NEXT79
13/68
プレゼンスどを指す。ダンスエクササイズインストラクターとしてまず磨きたい部分である。 ダンススキルについては、エアロビクスと最も大きく違うのが、体幹部の使い方。ダンスでは「アイソレーション」という身体の部位をできるだけ別々に動かす練習をしたうえで、その動きを連動させてダンスの動きをつくっていく。従来のエアロビクスでは体幹部は適切なアライメントを保つことを重視することから、エアロビクス出身のインストラクターがまず苦労するのがこの体幹部の動きとなっている。ダンスムーブメントとして良く知られるシミーやチェストバンプ、ラテンのマンボ、体幹部のウェイブなどから、繰り返し練習して自分の身体が無意識でも「アイソレーション↓動きの連動」ができるようにしておきたい。 キューイングについても三浦さんは従来のエアロビクスとの違いをこう伝える。 「ダンスでは、動きに感情を乗せて表現する楽しさがあります。参加者の方にこの楽しさを感じていただくうえで大事なのが顔(表情)でのキューイングです。単にずっと笑顔でいるのではなく、喜怒哀楽を顔の表情でも表現していく。表情豊かなキューイングでメンバーの方々の感情表現をより引き出すことができるのです」 ウェアなどについては、特に「髪型」と「姿勢」に注意する必要があるという。ダンスエクササイズの演出として、躍動感や非日常を演出しようと、動きとともになびく髪型にしたり、帽子やメガネなどで個性を出そうとする人もいるが、これについても場面に応じた演出をすることが肝要だと話す。 「特に売り出し中のインストラクターは、顔や表情がきちんと見える髪型のほうが参加者を惹きつけられます。女性はお化粧も大切です。表情は動きと同じくらい大切と認識しておきましょう。また、『姿勢』も重要なノンバーバルキューイングの一つとして重視すべきです。立ち姿だけで、まず魅せることを心がけましょう」シナリオスキル シナリオスキルとは、自分の思いや考えを整理し、相手に伝わりやすいように組み立てるスキルのこと。レッスンでは、プログラムの構成力、音楽の構成力などを指す。 ダンスエクササイズでは、ダンスの表現を楽しめるようにファイナルソングを準備し、レッスンの前半はそのファイナルソングのコリオをレイヤリングで組み立てる方法をとる人が増えている。 シナリオの要素としては、「音楽」「コリオ」「レイヤリング、挟み込みなどコリオの組み立て方」に加えて、「ファイナルソングを使うor使わない」など、それぞれの選択肢の組み合わせの中で自分の個性を出していくことが必要となる。ダンスエクササイズに採り入れられるダンス要素も、ラテン、ジャズ、ヒップホップ、ハウスなど多様化してきており、レッスンで使われる動きやステップの選択肢も広がっている。ここでも自身の強みを理解し、より相手に伝わりやすい、自分の強みを活かせるシ インストラクター・プレゼンターとして多くの人を惹きつけるうえで必要な3つのスキルは「デリバリースキル」「シナリオスキル」「プレゼンス」。「デリバリースキル」と「シナリオスキル」は基本スキルとして磨く必要がある。だが、多くの人を魅了するには、そこに「プレゼンス」が必要となる。 それぞれのスキルについて詳しく見ていこう。デリバリースキル 「デリバリースキル」とは、ダンススキルやキューイング、ウェアなプレゼンターに必要なスキル ●デリバリースキル相手に伝わりやすいように届けるスキル(動作、キューイング、ウェア)●シナリオスキル自分の思いや考えを整理し、相手に伝わりやすいように組み立てるスキル(プログラム構成、音楽の構成)●プレゼンス自分の考え、思い、生き方(カリスマ性、オリジナリティ、オーラ)シナリオスキルデリバリースキルダンスエクササイズで魅せる!インストラクター・プレゼンターとして必要な3つのスキル編大学時代にはディスコ通い。ジャズダンスを6年習い、舞台にも出た。その後インストラクターとなり、ジャザサイズの認定インストラクターになったことがダンスエクササイズの指導者への第一歩となったという三浦栄紀さん。ダンスエクササイズ指導歴28年の三浦さんが、インストラクター・プレゼンターとして「ダンスクエササイズで魅せる」力を高めるうえで必要な3つのスキルを詳解する。三浦栄紀さんの三浦栄紀さん有限会社エモーション代表ダンスエクササイズからマタニティエクササイズ、養成コース講師、ピンクリボンのチャリティイベント開催、スタジオ運営など、大阪を拠点に全国的に幅広く活躍。株式会社ルネサンス エグゼクティブアドバイザーをはじめ数多くの企業との契約のもと、フィットネスの啓発に努めている。Lesson01特別講座ナリオをつくる力が求められる。プレゼンス プレゼンスとは、その人の存在そのものが醸し出す印象を含むもの。三浦さんは「デリバリースキルとシナリオスキルが高くても、プレゼンスが低ければ参加者の心を惹きつけ感動させることはできない」と言い切る。 プレゼンスは、今まで築いてきた経験で作り出されるもので、揺るぎない自信や一貫性から出てくる「存在感」「カリスマ性」と言い換えることができる。これこそが、人を惹きつけ、人の心を動かす。 三浦さんは例として大リーガーのイチロー選手のプレゼンスを挙げる。イチロー選手のカリスマ性は、決して派手なプレーやパフォーマンスから来るものではなく、毎日繰り返される地味で一貫した積み重ねから醸成されたもの。「自分の強みを知り、その強みをこつこつと磨いていくことで、プレゼンスを高められる」とアドバイスしている。October,2013 www.fitnessjob.jp13
元のページ