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出張パーソナル出張パーソナル(1対2~3人)出張グループ(1対4~20)セミナー・商品開発協力・コンサル・単発イベントなどクラブでのグループセッションピラティスを採り入れた出張パーソナル2011年頃会社員&パーソナル出張パーソナル指導からSNSを活用して事業を拡大葉坂多壱貴さん全脳思考ファシリテーター。NLPプラクティショナー。NESTA-PFT ピラティストレーナー。関西学院大学文学部心理学科卒。知的健康コンサルタントとしてボディメイクに留まらず、実際に人が健康で、より快適な生活を送るためにはどうすれば良いのかを探求。企業への福利厚生や各地で講演活動もおこなっている。インストラクター・トレーナーの為のビジネススクール、パーソナルビジネス・アカデミーの代表としても活動中。「階層意識」「貧困肥満」を理解する 「階層意識」「貧困肥満」ともに、『下流社会』などベストセラーで知られるマーケティングアナリストの三浦展氏が、その著書で記しているキーワードである。葉坂さんは、三浦氏の著書からマーケティングのヒントを得ているという。 「階層意識」とは、生活程度についてのその人本人が自覚する意識を指し、近年「上」と「下」に二極化していることが指摘されている。また、「下流だから不幸というわけでもない」というように、階層意識と幸福度合は相関しないとも書かれている。これを受けて、葉坂さんはこう分析を加える。 「階層意識と健康意識も相関がないんです。つまり、健康意識が高くても、自分を下流だと認識している人は、パーソナルトレーニングには興味を持たない。逆に健康意識がそれほど高くなくても、階層意識が高ければ別の目的でパーソナルトレーニングを利用する可能性が高い。従って、パーソナルトレーニングのセッション数を増やしたいのであれば、階層意識の高い人に一貫して自身をブランディングしていくことが大切だと考えています」 一方、同じく三浦氏の著書『貧困肥満』で指摘されているのが、「下流ほど太る」という現象。階層意識の低さとBMIの高さが明らかに相関している。階層意識が低い人ほど、安くてボリュームのある食事を選びやすく、太りやすい。葉坂さんは、このマーケットの規模は大きいもののターゲットするには注意が必要だと考えている。 「階層意識が低い人は、お金をかけずにダイエットしたいと考えます。この層のマーケットが大きいことからマスメディアでの各種のダイエット情報やエクササイズがブームになりますが、こうした情報に反応する人は階層意識が低い人たち。つまりこのマーケットで多少有名になっても、パーソナルトレーニングの顧客獲得には繋がらない。むしろ逆効果さえあり得ると思います」フェーズによって、仕事のやり方を変える 葉坂さんは、出張パーソナルトレーナーからスタートし、ピラティスを指導に採り入れ、スモールグループ、セミナーなどへと指導の幅を広げてきた。この経験から、キャリアをいくつかのフェーズに分けて、働き方を変えていくことを勧めている。 第1フェーズは、とにかく顧客を増やすこと。デビュー当初は仕事を選ばず、とにかく様々なお客様に対応し、パーソナルにもグループにも極端に寄りすぎることなく、力をつけていく。特にこのフェーズではセミプライベートでお客様に十分に満足して貰い、リピートして貰えるだけの力をつけることが効果的に指導力をつけられると話す。 そのうえで、第2フェーズでは、自分の力をより発揮できそうな分野に注力。パーソナルで単価を高めるのか、セミプライベートや、グループセッションの比率を高めるのか。社会のニーズと自身の資質を鑑みながら分野を選び、ターゲットを絞ったり、バランスを変えてみる。葉坂さんの場合は、トレーナーを志したきっかけが、自身の母を早くに亡くしたことだったため、一貫して「女性の健康を応援したい」という志に沿って分野を選んできた。 第3フェーズでは、ターゲットを絞り込みながら、その他の仕事は減らし、自分のスタイルやブランドを確立する。ここまで来れば、自分で自分を売ろうとしなくても、人が自分を見つけてくれるようになる。葉坂さんは、こう加える。 「この各フェーズは飛び越して先にいくことはできないんです。私も若い時、とにかくトレーナーとしての影響力が欲しくて、出版やメディアへの露出を目指したことがあります。でも今振り返ると、その時提供できたコンテンツなんて人の受け売りでしかなかった。特別な才能やタレント性のある人を見て焦ったりせず、各フェーズを地道に努力して歩み、自分ならではの価値が確立していくことが、プロとしての豊かさや幸福につながっていくと認識しています」2012年(指導歴2年)フリーピラティストレーナー2013年(指導歴3年)現在会社員給与出張パーソナル会社員をしながら月100本のパーソナルを提供。この時期、自分に投資する意欲の高い人を見つけるべく、読書会やグルメサークルなどに参加。例えば、「夕食で5,000円以上する食事会には、食通の人が集まる。食べるのが好きな人なので太っており、食事以外の方法でダイエットしたいと考えている」との仮説で、そうしたネットワークに入り込むことでニーズを聞いたり、クライアントを開拓。自身の母を早くなくしたことがフィットネス業界に入ったきっかけだったことから、女性に喜ばれるサービスを提供したいと提供。商品をピラティス中心に変更。現在も9割以上がピラティスのメソッドでの運動指導となっている。ツイッターを利用したマーケティングをいち早く展開。2011年時点でフォロワー数は8万人、現在約10万4千人に達している。以前は健康情報を提供していることが価値となったが、現在はそうした情報がツイッター上でも溢れているため、より人間性が伝わるツイートを増やしている。スモールグループでのセッションでは毎回その場でコミュニティをつくる。セッションが終わった後は運動で体もほぐれているので気持ちもオープンになりやすく、友達になりやすい。フェイスブックユーザーであれば、お友達になっておくことで、将来のリピートに繋げられる。出張パーソナル指導からTrainer's CASE01※グラフは、年収(長さ)と収入構成比(色分け)を示しています。8March,2013 www.fitnessjob.jp
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