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March,2014 www.fitnessjob.jp37上田泰子YASUKO UEDAProfi le日本体育大学女子短期大学卒業。1988年ジャパンカップ女子シングル優勝。日本体育大学体操競技部コーチ、日本大学非常勤講師などを経て、現在OKJ代表。フィッシュオイル栄養普及大使(仮)。AVIAマスターエリートhttp://homepage3.nifty.com/okj/ 芽育 ワード⑥ 出来ると言えば出来るんだけど…ちょっとの我慢とやる気スイッチ探し中※5~9歳くらいのプレゴールデンエイジ・9~12歳くらいのゴールデンエイジを含む ジュニアビート・フィットネスのレッスンには、幼児期に近い低学年の小学生と、ランドセルが小さく見える思春期の入り口の小学生が集うクラスもあります。 身長の伸びが急速だと感じた1年後くらいに初経を見ることが多く、筋肉より骨の方が成長が速いため、体が硬く感じる事が多い時期。身軽にキャッキャと飛び回っていた子どもが、あまりの身体の変化に戸惑う事も多くなるなど、成長期の運動指導には子どもの発育・発達特性の概要を押さえておく必要があります。 リズムに合わせて、ジャンプして、一気に重心を落とし転がる動作の反復練習…小学生にして身長165cmのえみちゃんは、周りの友達と同じスピードで回るのはかなり大変!何度も、回ってるふりで終了しています。 私「あれ?えみ!回り方、わかるかな?」 えみ「出来ると言えば出来るんだけど…」 次も、回ってるふり… 私「一緒にやろう!7のカウントで強く床を押して起きるんだよ!疲れても、ちょっと我慢!」 するとかっこよく10回連続全て成功! 私「いいよ!出来てるよ!小さいお友達より40cmも身長が高いから同じスピードで回るのは大変。ちょっと我慢が必要!それが出来たら、色んな事が出来る!」 その日のレッスンは、クラス中がちょっと我慢のポジティブ空気が流れ、全員に目が輝く取り組みとなりました。そしてラストにハイキックの練習。えみは持ち前の身体能力と地道な努力とちょっと我慢でキックはカッコイイのに、俯いています。 私「みんな!えみのキックを見習おうよ!前でやってみて!」 下を向いて小さく「ハイ!」 えみの格好いい連続キックに皆から拍手! 帰り際、えみの背中から輝く羽が見えました。子どもの心に寄り添い、タイミングよく愛情のこもった叱りと称賛!本来子どもが持っているやる気スイッチを押すタイミングを探してあげる事も指導のひとつ。そして、そのスイッチを押すのは、もちろん本人だけなのです。

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