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NEXT読者ならサルコぺニアという言葉を聞いたことがあるかもしれません。メタボリックシンドローム、ロコモティブシンドロームに続いて、現場でよく耳にするようになったサルコぺニア肥満。女性のライフステージを運動面から応援する日本マタニティフィットネス協会理事の小林さんに、運動指導者がどう捉えていくべきかお話を伺いました。編集部 サルコぺニア肥満という言葉を現場でよく耳にしますか?小林 最近、話題によく出ますね。メノポーズ(更年期)ケアの講義を通して、40代の運動が大切ですよ、と伝えてましたが、サルコペニア肥満の話を聞くと、妊娠、出産、子育ての中心世代である30代、20代からの身体作りが必要だと感じます。編集部 無理なダイエットをしてしまう女性も多いですが、そういった所に原因があるのでしょうか?小林 痩せようと思った時に、運動ではなく食事のコントロールを先にしてしまう女性ってとても多いのです。何かを始めるより、何かをやめる方が簡単ですから。体重は落ちても、身体の中では筋肉は減って、脂肪がそのまま居座った悪い状態になってしまいます。かたよったダイエットで間違った方向に進んだ身体で、妊娠・出産・育児を迎えると考える資格取得・講習会・勉強会・施設登録に関するお問い合わせは協会まで〒152-0035 東京都目黒区自由ヶ丘1-4-6 ヒューマン・ハーバー4階 TEL: 03-3725-1103 FAX: 03-3725-1104HP: http://www.j-m-f-a.jp E-mail:info@j-m-f-a.jp認定インストラクターは全国の商業スポーツ施設・医療施設場等で活躍しています。協会プログラムにご登録に頂き指導することができます。マタニティフィットネスのプロになる!小林香織一般社団法人日本マタニティフィットネス協会理事と怖いです。編集部 筋力トレーニングをして、きちんとした身体を作ることはとても大切ですよね。小林 有酸素運動は持久力を上げたり、動く身体を作るのでもちろん大切なのですが、普段の生活で筋肉が身体を支えられる状態を作っていくこともとても重要なのです。インナーマッスルももちろん大切ですが、アウターの筋肉もやっぱり大切。女性はインナーマッスル、ジョギングという言葉、好きですよね。いい運動ですがこれだけだと偏っています。運動にもバランスが大切なのです。編集部 協会のプログラムにも筋力トレーニングの部分はあるのですか?小林 マタニティビクスは有酸素運動のイメージが強いかもしれませんが、ストレッチも、筋力トレーニングもしっかり行います。近年は、スクワットなどの下肢の筋力トレーニングを積極的にレッスン採り入れ、産後のプログラムでは抗重力筋のトレーニングの大腿部、臀部のトレーニングを必ず行います。3年程前からは、東京大学の石井直方先生と妊婦の筋力トレーニングについても共同研究に取り組んでいます。編集部 妊婦さんはおなかに負荷があるので、よりきつそうですね!小林 負荷も徐々に上がっていきますしね!妊娠は身体のことを考える時期なので、そこできちんとした身体作りを始めるきっかけになると良いですね。フィットネスクラブでは妊娠前や産後の方へのアプローチになるとは思うのですが、女性が陥っているかたよった意識と女性の多様なライフステージを見据えた指導をしていただきたいです。知っておきたい!サルコペニア肥満についてSTUDY◆サルコペニアとは定義:進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群。診断基準:筋肉量の低下と筋肉機能の低下の両方の存在する必要がある。「筋肉量の低下」に、「筋力の低下」もしくは「身体機能の低下」が必要である。◆サルコペニア肥満とは肥満と筋肉減少を同時発症し、一見正常な体重でも肥満が存在する、いわゆる隠れ肥満。サルコペニア肥満の方は、単なるサルコペニアの方よりも身体不安定性が高く、転倒のリスクが高いと報告されている。◆サルコペニア肥満のリスク筋肉の減少のリスクは、転倒、骨折、寝たきりなど。肥満は、糖尿病、脳卒中、心疾患などのリスクがある。サルコペニア肥満の場合、筋肉の減少が拍車をかけ、生活習慣病のリスクをさらに高める。◆予防と対策定期的な運動、特に筋肉量を増やすための筋力トレーニングを続けることが基本。また、タンパク質の摂取が大切。参考:引用サイト:サルコペニアのお話(名古屋大学大学院医学系研究科整形外科学・飛田 哲朗氏)N7909Y
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