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January,2014 www.fitnessjob.jp15 2013年の本誌を振り返ってみて、ヒットした号にいくつかの特徴があります。そこで、特集タイトルと併せてその特徴をお話ししていきましょう。 まず4月号の『太らないストレッチ、若返るヨガ』。これがヒットした背景には女性の生活スタイルの変化に伴う体の悩みがあります。それはスマホ依存から起きる "首こり"や"自律神経の乱れ"。スマホを見る姿勢はパソコンを見る姿勢とは異なり、首をコキッと折ったような姿勢です。凝りも姿勢で症状に違いがあり、パソコンでは肩凝りでしたが、スマホでは首凝りが起きて、首が圧迫されるために自律神経も乱れます。また、スマホが放つブルーライトは、眼の後ろ側にある脳の松果体に影響を及ぼすため、眠りが浅くなり、輪をかけて自律神経が乱れるのです。 こうした首凝り、自律神経の乱れによって起きる体の不調は、呼吸法を伴ったボディワークであるヨガやストレッチが有効です。 2013年前半は、ロングブレスのヒットで、呼吸法の本が続々と出版されたことも背景にありますが、ほかにも「ボディワーク」的なケア法が身近になり、運動が苦手な人にもこれならできるという親和性が高まったのではないでしょうか。 とくに弊誌の読者は運動を苦手とする40代女性を中心としています。そこで、筋トレとか、ワークアウト、エクササイズといったきつそうなワードより「ストレッチ」という易しそうなワードを使うようにします。実 2013年、『Body +』は、大きくリニューアルをしました。健康的な体を作るというテーマは変わりませんが、以前は「体を動かす」ことを誌面の7割にしていましたが、今年からは、食生活をメインに変えました。 理由は、体への影響という点で、食が7割、運動が3割ほどの比重だからです。 体作りをダイエットとか、トレンドのエクササイズという切り口にすると、何のために体作りをするのかという根本的な目的が見えづらくなります。例えばお腹を凹ます、くびれを作る、脚を細くする、といったテーマにすると、健康よりも見た目重視のダイエット視点が強くなりすぎると感じています。キーワードはヘルスコンシャス Body+で大事にしていることは、「健康的な体」を作ることで、「女性が輝いていられること」。健康的な体を作る延長線上に不必要な脂肪を取り除くということもありますが、それは目的ではなく結果でしかありません。多くの40代の女性は「痩せる=美しくなる」ではないことを知っています。 健康的な体の基本は、正しい食事方法や正しい姿勢、歩き方といった日常習慣にあります。人の体は自分の食べた物でできています、また外見は一番外側です。バランスのいい食事と適度な運動こそが、若さと美しさを維持する唯一の方法です。だから、日頃から食事や姿勢のくせに気を配る必要があります。 例えば、体が歪んだ状態でエクササイズしても良い結果には繋がりません。変なところに筋肉がついたり、かえって体を痛めることにもなりかねない。女性に今、お勧めするトレーニングとして、ファンクショナルトレーニングがあります。体本来の機能を高める、という点で非常に効果が高いものです。 その意味でも、体作りは決してトレンドであってはいけないんです。継続しやすい、今の自分に合うものと巡り会うことが大切です。 日常的には、ウォーキングの質を高めることです。歩くことは地味な運動に思えますよね。そこで、11月23日に、渋谷ヒカリエで、「ビューティウォーキングパフォーマンスコンペティション」を開催しました。これは、各ウォーキング教室に通われている人にチームを結成して参加してもらい、ステージ上でウォーキングのパフォーマンスを約5分間してもらうもの。歩くことはシンプルですが、だからこそ多彩な表現ができます。こうしたイベントを開催することによって、ウォーキングへの興味を高めていきたいですね。 一方、食の方ではトレンドが多く、たとえば「野菜を多く摂ろう」というベーシックな思想の中にも、いろんな視点で野菜を紹介できます。たとえば、スーパーフード(高栄養価食材)。アメリカでは浸透しているもののまだ日本は広がっていないので読者に反響がいいですね。 来年からも、体の土台作りをテーマにして、本誌ならではのスタンスを持って記事作りをしていきます。日経ヘルス編集長藤井省吾さん「日経メディカル」を経て、1998年から『日経ヘルス』記者として活躍。2008年より同誌編集長に就任。好きなスポーツは水泳でマスターズにも出場している。ボディプラス編集長谷合貢さん『CYCLEHEADZ』、『Nail Venus』など、美容とファッションの雑誌を発行する株式会社ミディアムの代表。好きなスポーツは全般。います。そこで、筋トレとか、ワークアウト、エクササイズといったきつそうなワードより「ストレッチ」という易しそうなワードを使うようにします。実は、同じエクササイズの内容でも、「ストレッチ」と表現すると、読者は共感してくれるのです。女性はより一層欲張りになった 9月号の『お尻&バストが上がる!一生たるまないストレッチ』も人気でした。この背景には「単純なダイエット志向」の人が減ったという傾向があります。とくに弊誌の40代女性読者は"腹が凹む"というテーマより、"たるみを上げる"という言葉に共感します。 これに絡み、10月号の『女の肌悩み&老け見え解決!』がヒットした背景として、美容ネタに求められる質の変化です。美容系雑誌のように「うっとり美肌」という取り上げ方ではなく、この号はリアルに作りました。老け顔検定や、老けてみえる原因を写真で細かく見せるなど、今の40代の悩みにリアルに向き合ったことで、とても反響を呼びました。つまり、個別の事象(悩み)に玉を投げると受けるということです。 今、女性読者はとても欲張りになってきています。だから「体」「レシピ」「美容」の3要素を毎号必ず入れています。リアルな悩み、症状と絡ませて、細かく記事作りをしていく必要があるのです。振り返ってみて、2013年は、健康美容のセルフケア開花の1年だったと思います。至る所に健康美容アイテムが溢れています。健康市場が大きくなり戦いが激しくなった今こそ、より個別の悩みや症状を解決できる内容を知りたいという消費者のニーズの高まりを感じます。健康美容が開花した2013年個々の悩みをよりリアルに取り上げる“ヘルスコンシャス”が浸透した2013年原点に立ち返り、体の土台作りを伝える 健康的な体の基本は、正しい食事方法や正しい姿勢、歩き方といった日常習慣にあります。人の体は自分の食べた物でできています、また外見は一番外側です。バランスのいい食事と適度な運動こそが、若さと美しさを維持する唯一の方法です。だから、日頃から食事や姿勢のくせ
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