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てきます。フィットネスの指導者の皆さんは、レッスンの中で使う言語のバリエーションが少ないなぁ~というのは私の感想ですが、わかりやすくスピーディに動きを伝えるためには、端的に手短に言葉を発することが必要です。相手に押し付けたり、ぶつけたりするような言葉がけになっていないでしょうか?たまには詩を朗読するように、相手を自分のほうに優しく招き入れるような言葉がけができたら…と、思うことが増えてきました。自分の言葉のセンスを磨くうえでも、自分自身の身体と心のバランスを取る意味でも、たまには詩を朗読することをしてみませんか? この本の中にある「散歩」という詩も大好きです。歩くということの捉え方が変わった時に、肩から力がするりと抜けていく感じがします。「何かをしにゆくために歩くことはできても、歩くことを楽しむために歩くこと」こんな簡単なことが、いちばん難しいと…本当ですね。 言葉を丁寧に深呼吸してみましょう! 私は時々、無性に詩を読みたくなる時があります。そして、それを朗読したくなるのです。詩集に書かれた言葉を借りて、自分の中にわだかまったものやうまく言葉にできない感情を声に出してみるのです。洗練された言葉は不思議と自分の心と身体をクレンジングしてくれます。 もともと、私はフィットネスの仕事を目指したわけではなく、放送専門学校に通いナレーションや声優の勉強をしていました。TVで奈良岡朋子さんという女優の方が、島崎藤村の「初恋」をナレーションで朗読しているのを聞いて、「私もナレーションで感動を与えたい!」と放送専門学校に飛び込んだのでした。私にとって朗読というのは、弟が小学生の頃、喘息発作で苦しんでいた時に、布団の横で少しでも楽になればと思い、本をよく読んだものだったのです。いつも弟からのリクエストでした。苦しそうな呼吸でじっと私の朗読を聞いている弟が、そのうちに静かに眠り出すとゆっくり本を閉じたことを思いだします。 この長田弘さんの本は、「さぁ~深呼吸をしましょう!」というフィットネス的な本ではなく、あとがきにも書いてあるように「言葉を深呼吸する。あるいは、言葉で深呼吸する。そうした深呼吸の必要をおぼえたときに、立ち止まって、黙って、必要なだけの言葉を書きとめた」と言葉そのものが深呼吸なのです。 この本の中の「おおきな木」という詩が、私はお気に入りですが、詩を朗読しながら深呼吸をしているのと同じくらいの安堵感や充足感が得られ有限会社アクトスペース企画代表取締役NPO法人いきいき・のびのび健康づくり協会会長Studio fi ve fにて、パーソナルセッションからセミグループレッスンまで指導中。機能改善体操の普及に邁進中!Profile尾陰由美子著者:長田 弘 出版社:晶文社第8回深呼吸の必要心と身体を磨くオススメ本インストラクターのための出版社:出版社:晶文社晶文社40August,2014 www.fitnessjob.jpHeart Beating バーオソルというプログラムはご存知ですか?もしかすると名前くらいは聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれませんね。 バーオソルとは歴史あるバレエから生まれ、バレエの動作を寝た状態や座った状態で行うことにより無理なくエクササイズを行うことができるプログラムです。音楽もクラシックミュージックなどを使用するのでとても優雅です。 私がバーオソルに出会ったのは新たに日本で展開できるプログラムを探しにフランスへ渡航した時の事です。フランスは芸術性が高く歴史あるものが多い国なのでフィットネスに関しても違った角度の物が見られるのではないかと思いました。そうしてダンススタジオで初めに目にしたレッスンがバーオソルでした。その時の衝撃的な出会いは忘れもしません!私自身が競技エアロビックで大会に出ていた頃に似たようなトレーニングをしていたのです。例えば、柔軟性を向上させる動作、筋力アップの動作、実際に立って行う動作に必要な連動した動作が入っていたのです。 これを目の当たりにし確信しました。日本でもバレエダンサーはもちろん、様々なジャンルのアスリートから一般のフィットネス愛好家ま株式会社HEART BEATING 代表取締役。NEXT AWARD インストラクター オブ・ザ・イヤー2013 最優秀賞受賞。独自路線で様々なイベント事業や教育事業を展開する。『そらともりREN 』『フィットネスハウスパレット中川』その他クラブでスタジオプロデュースを行う。ラディカルフィットネスマスタートレーナーとしても活動。石塚直樹Profi leで老若男女多くの方に向けて発信できるのではないかと。 日本に戻りすぐに養成コースを開催するために通訳を探し再度フランスへ。バーオソルのクラスがあるスタジオを片っ端から回り、レッスンを体験し、色々な話をしました。そうして素敵な講師を1名選びました。 養成コース開催にあたり、通訳を探すことから始まり、時間・労力・お金も掛けました。私は何か行動を起こす時には必ず人と会って物事を作り上げていきます。便利なメールや電話はありますが、それでは伝わりきらない部分があると考えていますので、たとえ経費が掛かっても何度もフランスに足を運び打ち合わせを行いコミュニケーションをとる事を大切にしました。 言葉や文化、考え方の違いによって色々なことで意見が分かれたり、お互い理解し難いこともありましたが、いつでも信念を持って取り組みました。何事も出来ないと決めてしまったらそこで終わってしまいます。やれない理由を探すよりもやりたい気持ちを全面的に出して一つ一つ行動を起こし実現していきます。 バーオソルの日本導入は私にとってハードルの高いチャレンジとなりましたが、無事に養成コースを開講できる運びとなり、ご協力ご賛同いただける方々がいらっしゃるお蔭で、現在は全国に50名程のオフィシャルトレーナーが誕生しました。そうした中でレッスンも全国のフィットネスクラブやダンススタジオ、カルチャーセンター、ホットスタジオで導入され始めています。 また、今後はサンテスプラス株式会社ご協力の元にフレックスクッションを使用したバーオソルも展開して参ります。より一層皆様の身近でご体感いただけるよう広めて行きたいと思っております。【バーオソル導入のために実行したこと】コンセプト作成、5年計画•年間計画作成、教育ツール作成(マニュアルやDVD)、契約書作成、バーオソルウェア作成、バーオソルロゴ作成、契約交渉、商標登録など。第2回 新たなチャレンジ「バーオソル」 第5期バーオソルインストラクター養成コースの様子ひらめきを形に
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