NEXT85
22/52

〒152-0035 東京都目黒区自由ヶ丘1-4-6 ヒューマン・ハーバー4階 TEL: 03-3725-1103 FAX: 03-3725-1104HP: http://www.j-m-f-a.jp E-mail:info@j-m-f-a.jp協会プログラムにご登録に頂き指導することができますマタニティフィットネスのプロになる!小林香織一般社団法人日本マタニティフィットネス協会理事 大きな声で語られることのない帝王切開。しかし、妊婦の約20%が帝王切開で出産するという現状があります。運動指導者として、知らないでは済まされない帝王切開について、中部大学生命健康科学部保健看護学科准教授の横手直美さんにお話しを伺いました。小林 帝王切開は、どの位増えていますか?横手 ここ20年で約2倍。現在は、妊婦の5人に1人は帝王切開で出産すると言われています。小林 帝王切開が増加した要因は何がありますか?横手 女性の身体が変わったこと。例えば、骨盤の形が男性型に近い方が増えたので、骨盤位(逆子)が増え帝王切開の出産が増えました。また体力の低下も一つの原因ですね。小林 他に晩産化なども要因としてあるのでしょう。横手 そうですね。出産の機会が少なくなり、リスクを回避し安全なお産をしていこうという医療側と産む側の変化もあります。日本の周産期死亡率の低さは医療のおかげもあるのです。小林 なるほど。5人に1人が帝王切開となると、クライアントの中に帝王切開経験者がいる可能性はすごく高いですよね。指導者としては、帝王切開をしている方にも運動を積極的に行ってほしいと思うのですが、どうでしょうか?横手 術後の経過が順調だという事が大前提で、帝王切開のママにこそ、運動をして欲しいです。産後の運動目的として①緩んだ骨盤底筋群を引き締める②母乳分泌を促す③産後の育児で必要な体力をつける。という事がありますが、帝王切開の方も同じです。小林 出産方法に関わらず、女性として再スタートするには運動は大切ですね。運動にはメンタルをケアする役割もありますが、帝王切開を経験したママはどのような感情を持っているのですか?横手 帝王切開のママたちは、自分から『帝王切開で産みました』と言えない方も多く、中には自分を主語にして『私が産みました』と語れないママもいます。『出してもらった、産ませてもらった』と言う方も多くいます。帝王切開で出産したママは潜在的に周りにいると認識して欲しいですね。そして、そのママたちは出産やご自身に対してネガティブな感情を持っている人が多いという事もぜひ知って頂きたいです。小林 適度な運動がうつ症状などを改善するということは証明されていますが、我々の行っている産後の運動は、運動をするために集まることにも効果があるのかなと思います。横手 そうですね。仲間ができると孤独から抜け出せる。あとは、他のお母さんたちと一緒にできるという事が自信に繋がり、産後うつ病の予防にもなります。小林 医療が進み、安全なお産ができることは嬉しい事として広め、帝王切開に対してのマイナスイメージを変えていかないといけませんね。横手 はい。まだまだ偏見が多いですから。そんな事は絶対ないのに、ママ自身が『自分はダメなんだ』『母性が足りない』『帝王切開だから母乳が出ない』と情報の少なさや社会の偏見からそう思わされてしまうのです。小林 ママたちにとって、自分を受け入れてくれて、仲間がいて、指導者もわかってくれていると思意外と身近に潜む 帝王切開で出産したママたちの悩みえる場所が常にあるという事が大事ですね。産後の運動は、メンタルやフィジカルへの効果はもちろん、社会との接触という点でもとても大切ですよね横手 私たち医療者と異なり、運動指導者がフィジカルだけでなくメンタルのケアもできるのは、すごく長期的なスパンで関わることができるからです。毎回同じインストラクターに教えてもらう安心感はすごく大きいのです。小林 指導者の方は帝王切開について知る機会が少ないと思いますが、基本的な知識と帝王切開で出産したママたちの思考を理解しおいて頂きたいですね。帝王切開分娩の女性の心理NegativeFeeling喪失感失敗感自責感孤独感劣等感

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です