NEXT73
14/52

動けば変わる動けばわかるがモットー。シナプソロジーの開発に携わりいろいろわかったんです。―Mochizuki14April,2013 www.fitnessjob.jpプログラム開発の背景は、運動嫌いをなんとかしたい テレビや雑誌など各メディアから注目を浴びている『シナプソロジー』。さまざまな刺激を利用して脳内のシナプスの働きを活性化するというメソッドである。このメソッドがフィットネス業界に取り入れられること自体、じつは、常識を覆すようなセンセーショナルなことである。このメソッドの開発に携わったのが、ルネサンスの商品開発部長、望月美佐緒さんだ。 「この業界で誰もが頭を抱えるのが、フィットネスクラブに来る人が、人口のわずか3%の人しかいないということです。なぜか。私たち指導者や運動が好きな人は、運動が身体にいいことを知っています。しかし、運動が苦手な人は、そもそも、『なんでお金を払ってまで運動しなきゃいけないの?』と思っているんです。また、一度来てやめた方々は、ついていけないし、うまくできないから。できないので褒められた経験が少なく、楽しくなくてやる気になれない、と感じていらっしゃるんです。そのような方に対して、今と同じアプローチではだめなのでは、とずっと考え続けていました。誰もが運動はいいと知っているのに、運動を避けようとしてしまう。それはやはり、 “できないと褒められない。褒められないから楽しくない”という心理なんです」“できない”を褒める画期的なプログラム 「出来なくても良い」もしくは「出来なくても効果がある」というプログラムがあれば多くの人が運動に触れ合え続けられるのではないか、望月さんはそう考えた。 これがシナプソロジーというプログラムの開発を手掛ける基軸になった。 まずシナプソロジーの語源にもなっているシナプスについて、簡単に説明しよう。 脳はさまざまな刺激を受けることで活性化する。脳の神経細胞(ニューロン)には、細胞同士をつなぐシナプスという接合部位がある。簡単にいえば、脳内の神経細胞間に信号を送るために機能する接合装置である。例えていうと、リンゴを見たときにリンゴと認識するまでには、視神経などを介して、脳内のいくつもの神経細胞と神経細胞間に信号が流れ、初めてリンゴと認識する。この神経細胞間に信号を流す、すなわち情報を伝達する役目をするのがシナプス(ギリシャ語でつなぐという意味)である。 「シナプソロジーはそのシナプスの接合を高めるということを意図した名前なんです(造語)」 さて、シナプソロジーを具体的に説明しよう。たとえば指導者が「1といわれたら右手を左肩に、2といわれたら左手を右肩に」など一時的な約束をもちづき・みさお 株式会社ルネサンス 執行役員 商品開発部長ミズノ株式会社 アクアアドバイザーや産業カウンセラー、日本体力医学会会員などを務める。望月美佐緒さんプログラムディレクター部門 最優秀賞PROGRAM DIRECTORプログラムディレクター部門写真/長塚健

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です