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12April,2013 www.fitnessjob.jp 「僕はマメな性格なんです」と大きな瞳で、はにかむ顔が印象的な日高さん。福岡でのフィットネスクラブやスタジオ内にとどまらず、セミナーの開催、芸能事務所や大学、さらにブライダル情報誌など、活動のフィールドは幅広い。さらに九州を拠点に活動するトレーナーたちのコミュニティを主宰し、勉強会や情報交換をする日々。今回の受賞に際しても、時間に追われる毎日の中で、福岡から東京にある編集部まで足を運ぶフットワークの軽さが、その行動力を裏付ける。 なぜ、日高さんはこんなにマメなのか。島根県の中部に位置する邑南町で、日高さんは生まれ育った。「とても自然が豊かですが、コンビニやファーストフード店も、車で行くような田舎町です。運動施設も、公共の体育館だけ。高齢化の進んだ町ですから、その体育館にお年寄りがたくさん来るのですが、目的は健康というよりコミュニケーション。膝が痛い、腰が悪いと言っていますが、運動で予防するという考えは 昨年4月、24歳という若さで、生まれ育った静岡県浜松市に店を構えた。『カラダデザインサロンDAYM(ダイム)』。1年間で既に黒字を達成するという順調な出足だ。 大学時代にジムでアルバイトを始め、大学卒業後、パーソナルトレーナー活動を本格的に開始。ほどなくしての店構えと聞けば、ずいぶんと思い切ったチャレンジに思えるだろう。「ジムでの仕事はとても楽しかったんです。でも、もっとこうしたい、もっとこうできる、という思いがなかなか実現できないことがもどかしかった」と振り返る。 漠然と「30才までには独立して店を持ちたい」と考えていた大石さんは、ふと、結婚して子供ができて、という将来の自分に思いをめぐらした。「年齢とともにどんどん制限がかかってくるだろう。今、身軽なうちに、一歩前に踏み出すべきだ」。そう決意。“若気のいたり”という言葉が浮かぶかもしれない。でも、大石さんから感じるのは、極めて着実な気持ちである。実は、彼希薄。運動習慣そのものがないんだと感じていました」 福岡大学スポーツ科学部に進学後、運動による予防効果を地元に伝えたいという気持ちが強くなっていく。と同時に自身の知識の幅をもっと広げるべきだという考えも深まる。大学卒業後、数々の資格を幅広く取得したのも、「知識・技術の引出しを増やし、最善のアプローチを選択できるようにするため」である。 「トレーナーという業界に足を踏み入れて感じたことは、意外にこの業界は狭い世界だということ」。それは、故郷の何もない閉鎖的空間と似た感覚なのかもしれない。「だから僕はフィットネス業界にとどまらず、食品、デザインなど、色々な業界とつながるべきだと感じています。将来的には故郷にもフィットネスを浸透させたい。自分の拠点はどこにいるかでなく、どこに自分の価値を提供したいかだと思うんです」 原点を大切に思う気持ちが日高さんのフィールドを広げていく。は、一段一段、階段を上がってきているのである。 大学時代、大石さんはコツコツと勉強をし、たて続けに5つの資格を取得した。 「資格の勉強や、いろいろな場所で開催されるセミナーに参加して、知識も考え方も、そして人との繋がりもどんどん深くなりました。その中で、今、僕が本当にやりたい、やるべきこと、というのが見えてきたんです」 その軸となるのが、地元の人たちに、健康な身体づくりの正しい情報と、その本質を伝えていくこと。そして、そのために多くの優秀な指導者を増やすこと。現在もサロンを飛び出し、県内外でセミナーを多数開催したり、研修会の講師も務める。 「まだまだ学び足りないと思っています。失敗をするかもしれません。でもこれからも学び続け、実行していくことで、進化できると信じて頑張ります」ひだか・しゅう。1985年島根県生まれ。コナミスポーツ城南店などでパーソナルトレーナーを務める。おおいし・ちから。1987年、静岡県生まれ。『美姿勢』&『美脚』専門サロン カラダデザインサロンDAYM代表。日高秀さん(27歳)トレーナー部門 新人賞大石力朗さん(25歳)トレーナー部門 新人賞TRAINERTRAINERトレーナー部門トレーナー部門何もない田舎が僕の原点つながることで、フィールドは無限に広がる多くの人に正しい情報を伝えたいから運動指導者の繋がりを作って、広がっていきたいbalanced body™のピラティスリング。レッスン時はいつもお守りのように持参していますとくにマルチカバーノートは、ビジョンや自分のやるべき行動リストなどを書き込みますMUST ITEM!MUST ITEM!
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