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的に第一線で活躍するプロフェッショナル。定期的に質の高い情報を発信している指導者達から、谷さんとトラヴィスさんが承諾を得て、1日1本以上のペースで最新情報がアップされている。第一線で活躍する人たちからの情報を得ることで、最先端のトレンドもキャッチできることになる。 例えば、「ダイナミックバリアブルレジスタンストレーニング(DVRT)」。ダイナミックで多様性のあるレジスタンストレーニングで、不安定な負荷であるサンドバックを利用し、いかに動きのモメンタムを動きの強化に繋げていくかが注目されている。 また、最近改めて注目されているキーワードである「ローデッドムーブメントトレーニング」。多面的、多関節、多方向への人間の身体にとっての自然な動きに、外部から負荷をかけることで、動きを強化しつつ、その動きに関与する身体の組織や構造を強化することができるというもの。ViPRの開発者であるミショル・ダルコート氏が、プロフェッショナルたちに、このトレーニングコンセプトを改めて啓発している。 また、「ロード・アンロード」または「ロード・エクスプロード」への理解も、今最先端のプロフェッショナルたちの間でホットな話題となっている。これは、筋肉も筋膜も、伸ばされたポジションになることでエネルギーを蓄え、そのポジションをリリースした瞬間に力を発揮する。ちょうどゴムを伸ばした状態から、手を離したときに、そのエネルギーが力を発揮するのと同じ原理。この原理を動2013年7月、マイクロジム経営やトレーナーの育成研修などで活躍する谷佳織さんとトラヴィス・ジョンソンさんが、プロフェッショナルのための情報コミュニティサイト「キネティコス」をリリースした。そのきっかけとなったのは、ファンクショナルトレーニングの父とされるギャリー・グレイ氏の教育機関であるグレイインスティチュートのオンラインフォーラム。米国のトップトレーナーたちの間で盛んに情報共有が進められている。オンラインで世界とチームになる 2013年7月にオープンした「キネティコス」。動きに関する最先端の情報が毎日更新されている。同サイトを企画運営するのは、谷佳織さんと、トラヴィス・ジョンソンさん。お2人ともトレーナーであり、ファンクショナルトレーニングをはじめとしたパフォーマンスアップのためのマイクロジム「シナジーセンター」の経営者でもある。「キネティコス」の狙いと経緯についてこう話す。 「以前から、トレーナー同士はもちろん、理学療法士やストレングストレーナーをはじめ専門家同士が情報共有できる場をつくりたいと何となく思っていました。このサイトのコンセプトが固まったのは2010年。アメリカのグレイインスティチュートのセミナーに参加したことがきっかけです。全10ヶ月のプログラムはオンラインで進められ、参加者が顔を合わせるのは3回だけ。初めて受講生が顔を合わせるのはプログラムがスタートしてから3ヶ月目ですが、それまでにオンラインで課題に向けてお互いに情報共有したり励まし合いながら課題に取り組んでいるので、ずっと前から知り合いだったような感覚でした。オンラインのコミュニケーションだけでもこんなに信頼や団結感が得られるんだと感動しました。おそらく、同じことにおもしろ味を感じて、同じくらい高い意識で、同じようなことを目指しているからなのだと思います。日本にもすごく良い経験や情報を持っている人がたくさんいるので、そうしたプロフェッショナルな人たちがこんな風にチームになっていけたらと。その思いを形にしたのが、このキネティコスです」トッププロフェッショナルからの情報共有 キネティコスの情報提供者は、国際谷佳織さんトラヴィス・ジョンソンさんトラビス・ジョンソンさんPh.D. FAFS, CSCS, TRX インストラクター1994年より運動指導に関わる。自身の怪我の経験から既存のリハビリやコンディショニングプロトコルに疑問をもち、運動科学への探究を深める。傷害予防、ポストリハビリからパフォーマンス向上まで広範囲を対象とした運動指導を行うかたわら、セミナー指導にも活躍。2012年より釜石シーウェイブスプロラグビークラブのS&Cコーチを務める。谷佳織さん AFS, HFS, 公認ロルファー、TRXマスターインストラクター。1985年、グループフィットネスの指導をスタート。1990年代半ば頃から、個人を対象とした運動指導ヘとシフトし始め、2000年にはコロラド州ボルダーにあるロルフインスティチュートにおいて、ロルフィングのトレーニングを開始する。現在は、個人対象の運動指導、ロルフィング、セミナー指導に加え、通訳、翻訳を手がける。TrainingアメリカTrainingin the world10December,2013 www.fitnessjob.jp
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