを感じました。1本の筒なのに、とても使い勝手が良く効果的なトレーニングが可能となります。そして「癒しなど身体と心のメンテナンス効果」のニーズには、「ウェー受賞者が注目した2014年フィットネス動向ブストレッチリング」「フレックスクッション」「筋膜リリースに使えるポール」など。シンプルで手軽に使えるツールの活用が進んで、インストラクターとしても高い効果を提供しやすくなったと感じます。お客さまに合わせた提案渡部 トレーナーとして変化を感じるのは、お客さまが求めるものが、より本質的なものになってきていることです。ファンクショナルトレーニングが浸透したことで原点回帰に向かっていて、より自然な動き、本来の動きを取り戻すトレーニングが求められている。秋田では、まだトレーナーの認知が低い状態であり、私自身は柔道整復師という国家資格のもと整骨院の看板を掲げて施術という面でも人々のニーズに応えようとしていますが、生活者の方々は自分の状態を良くしたいと思ったときに、それを解決するのが整体なのか、マッサージなのか、ストレッチやトレーニングなのか分からないでいる。恐らくフィットネスを始めようと思っている方も、その方自身では、自分が何を求めているのか分からないという方も少なくないと思うんです。トレーナーとしては、それぞれの方が必要としているものを的確に紹介できる本質的な力が求められている。メディアや書籍で全国的に有名になるトレーナーが増え、生活者の方々もトレーニングで自分の悩みを解決できるかもしれないと思い始めています。話題のダイエットなどの方法論よりも、本質的なトレーニングや、トレーナーが何をしてくれるのかを理解しようとする段階に入っている。その分、トレーナーは一人ひとりの方に、正しくアプローチすることが必要で、そのためには偏ったメソッドや、キャッチーなネーミングでお客様を惹き付けることにはインストラクター、トレーナー、治療家の顔を併せ持つ、自称『ハイブリッド・トレーナー』。フィットネス環境の進化を感じた1年でした――――― 渡部渡部真吉さん(トレーナー部門)ミスユニバース秋田での指導風景。美を磨く為の専門的な指導が求められる。多方面にトレーナーの存在を周知する為、積極的に講演活動を展開。指導の場所や状況を選ばずに、求められるトレーナーを目指して。
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