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身体づくりに効果的な水の選び方と摂取法総論3多様化する水を見極める 近年フィットネスシーンで摂取される「水」の種類が増えている。「水を買う」ことが一般化したことで商品が増え、世界各地の豊富にミネラルを含んだ硬水や、日本のおいしい軟水などが選べることに加え、「水素水」や「酸素水」などの機体成分がプラスされた水も浸透してきている。 そこで、水も身体をつくる食品のひとつとして、身体づくりに関する知識を豊富に持つNESTA理事でパーソナルトレーナーの木内周史さんに、水の選び方について話を伺った。 「水を適切に選ぶには、まず何のために水を摂取するのかを確認することが必要です。水は、現在も新商品の開発がとても盛んで、各メーカーの方々が様々な新しい情報とともに商品を売り出しています。そこで、運動指導者として見極めたいのは、その情報が、どんな人に向けて、どんな価値を訴求しているのかという部分です。また、商品価値として訴求されている成分が、その商品に実際にどのくらい含まれているのかを見極めることも重要です。例えば、近年注目されている水の中でも『水素水』は抗酸化作用や免疫力のアップ、糖尿病予防など、身体にいい効果があるとする論文が多く、『水素水は身体にいい』ということについては専門家の見解もほぼ一致しています。ただ、実際にその効果を得ようとすれば、0・8ppm以上の含有量があることが望ましく、商品によっては含有量が明記されていないものもあるので注意が必要です。水素水専用サーバーも増えていますが、使用する容器の構造や衛生面も含めた提供環境の確認も必要でしょう」水分補給の観点からの水選び 水分補給の観点からの水選びでは、吸収速度が一つの指標になると木内さんは指摘する。特に運動指導者にとっては、運動シーンでの水分補給についての適切な知識を持っておきたい。運動時間と運動強度によって、水分補給のタイミングも、水の選び方も変わってくると説明する。 「一般にスポーツドリンクと言われるアイソトニック飲料は、『等張性』飲料で、安静時の体液と同じ浸透圧の糖分を含むことで、身体への吸収速度が速いとされています。ですが、基準が安静時の体液なので、スポーツドリンクは実は『安静時ドリンク』と言えます。運動時は汗などで失う大量の水分を速く補給することが大切なので、純粋な水が一番です。運動時に栄養補給も兼ねて、糖質やアミノ酸、ミネラルを含む飲料も数多くありますが、何らかの成分が入っていることで吸収速度は落ちます。吸水速度で注目されるのは、水のクラスター(分子)を小さくした商品です。例えばボクシングなど高強度長時間の競技では、水でさえも吸収速度が遅く、お腹に溜まってしまうことを回避するために口に少し含むことしかできませんでした。こうした新しい機能の水が開発されたことで練習中や競技中の水の摂取が可能になり、競技力を高めています」 水分補給のタイミングと量は「体重の2%の水分喪失で、パフォーマンスが明らかに落ちる」と言われていることから、体重の1%以上を失うかどうかで運動中の水分補給の必要性や量を判断することを勧めている。つまり、50㎏の人であれば、運動中に1㎏減るとすれば、相応の水運動指導者が知っておきたい食事栄養とHow to eat &What to eat16September,2014 www.fitnessjob.jp

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