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(株)フィットネスビズ代表取締役社長。プロサッカー選手を目指すも挫折、フィットネス業界ではトレーナーやマネージャーを経験し、開業集客などを多数担当。現在はクラブ運営と収益改善のコンサルティングを実施。得意分野はマーケティングとマネジメント。伊藤友紀Profi le 皆さま、こんにちは。今回も事例を交えて顧客創造につながるキーワードを取り上げます。 先月の日経産業新聞にはアメリカの面白い取り組みをしているスタートアップ企業の幾つかが紹介されていました。そのなかにひとつ、ここで取り上げてみたいと思うものがありました。それはいま使っている普通の自転車を、後付けで簡単に電動自転車に転換できるという商品です。もう少し具体的に説明すると、手持ちの自転車の後輪を替えるだけで電動自転車になるというシロモノです。仕組みとしてはブレーキをかけた時に発生する回生電力を蓄電し、動力源に変えるようになっています。後輪の軸についた装置には蓄電池や速度調整などのセンサーが付いており、無線でスマートフォンと連動して電動アシストの度合いを制御するとのことです。後輪を替えるだけなので欧米における従来の電動自転車と比較をすれば、価格は約3分の1に設定されています。早速に注文が舞い込んでいるようで、これは画期的な商品で見事に顧客を創造している例ですね。ここにおける顧客創造のキーワードは「後付けでの機能拡張」です。ここで言うところの「後付け」とは、既存商品からの買い替えをせずとも、既存商品に何かをプラスするだけで良いというものです。それだけで対象商品の機能を従来よりも拡張させる、向上できる点がポイントになります。これは大きな出費をして買い替えをするまではしないけれど、「わずかな金額で」しかも「簡単に」機能が追加でき、モノが使いやすくなるのであれば、買ってみたいというニーズは存在します。 このような商品は私たちの身の回りを見渡してみれば、いろいろなものが該当することに気が付くはずです。例えばパソコンにおけるメインメモリの増設などもこれに当たります。これはメモリを増設することによって新しいパソコンに買い替えることもなく、パソコンの処理速度などを高めることができるものです。その他、このような観点で捉えるとシューズに入れるインソールなども同様な側面を持っていることが分かります。自分の持っているシューズに後付けでインソールを入れるだけで、履きやすさを改善したり、障害の予防ができたり、といったことです。 これらの例で少なからず理解が進んだと思いますが、後付けによる機能拡張というものは顧客創造におけるひとつのキーワードになります。その他、補足として冒頭に紹介した電動自転車の場合は後付けの機能拡張に加え、それを「他にはない手段で」「初めて提供した」ことによって、さらに魅力を高める要素になっています。 こういった要素が加わると、より顧客創造の度合いは高まります。トレーナーの皆さまには今回のキーワードをフィットネスクラブに置き換え、既存会員さまへの有料プログラム販売や新規入会者等の顧客創造について自分なりに考えを巡らせてもらえればと思います。マーケティング思考を養う顧客創造のヒント40July,2014 www.fitnessjob.jp上田泰子YASUKO UEDAProfi le日本体育大学女子短期大学卒業。1988年ジャパンカップ女子シングル優勝。日本体育大学体操競技部コーチ、日本大学非常勤講師などを経て、現在OKJ代表。フィッシュオイル栄養普及大使(仮)。AVIAマスターエリートhttp://homepage3.nifty.com/okj/ 芽育 ワード⑩ 「小1プロブレム」が「小1ノープロブレム」になると嬉しいな~※5~9歳くらいのプレゴールデンエイジ・9~12歳くらいのゴールデンエイジを含む「小1プロブレム」と言う言葉が、メディアで取り上げられるようになり約10年、文科省が対策を講じ始めて数年が経ちます。つい先日も全国誌の朝刊一面で「幼稚園では、教育要領について小学校と接続を意識した見直しを行う」という記事が掲載されていました。 小1プロブレムとは、 入学したばかりの1 年生が、(1)集団行動がとれない(2)授業中に座っていられない(3)先生の話を聞かない、 などと学校生活になじめない状態が続くこととされています。 子どもの発達は、川のように流れています。その流れの様に次の段階に進めると良いなと感じています。私が行っている、幼児クラスから小学生クラスに移行して、楽しく活発に活動していくための配慮の一部ご紹介します。①子どもの様子を理解し、年長児を小学生クラスに受け入れる②幼児クラスの子どもに、小学生のカッコイイ動作や、自立した行動力に触れさせる機会を設ける③練習時は、縦割りにして上級生が下級生を導く場面を多く作る(思春期手前の子どもへの自立した行動への発展としても大事な体験となります)④発達段階、子どもそれぞれの状況を把握し、それぞれの 子どもに合った伝え方を熟考しつつも瞬時に伝える!(←ここが大切!)⑤自由は、不自由と言われる!子どもが、相手を思いやる想像力も膨らませて取り組めるよう具体的で自由度が膨らむプログラムを発信し続ける⑥思わず、心の中の思いが膨らむ音楽(メロディーと歌詞が重要!)を選択など…まだまだ、研究中です。 子どもへの指導を担う私たちは、社会全体の動向も感じ、自分らしい指導をしていくためにも、周辺知識を膨らませる事で、視野が広がり、奥深さ、そして弾力のある指導になると感じています。子どもたちがじゃれ合い、歓声が溢れる、安心できるクラスづくりのために!

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