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14January,2014 www.fitnessjob.jpフィットネス・スポーツ・健康情報誌の 2013年は、とくに新しいキーワードがなかった珍しい年でもありますね。人気の号でみても、ストレッチ、体幹、腹を凹ます、体脂肪ファンクショナルトレーニングなど定番のテーマです。そんな中大ヒットしたのは、2012年暮れから発売した『女性のためのターザン特別編集』の3冊。計100万部を突破しました。また予想以上に売れ行きが良かったのは『糖質制限VSカロリー制限』(628)や『筋トレVS 有酸素運動』(625)といった比較系の特集。ただ、これらをみても、テーマ的にいえば、定番の部類に入ります。 ランや自転車などの大きなブームが落ち着いてきて、いわゆる過渡期。とはいえ、ファンクショナル系の新しいフィットネス・スタイルが日本に上陸していますよね。クロスフィットやオブスタクルレース、HIITなど。いわゆる"高強度"がキーワードのものです。 本誌でもクロスフィットは、数回、大きな企画を作っています。またオブスタクルレースもハワイに行き、泥まみれで撮影をして紹介しました。しかし、これらも日本ではブームといわれるほどに至っていません。 今、編集部としては、こうした動向をきちんと見つつ、新たなムーブメントを起こそうとする人たちとコンタクトを取りながら、今後の展開をどうしていくかということを考えている段階です。つねに新鮮な切り口を考える 2013年は定番テーマの中で、新しい話題や目先を変えた企画作りに取り組んだ年でもあります。 たとえば『燃やせ 体脂肪!』(619)の号では、「慢性炎症が肥満や慢性疾患の原因である」という理論を取り上げたり、『太らない食べ方』(623)の号では、「肥満は伝染する」というネットワーク理論を取り上げたり。医学業界の話題をわかりやすく記事にしました。 また『ストレッチ』(633)の号では、本当に効くランキングとして、100人のトレーナTarzan編集長大田原透さん1991年、株式会社マガジンハウスに入社。2007年より6代目『Tarzan』編集長就任。好きなスポーツはランニング、ロードバイク、スノーボード、トレイルラン、MTBなど。編集長が注目した2013年のキーワード消費者のライフスタイルや嗜好の変化、新しい市場の可能性、そしてヒット商品など、多くの情報の最先端に触れ、特集記事を組む雑誌。読者の反応をリアルに知る雑誌の編集長という立場から、2013年をどう見たのか、話しを伺った。す。またオブスタクルレースもブームがひと段落した2013年ニーズの高い定番ネタを掘り下げるーたちが選んだ症状別、競技別ストレッチに順位づけをする切り口にしました。 読者をはじめ今は一般の方々も非常に健康やフィットネスに対してアンテナを張っていて、賢い。しかも情報はスマホやパソコンで速報的に見ることができます。そんな中で雑誌は何ができるかといえば、ひとつは医学界や科学界のエビデンスある新しい話題を一般の人をつなげられるようなわかりやすい情報。もうひとつは俯瞰的な情報です。俯瞰的な情報とは、たとえば、ランニングでもAの大会、Bの大会の情報はネットですぐ見ることができます。しかしAとBを比較する内容は見られません。そういうところをじっくり取材できるのが雑誌の強みでもあります。ですから、テーマが同じでも、我々はいつも違う側面から見たり、俯瞰的な視点でみたりして記事作りをする。同じテーマでもつねに新鮮な切り口を作ることを大切にしています。これは2013年のの大きな課題でもありました。どの業界でも普遍的な課題でもありますね。
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