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木場克己さんがFC東京のヘッドトレーナーとして、当時強化選手でありながらヘルニアでプレイができなくなっていた明治大学生の長友佑都選手を紹介されたのが2000年。木場さんが治療家の視点から発想したトレーニングで長友選手は腰痛がなくなるだけでなく、高いパフォーマンスを発揮し始める。もともとサッカープレイヤーとして高いスキルと能力を持っていた長友選手はメキメキと頭角を現し、その活躍ぶりと人気の上昇とともに、木場さんが開発してきた「体幹理論」が注目を集めた。そのトレーニング開発の背景を木場さんはこう説明する。 「長友選手に会ってまず普段行っているトレーニングを見せてもらうと、腹筋と背筋だけのバランスの悪い体幹トレーニングになっていました。体側の筋力が弱く、股関節が硬かったことが腰痛に繋がっていると分かり、最初の2週間は股関節のストレッチしかしませんでした。その後、体幹部のインナーマッスルや腹圧を高めて動くことで体幹部の動きを安定。そのうえで、徐々に上半身や下半身との連動をつけて全身の動きの効率を高めながら、サッカーの特徴的な動きである『全力で走った後に片足で止まって蹴る』という動作を効果的に行えるトレーニングも工夫していきました」 コバトレをきっかけに、有名選手に憧れるジュニアアスリートにもファンクショナルトレーニングを広げることにも成功している。ジュニアだけでなくアスリートにとっては、「ストレッチ」や「トレーニング」は退屈で、必要だと分かっていても軽視してしまいがちだった。トップアスリートに憧れる気持ちに、「体幹理論」という分かりやすい言葉とメソッドで応えたことが、コバトレ人気の背景にある。また、書籍やメディアを通じて一般生活者の腰痛改善やパフォーマンスアップの分野でも注目を集めており、スポーツクラブルネサンスなどフィットネスの現場にもコバトレ理論のトレーニングが導入されている。 高まる指導者ニーズに応えるべく、2014年6月から「KOBA式体幹バランストレーニング」をライセンス化し、「日本のスポーツを強くするトレーナーの育成」をスタートする。カリキュラムは「体幹理論」「ストレッチ」「体幹トレーニング」「チューブ」を学ぶベーシックレベルか木場克己さんのファンクショナルトレーニングマーケティングらスタートし、マットやストレッチポールを利用したバランストレーニングが指導できるBライセンス、アスリートを指導できるAライセンス、トップアスリートをKOBA式体幹トレーニング指導できるSライセンスへと段階的に学べるようになる。トレーナーはもとより、地域スポーツ指導者や部活動の先生などにも啓発していく。小学生から高校生向けに同トレーニングが体験できる「スーパーアスリート塾」も展開していく。リーボック・ワン・マスタートレーナー兼リーボッククロスフィットH&B代表。デンマーク出身のK-1選手として活躍。2008年の右太腿内側の怪我を機に休戦中。テレビや映画に出演する傍ら、語学を活かしてビジネスコンサルティングの仕事もしている。2012年都内に日本国内第1号のリーボッククロスフィットジムをオープン。クラブ運営の傍ら、後進の育成やメディアを通じたリーボッククロスフィットトレーニングのブランディングを進めている。お話を聞いた方ニコラス・ぺタスさんリーボッククロスフィット米国でファンクショナルトレーニングのスモールグループセッションが広く浸透した契機となったクロスフィット人気。ストレングスやパワー系のトレーニング要素を豊富に含み、脂肪燃焼やボディメイク効果も早く得られることで一般生活者にも広く浸透してきている。18July,2014 www.fitnessjob.jp
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