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審査員総評 今年で4回を迎えたトレーナー・インストラクター・オブ・ザ・イヤーですが、自薦、他薦に関わらず、全体的に質がかなり向上しているなという印象があります。おそらく、今までの受賞者の記事を読んでいただき、賞をとる背景などを研究しているのでしょう。提出してくる資料の中でも活動内容が、ポイントを抑えた形式になっていて、とても読みやすくなっていますね。そもそも、この賞は、日本を代表し、フィットネス業界を牽引する人を求めています。ですから、トレーナーもインストラクターも、1、情熱、2、技術と知識、3、業界の貢献や企画、プレゼン力を含むビジネス力の3つにおいてバランスよく揃っていて、それを実行していること、そういう人を厳選し、選考しています。今回の7人の方は、10年、20年を経ても、トップで活躍し続けているだろう、またそういう願いを込めて選出しました。※受賞されたみなさんは、いままでの活動が評価された素晴らしい人ばかりです。今後、自分の1年後、5年後、10年後を具体的に描いて活動をしていってほしいと思います。18April,2014 www.fitnessjob.jp総評トレーナー・インストラクター・オブ・ザ・イヤー2013NEXT AWARD審査員総評 年々応募者の活動の内容も、プレゼンテーション資料の質も、レベルが高まっている中、2013年は、特に独自性の高い活動で実績を重ねてきている方が受賞者に選ばれました。★トレーナー部門松井薫さん 今回最優秀賞の渡部真吉さんは、「トレーナー」として何ができるかという視点から進めてきた活動に高い独自性が感じられました。秋田県というフィットネスでは後発の市場で、土地柄に合わせた方法で開拓してきていることや、話題のメソッドなどに偏らず、本質的なトレーニングを啓発してきていることが高く評価されました。 その他、審査委員特別賞に選ばれた3名の方々も、それぞれに独自の視点でこれまでトレーナーとしてはあまり踏み込んでこなかった分野で活動されていることが評価されました。 年々応募される方の、活動の量も質も高まってきていますが、今年少し気になったのは、プレゼンテーション資料の中に、資格が明記されていない方が多かったことです。高い売り上げや影響力を発揮していても、その背景にある資格をはじめとした基本的なトレーナーとしての基盤が見えたほうが、信頼を得やすいと感じます。資格がすべてではありませんが長期的な成功に繋げるためにも、今いちど身体の仕組みへの理解が深いことを自身の価値と位置づけたほうがいいと思います。 プレゼンテーション資料も年々クオリティが上がってきています。一般社会では、こうした提出資料は、ワードやパワーポイントなどで、伝わりやすく作成することが常識です。今回受賞された方々は、独自性の高い活動を実現するうえで、こうした資料づくりにも工夫が見られ、非常に高いレベルで作成されていました。★インストラクター部門尾陰由美子さん 今回最優秀賞の石塚直樹さんは、フィットネス指導者として、またエアロビック競技者としての基礎があったうえで、フィットネスクラブの外との繋がりをつくる独自の活動を成果に繋げていることが高く評価されました。わくわく感やスペシャル感を感じさせるアイデアを長年提供し続けてきており、特に自分だけでなく、インストラクターや参加者の方々をチームにして楽しめる環境を創ってきています。 今回応募いただいた方の視点で少し気になったのは、自分がいいと思うことを多くの人に伝えたいと強く思う視点が、自分に向いてしまっている場合があることです。これからは、回りの人が何を求めているのかという相手が主語になる視点を持つことが重要です。 これまでグループインストラクターは、フィットネスクラブで際立った個性や魅力で人々に大きな影響を与えてきました。ここでは、一人のインストラクターに対して多くの参加者という「1対多」の関係でした。ですが、近年はインストラクターとお客様が「1対1」でパートナーのような間柄で結ばれ、その関係を多くの人と築くことでグループやネットワークが形成されるようになってきています。今後はそうした輪を大きくしていける人が大きな影響力を発揮できる存在になるでしょう。★プログラムディレクター部門月刊NEXT編集部 昨年の「シナプソロジー」に続き、日本発の価値の高いプログラムが誕生しました。「ひめトレ」は、2013年の春発売以降、急速に広がり、これまでアプローチしづらかった骨盤底筋群に、明るく分かりやすくアプローチできる商品とプログラムに育て上げたことで、今後インストラクターやトレーナーが多くの人の悩みを解決できる可能性を高めました。 今回受賞の日本コアコンディショニング協会の3名のひめトレディレクター陣は、自身の発想やアイデアを独り占めせず、多くの方と積極的にシェアし、意見や協力を柔軟に受け入れ、その成果や功績もシェアするマインドを持っていたことも、「ひめトレ」の成長に欠かせない要因です。 フィットネスプログラムの世界でも、競争ではなく協創の時代に入ったこと、日本ならではの環境で新しい価値あるプログラムが生み出されることの証となりました。

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