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強度を重視する方向性にあるという。 また、基本トレーニングの考え方も、以前はマシンの種類などで全身をバランスよく鍛えられるようにメニューを組んでいたが、テクノジムでは7つの動作を「基本動作」としてトレーニングに採り入れる考え方に変わっている。7つの基本動作とは、「スクワット」「ランジ」「ベンド(股関節から前傾)」「プル」「プッシュ」「ローテート」「ロコモティブ(移動)」であり、すべての動作が全身の連携を伴っていることがわかる。 クラスの提供方法のトレンドとしては、スモールグループのサーキットが主流で、欧州でも多くのフィットネスクラブがジム内にファンクショナルエリアを設け、無料でクラスを提供し始めている。自重で行うものは無料、特別な機器を使うものは有料で提供され、パーソナルトレーナーがクラスを運営することで、その後のパーソナルトレーニング需要の開拓に繋げている。テクノジムの「OMNIA8」の場合でも、8ステーション設定でき、2人組で行えば、16人のグループレッスンが可能となる。 長谷山さんは、日本代表として、世界に向けて発信できる貴重な情報も多くあると話す。 「世界からトップトレーナーたちが集まるミーティングに参加して改めて感じたのは、欧米人は基本的に体力があるし、骨格も強くできています。それに対して、日本は格段に低体力者も多いし、高齢者も多い。そこに、日本ならではの低強度での効果的な指導法や安全性を確保するトレーニング方法などのノウハウがあります。また、日本で今急速に浸透している脳と身体を連動させるコーディネーション系のトレーニングも、欧米ではまだ本格的にフィットネスの分野には採り入れられていません。こうした日本が世界的に長けていることを、今後も積極的に発信していきたいと思います」2013年9月、パーソナルトレーニングからグループエクササイズ、ピラティス、ダンスまで幅広く指導し、ワークショップなどで後進の育成にも携わる長谷山留美さんが、テクノジム主催のマスタートレーナーミーティングに参加。1日12時間、4日間にわたる集中講義で世界のトレーナーと学び合った。よりよい二足動物になろう テクノジムから2013年12月リリース予定の「OMNIA(オムニア)」発売に先立ち、イタリア北部にあるテクノジム本社でマスタートレーナーミーティングが開催された。日本からはテクノジムのマスタートレーナーとして活動する長谷山留美さんが参加した。 「OMNIA」は数々のファンクショナルトレーナーが行えるトレーニングステーション。現在世界的に広がっている、ファンクショナルトレーニングの捉え方や、パーソナルトレーニングやスモールグループでの指導法について包括的に学ぶ内容。テクノジムは「ウェルネスカンパニー」を標榜しており、ファンクショナルトレーニングについても、かなり本質的な話からワークショップはスタートしたという。「『現代の人々になぜ運動が必要なのか』という話から始まり、ドクターからはACSMのガイドラインの背景にある医学的・科学的フィールドでの最新の視点を学び、またテクノジムの製品開発担当者からは、最新のトレーニング理論とテクノジムのテクノロジーがいかに結びついているのかといった話まで、本当に濃い内容のミーティングでした。特に印象に残っているのは『よりよい二足動物になろう』という言葉。現代社会では忘れがちですが、人間もあくまで動物。客観的に見ることで、必要な考え方や伝え方を見直す機会になりました。世界最先端のフィットストレンド もちろんトレーニングに関する最新トレンドも習得できた。 ひとつにはACSMの最新ガイドラインでは、数値に頼らない方向にあること。以前は、運動強度の指標となる目標心拍数は、「最高心拍数220-年齢」として求め、実際にトレーニングしながら心拍数を測定して強度を設定する方法がとられていたが、現在では医学的・科学的根拠を大切にするACSMでさえ、ガイドラインはあくまでガイドラインとして捉え、基本的には体感長谷山留美さん長谷山留美さん北海道旭川市出身。幼い頃からスポーツが苦手だったものの、大学時代留学先のロサンジェルスでエアロビクスとの衝撃的な出会いからフィトネス指導者の道を歩みはじめる。フィットネス専門翻訳、通訳もこなしつつインターナショナルプレゼンターとしても活動。Trainingイタリア12December,2013 www.fitnessjob.jp

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