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キッドビクスをはじめ、子ども向けフィットネスプログラムの展開をいち早くしてきている日本こどもフィットネス協会。代表の渡辺みどりさんは2010年に日本フィットネス協会(JAFA)の助成事業として、子どもの体力向上について研究に取り組んだことをきっかけに、握力向上に着目したプログラム開発に着手。そこで考案したボールエクササイズが、キッズコーディネーションプログラムへと発展、進化を続けている。子どもたちの体力向上に向けた実験研究も進行中だ。渡辺さんはその経緯をこう話す。 「最初の研究は『親子フィットネスエクササイズのもたらす育児への影響』とのタイトルで、週1回3个月間の親子エクササイズを行う前後で、新体力測定の方法でその効果検証を行いました。結果として、親子フィットネスによってほぼすべての体力項目で向上が見られた中、唯一向上が見られなかったのが握力でした。本来、握力は、『捕まる』『投げる』『握る』など、生活やスポーツで重要な役割を果たす力であり、握力だけが向上しなかったことに問題意識が高まりました。そうしてキッドビクスに握力を向上できるエクササイズを加えようと、スモールボールを使ったプログラムを考案し、その効果を検証しようと、毎年開催している全国こどもチャレンジカップの規定種目にも採り入れました。普段のレッスンでスモールボールを使い始めると、ボールの圧を変えることでバランストレーニングやコアトレーニング、コーディネーショントレーニングとしても有効なエクササイズが行えることに気づき、ゲーム感覚で楽しく取り組めることから、積極的に採り入れてきています」 こうして開発したスモールボールエクササイズの効果検証を、2013年の全国こどもチャレンジカップ・チャレンジサーキット(個人の部)出場者約300名の選手を対象に行った。リトル(2~7歳)、ジュニア(8~11歳)、ユース(12~17歳)それぞれに、週1~2回のエクササイズを約3个月実施。その前後で体力測定を実施したところ、「握力に有為な向上が見られる」という結果が得られた。実際には全国こどもチャレンジカップ・チャレンジサーキット(個人の部)の全国大会出場者は約500名で、その大会の出場を目指して練習に取り組む子どもたちも含めると、全国で既に約3,000名の子どもたちがこのエクササイズに取り組んでおり、今後は握力だけでなく、バランスやコーディネーション力における効果も期待されている。 通常レッスンでは、ウォーミングアップも兼ねて同エクササイズを導入。ペアになってボールを引っ張り合ったり、合図と同時に、一人がボールを素早く取ろうとし、もう一人はボールをとられないように掴むゲームでは、握力と同時にコアの力や神経筋効率も鍛えられることになる。その他、ボールの空気を半分以上抜いて潰した上に膝やお尻をついて動作を行うことでバランストレーニングやコアトレーニングが行える。ここにもゲーム性を採り入れて楽しく行えるアクティビティとして導入している。 「子どもの体力向上プログラムとして何より大切なのは、『楽しさ』です。楽しいから集中して取り組むことができ、集中して取り組めることで効果的に運動能力を高めることができます。また、飽きることなく継続してトレーニングに採り入れられます。スモールボールはコンパクトに畳めて、ストローで簡単に空気が入れられるので、どこでも気軽に使えることも魅力です。将来は、子どもたちがスモールボールをランドセルに入れて持ち運び、授業の前後や、部活、日常生活にボールトレーニングを採り入れていただける日が来ることを目指して、プログラムの開発と研究を進めたいと思います」JKFAキッズコーディネーションプログラム握力向上の研究から生まれたボールトレーニングが楽しく運動能力を惹き出すスモールボールを活用した、握力向上プログラム、バランストレーニング、コアトレーニング、コーディネーショントレーニングなどの要素を含むエクササイズ。ボールの圧を変えることでどこでも行うことができ、ゲーム感覚で取り組めることで子どもたちが集中し、効果的に運動能力を高めることができる。持っているボールを落とす(掌にボールを乗せる人、そのボールを落とす人に分かれて楽しむコーディネーションゲーム。落とされないようにギュッと握る)ボールを使ったコアトレーニング「オールフォー」二人でボールを引っ張りっこ。握力向上に加えコアトレーニングにもお話を聞いた方 渡辺みどりさん一般社団法人日本こどもフィットネス協会会長。株式会社MWM取締役。1986年にスタジオNAFAでキッドビクスを教え始め、1991年から養成コースをスタート。2000年にチャレンジカップをスタートするなど、子どものダンスエクササイズとフィットネスの普及に努めてきている。DVD監修、著書も多数。プログラム例03CASEキッズコーディネーションプログラム18August,2014 www.fitnessjob.jp

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