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2011年にルネサンスがリリースした脳活性化エクササイズのシナプソロジー。当初は認知機能向上や活動的快の心理面向上が図れるとして、企業フィットネスや介護予防の分野に浸透した。その後、全身反応性が高まることや、協調性やチームワークが高まることが注目され、競技スポーツの分野をはじめ、多くの分野で採り入れられるようになっている。 子どもの分野については、2013年2月よりスポーツクラブ ルネサンス トーア沼津のスイミングスクール生を対象に効果検証が行われ、その効果を受けて、まず今年夏、22クラブの短期水泳教室から導入される。また、8月より通常のスクールでも導入する。その経緯について同社ソフト開発部の相澤麻衣さんはこう話す。 「子どもを対象としたシナプソロジーの効果検証では、『3歳~4歳の記憶力向上』、『5歳~6歳の計算力向上』に加えて『積極性の向上』『引っこみ思案行動の減少』などの結果が得られました。ジュニアスクールなどで親御さんから良く相談される子どもに対する悩みとして、『物事を最後まであきらめずにやることができない』ことがありますが、シナプソロジーでは子どもが楽しんで取り組めることも注目される点です。子どもたちの自主性が引き出せる効果を、スイミングのレッスンに活かせるようにしていきたいとプログラム開発を進めています」 同社では、2014年6月、職業体験が出来るキッザニア東京内で、「シナプソロジーの指導をする」イベントアクティビティを実施したところ、1日3回もインストラクター役に挑戦してくれる子どもが出るほど人気を得た。相澤さんは、シナプソロジーで脳が活性化されるだけでなく、人とのコミュニケーションを楽しめる体験を持てることが、子どもたちの積極性を引きだすのではと分析する。 2014年夏季からシナプソロジーを導入するルネサンスジュニアスクールでは、主にウォーミングアップとして採り入れる。オリジナルで制作した曲に合わせて、シナプソロジー体操(1分15秒)と柔軟性向上の体操(30秒)を2サイクル交互に行う、合計約3分30秒のエクササイズ。 曲はリトミック専門家のアドバイスのもと制作し、その曲をきくだけで身体を動かしたくなる楽しい環境づくりに配慮した。シナプソロジーの内容は、全身を使うじゃんけんや、バランスやジャンプなど大きな動作を使い、こども達が自主的に声を出しながら楽しく動けるように構成している。内容は2週に1度変わるため、飽きずに体操に取り組めるところがポイントとなっている。 相澤さんは、シナプソロジー導入に際してその期待をこう語る。 「当社のトーア沼津クラブでは、既に1年半にわたってシナプソロジーを準備運動に採り入れていますが、導入前と比べて、レッスンが始まる前の雰囲気が明るくなり、子どもたちの話す声も大きくなったという違いが見られています。子どもたちが積極的にクラスに参加している証左と言えます。競技力が高まるなどの直接的な効果はまだ検証できていないものの、成人アスリート対象の実験でシナプソロジーによって全身反応性や脳の注意機能が高まることが検証されていることから、今後そうした成果も十分に期待できると見ています。スイミングスクールに通うお子さまでも、普段、学校や日常で自発的に運動する子どもが少ないと聞いたことがあります。シナプソロジーで子どもたちの自主性を引きだせることで、他のスポーツや活動に積極的に参加する子どもたちが増えていくことが期待されます。他の習い事や、親子プログラムにもシナプソロジーを導入して、さらなる検証も進めながら子どもたちの能力開発に寄与していきたいと考えています」ルネサンス シナプソロジー脳活性化エクササイズが、子どもたちの自主性を惹き出すシナプソロジー体操1分15秒と、可動域・柔軟性向上の体操30秒を交互に2サイクル繰り返す、合約計3分30秒の準備体操。シナプソロジーでは全身でのじゃんけんや、うさぎ、へび、ゴリラなど(「ぴょんぴょん跳ねる」「身体をくねらす」「胸をたたく」の動作)全身運動の要素を入れている。その動作に様々なスパイス(刺激)を変化させていく。関節可動域・柔軟性を向上される体操は、音楽に合わせながら水泳に必要となる肩甲骨周りや胸部のストレッチ、下肢の屈伸やアキレス腱ストレッチなどを行う。体操。伸びたくなるようなスローな音楽に合わせ、気持ちよくストレッチする。下肢の屈伸、アキレス腱のストレッチなど。キッザニア東京でもシナプソロジーで生まれるコミュニケーションの楽しさから、指導者役も子どもたちに人気。プログラム例02CASEスイミングスクールの準備体操お話を聞いた方 相澤麻衣さん株式会社ルネサンス ソフト開発部 プログラム開発チーム 主任スイミングスクールルネサンストーア沼津に着任後、スイミングコーチとして、4年在籍。ベビースイミングから選手育成、成人指導やアクアビクスレッスンなどを担当。2011年より現職。社内のプログラム開発を担当シナプソロジー教育トレーナーの資格も取得。シナプソロジー。陽気な音楽をバックミュージックに楽しく行う。ベースの動きは、動物の動作3つ。ウサギ(頭に手を当てて耳を作りジャンプ)、ヘビ(両掌を合わせてニョロニョロうねらせる)、ゴリラ(胸を両手グー交互にで叩く)。コーチが動物の名前を指示したら、その動物の名前を発声しながら動きを行う。August,2014 www.fitnessjob.jp17
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