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クロスフィットボックス、サイクルスタジオ、ファンクショナルトレーニングジム、バレエワークアウトスタジオ、ピラティススタジオ、ホットヨガスタジオ、フィットウォールスタジオ、オレンジセオリー⋮。 近年、米国ではプログラムやイクイプメント(機器)、トレーニング理論などで特化させた専門ジム・スタジオが増えている。10~20坪程度の広さのスペースで、スモールグループで提供するスタイルが多い。規模は小さいながらも、指導の専門性が高いことを売りに、一人あたりの月単価は、150ドル程度と高めであることが特徴。こうした高めの参加費で専門特化したプログラムを提供するジムやスタジオは、「マイクロジム」「ブティックスタジオ」と呼ばれ、新たな市場をつくりつつある。その要因について、アーニーさんはこう話す。 「こうしたスモールスタジオは、規模は小さいながらも、一つの分野に特化することで、クオリティの高い指導サービスで確かな満足度を提供してきています。それにより、高い価格設定でも確実な集客力を持っています。規模が小さいので参入もしやすく、シンプルなビジネスモデル年々新たな様相を見せる米国のフィットネス業界。米国のトップインストラクターたちと太く広いネットワークを持つフィル・アーニーさんに、最新トレンドについて話を訊いた。 クロスフィットは2010年時点での1,500店舗から、現在は10,000店舗以上へと急成長を続けている。世界で依然成長を続けるクロスフィットの最新事情について、日本でのクロスフィット展開をけん引するリーボック マスタートレーナーであり、西麻布、六本木でボックスを運営するニコラス・ペタスさんはこう話す。 「米国をはじめ海外でのクロスフィットのトレンドの一つに、クロスフィット参加者層が2つに分かれてきていることがあります。一つは、クロスフィットゲームズと呼ばれるクロスフィット競技への参加を目指す層で、もう一つは自身のトレーニングやフィットネスを効果的な方法で行おうとする層です。目的は違えど、クラスのフォーマットは同じ。人々がクロスフィットに魅力を感じている部分も同じです」 クロスフィットの魅力は、一人で運動するよりも、グループでトレーニングを行うことで、競争心や連帯感などトレーニングのモチベーションが高められること。そして、指導者がついて安全で適正なフォームや、適切な強度設定が行えるので、最も効率的に成果に繋げられることがある。こうしたことが強い継続のモチベーションに繋がっている。 また、世界でボックス数が増加を続ける要因に、クロスフィットのメンバーが個人的にボックスをオープンさせる事例が増えていることがあるという。クロスフィット指導者認り、日本でもこうした指導者が増えるにつれて店舗数も増えていくことが期待されている。 「クロスフィットは、体力がある人ほど追い込めるトレーニングなので、これまでトレーニング経験が多い人にとっては、『きつすぎる、危険すぎる』と懐疑的に感じている方も少なくないかと思います。ただ実際には、参加者それぞれの方が自分の体力に合わせて行えて、指導者がいれば安全性にも問題ありません。私自身、2回股関節手術を受け、両足に人工関節が入っていますが、2回ともリハビリはクロスフィットで行いました。今ここまで動けるのはクロスフィットのおかげなんです。日本のトレーナーにもまずはぜひ体験して貰いたい。クロスフィットは、フィットネスや運動の成果と価値を、より確実に多くの方に伝えられる可能性を持っているのです」米国のフィットネストレンドFitness Trends in USAクロスフィット最新事情お話を聞いた方ニコラス・ぺタスさんマーシャルアーティストとして25 年の経験があり、ヘビーウェイトチャンピオンを経て、2001 年にK-1 JAPAN GP チャンピオンを獲得。生涯を通じてワークアウトを行う彼は、効果的なリハビリ法としてクロスフィットに出会う。2011 年よりリーボック マスタートレーナーを務めるほか、2013 年2 月に自身がオーナーとなり「リーボック クロスフィット ハートアンドビューティー」をオープンし、さらに、2014年10月には、「リーボッククロスフィット六本木」をオープン。お話を聞いた方フィル・アーニーさんFTP創業社長。欧米にてインストラクターの教育、フィットネス・プログラム、関連商品の開発やコンサルティングなど、幅広く活躍。日本では株式会社リアルインターナショナルを通して、FTPピラティス、バレトンなど様々なプログラムを提供。2014年秋よりバレエ・バー・エクササイズのエッセンスの集大成したオリジナルプログラム “Barre WRX(バー・ワークス)“の本格展開を開始。Trend.1スモールスタジオの多様化12December,2014 www.fitnessjob.jp
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