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NESTAシニアフィットネストレーナーの資格がリリースされたのは2012年2月。NESTAが対象者別に実践的な資格認定を展開するスペシャリスト資格の中でも、高い優先度で開発され、現在も人気の高い資格講座となっている。同資格認定プログラムの開発を中心となって進めたNESTA JAPAN副代表の齊藤邦秀さんは、その主旨と狙いをこう話す。 「超高齢社会を迎えて、高齢者といっても体力レベルも志向も実に多様化しています。その環境の中、NESTAシニアフィットネストレーナーが目指すのは、高齢者の方々が元気に過ごすためのソリューションを提供することです。主な対象は高齢者の70%を占めると言われる、所謂“元気高齢者”の方々から、一生趣味やスポーツを楽しもうとするシニアアスリートの方々です。ただ、アクティブな高齢者でも、年齢により確実に身体の組織や関節、筋肉の状態は変わっていきます。そのシニア世代の身体の変化を理解して、お一人おひとりのQOLを維持向上できるトレーニングを提供できることを目指しています」 認定講習会では、座学で高齢者の身体の理解と、トレーニングプログラムのつくり方などを学び、実技ではロールプレイ形式で高齢者への指導法やコミュニケーションの取り方を学んでいく。高齢者指導というと、「衰えを予防する」イメージが強いが、NESTAのシニア指導では、高齢者を「人生の先輩」として捉え、トレーナーは運動を指導するというより、いかに認められ、信頼される存在になるかを重要視する。そのうえで、高齢者同士のコミュニティづくりをサポートしたり、新たな挑戦へのモチベーションを引き出すことで、トレーニングの継続と成果に導いていく。 トレーニング指導法についても、グループ指導、パーソナル指導をともに習得する。高齢者は個別性が高いため、パーソナル指導がより安全で効果的だが、高齢者にとってはグループでの取り組みのほうが継続しやすい。そうしたトレーニングの提供環境にも配慮しつつ、トレーニングメニューの組み方を学ぶ、脳を刺激するトレーニング、姿勢を整えたり動きのクセを修正するコレクティブエクササイズ、下半身の筋力や関節の可動性と安定性を維持向上させるメニューなどを組み合わせ、高齢者の身体の変化に効果的にアプローチできるガイドラインに沿ってプログラミングしていく。 齊藤さん自身も多くの高齢者クライアントを持ち、やりがいを感じているという。「高齢者のスポーツ参加も今後益々増えるでしょう。各種スポーツのマスターズ大会も参加者が増えてきていて、高齢者のトレーニングニーズはこれからさらに高まることは確実です。高齢者の機能向上やパフォーマンス向上は、トレーナーにとっても確実な専門性が要求され、確実な効果も得られて、とても喜んでいただけるので、非常に取り組みがいのある、学びの多い分野だと言えます。もちろん今後伸びる市場ですので、高齢者指導に強みを持っておくことはトレーナーのキャリア構築としても有効です」Profile名前 花澤剛弘さん(67歳)肩書き ケアフルクラブ・ジム フローラ 代表資格 シニアフィットネストレーナー、社会福祉主事 自身の母親の介護の体験から、高齢者の運動・トレーニングの必要性を強く感じ、地元でシニア専門のスポーツジムを立ち上げ、現在オーナートレーナーとして施設運営及びスタッフの教育、指導等幅広く活躍中。Message 現在まだ50名ほどですが、ジムをはじめて次の実態が見えてきました。 一般的に疲れ易くなったり、衰えをご本人が気ずき始めるのが後期高齢者に差し掛かる頃で外出がおっくうになり、家でテレビを見て過ごす時間が長く、ご本人が思っている以上に足腰の筋肉の衰えが加速してきます。筋力をつける事が、行動範囲や生活の質を維持する事に繋がり、これを目標としたトレーニングを勧めています。ご家族から以前よりしっかり歩けるようになったと喜ばれる事が、私達の喜びであり、ご本人の笑顔が私達への最高のご褒美です。お話を聞いた方齊藤邦秀さんNESTA JAPAN副代表有限会社Welness Sports代表取締役NESTAシニアフィットネストレーナー運動指導者の活躍モデルNovember,2014 www.fitnessjob.jp27する拡大高齢者マーケットを狙え!

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