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人気の「ヨガ」で、ママ世代のエクササイズ参加を促す 妊産婦の健康づくりや、産後の育児環境の改善を目指してマタニティビクスをはじめ数多くのフィットネスプログラムの開発や指導者育成をしてきているマタニティフィットネス協会では、現在の妊産婦世代に根強い人気のあるヨガをベースにしたプログラムを拡充してきている。現在、同協会で開発〜普及を進めるヨガプログラムは3種類ある。 「マタニティヨガ」は、2005年から導入したプログラムでヨガの呼吸法や身体や心への意識を高めることで心身の状態を良好に保つことを目指す内容。マタニティ期の身体や心の変化、お腹の赤ちゃんへの負担も考慮しつつも、ヨガのメソッドに忠実にママ向けにプログラミングされている。 ここに2014年から2種類のヨガプログラムがリリースされる。 1つは2014年1月にリリースした「ママヨガwithベビー」。産後向けヨガとして「ママヨガ」は2005年から実施してきたが、現代のママ世代に運動習慣がない人が多く、産後のエクササイズの重要性を説いてもなかなか響かない中、「赤ちゃんと一緒に、身体と心のストレスをリリースできる」ことをフックに一人でも多くの産後女性の参加を促そうと開発した。人気の「ヨガ」を活用しながらも、赤ちゃんとのコミュニケーションを第一に置いた内容で構成している。 さらに、9月リリースを予定しているのが、「ベビーヨガ」。ベビービクス(ベビーマッサージ&エクササイズ)のバリエーションとして2006年から指導者向けにワークショップを行っていたが、ニーズの高まりを受けベビービクス講習会のカリキュラムに加えることとなった。ベビーヨガはママと赤ちゃんの密着度が高く、ママの身体を使って行うことで、よりダイナミックなコミュニケーションとエクササイズが楽しめるプログラムとなっている。子どもの視点から、ママのアーサナを選ぶ 「マタニティヨガ」は妊娠中のママが主役、「ベビーヨガ」はベビー主役で、それぞれへの安全性や効果を念頭にアーサナやエクササイズを選択し、流れが構成される。一方、ヨガとしては異例と言えるのが「ママヨガwithベビー」の構成だ。主役はママとしているものの、アーサナの種類や順序は赤ちゃんの様子や赤ちゃんとのコミュニケーションをベースに選んでいく。 基本の流れは、「ボディケア」から「ボディメイク」へという「ママヨガ」の流れに準じるが、実際は参加している赤ちゃんの発育・発達、その時のご機嫌など、あくまでも現場の状況に応じた指導テクニックが必要となる。赤ちゃんのポジションは「あかちゃんねんね(赤ちゃんが寝た姿勢で行えるアーサナ)」、「あかちゃんだっこ(赤ちゃんをだっこした状態でできるアーサナ)」という2つを基本とし、その時の親子の状況にふさわしいものを選択し提供する。さらに、ママと赤ちゃんの目線が近く、赤ちゃんが環境に安心できる体勢のものからレッスンをスタートする配慮が加えられたり、それぞれのアーサナではポーズの正しさよりも、赤ちゃんが安心できるようなモディフィケーション(変更・修正・加減)ができるよう、いくつかのパターンを示し、ママが選択できるように提供、声がけしていく。 ママのための「ママヨガ」では10種類前後のアーサナでレッスンを構成するところが、「ママヨガwithベビー」では3~4種類のアーサナで終わってしまうこともあるという。それでもママが主役だからこそ、ベビーが安心できることを優先すると同協会理事兼チーフディレクターの小林香織さんは説明する。 「ヨガの良さは、運動習慣がない方でも参加しやすく、場所を選ばず提供できること。そして何よりママ世代に人気があることを活かしたいと思っています。産前産後は女性が最も自身や子どもの健康づくりに興味を持つ時期ですが、この時期の女性親子に日本マタニティフィットネス協会ヨガを01一般社団法人日本マタニティフィットネス協会 理事兼チーフディレクターマタニティビクス、マタニティヨガ、ママフィット等、妊婦や産後の女性をはじめ、妊活中や更年期など女性のライフステージに合わせた専門の運動プログラムを企画・開発し、約20年間業界を牽引。全国で指導者の育成に注力し、企業や病院、自治体での講演およびイベントに出演。また、書籍・DVDの監修やリリースも行い、TVや雑誌など各種メディアでも活躍中。お話を聞いた方小林香織さんは子どもと離れたり、子どもに不安を感じさせることに、とてもストレスを感じてしまうんです。ママたちに安心してヨガに親しんでいただくことが重要で、そのためにママと赤ちゃんの気持ちを優先したヨガプログラムがあってもいいと考えました」 同協会の指導者には、もともと助産師や看護師、保母さん、幼稚園のヨガ、ピラティスで、新市場開拓ヨガの人気と、ピラティスの魅力が新たな分野で人々の健康やフィットネスを支え始めている。形や流派にとらわれず、その本質を市場に合わせて提供している。8June,2014 www.fitnessjob.jp
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