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(株)フィットネスビズ 代表取締役CEO大手、ベンチャー等で、トレーナー、企業フィットネス、SV、副支配人、支配人、営業部長、営業本部長、役員を歴任後、2007年6月に独立。2008年度は富士アスレティック&ビジネス専門学校「パーソナルトレーナー学科」で講師を務める。ブログ「勇気の力」、メルマガ「L&M大学」好評執筆中! URL: http://www.fi tness-biz.net 遠藤一佳Profi le現場たたき上げ 常日頃、言っていることですが、開業年数が15年とか20年で、顧客が高齢化し、在籍がダウントレンドで1,000名程度まで低下すれば、スタッフがニコニコ接客しているだけで、退会率は1%くらいになります。私はそのような事例をいくつも見てきているので、それを断言できます。そして、そこにいるスタッフは「アットホームないい人」というだけで、社会人としての競争力など皆無であることが大半です。また、私は退会率が1%や2%のクラブで支配人と副支配人を担当したことがありますが、退会率が3%や4%のクラブと中身は何も変わらないですよ(笑)むしろ、後者の方がいいクラブだったりします。 ここではその理由を説明しませんが、何ら矛盾のない理屈です。一般的にいわれる「売上の方程式」に以下があります。「売上=顧客数×単価×リピート率」 これは極めて重要な考え方です。 ビジネスというのは、この3つを向上させることなのです。 私のメルマガを例にとって、説明してみましょう。※数字は架空です。●初期登録者100名×単価1万円/年×リピート率75%=2年目スタート売上75万円●初期登録者120名×単価1.2万円/年×リA現場たたき上げの遠藤からのアドバイスフィットネスビズ兄に訊け!タッフは「アットホームないい人」というだけで、社会人としての競争力など皆無であることが大半です。また、私は退会率が1%や2%のクラブで支配人と副支配人を担当したことがありますが、退会率が3%や4%のクラブと中身は何も変わらないですよ(笑)むしろ、後者の方がいいクラブだったりします。 ここではその理由を説明しませんが、何ら矛盾のない理屈です。一般的にいわれる「売上の方程式」に以下があります。現場たたき上げのに訊け!「フィットネスビジネス誌の連載で『低退会でも低入会で在籍はジリ貧』と書かれていたのが印象的でした。私のクラブはまさにその状態です。しかし、上司は『低退会クラブ』であることを自慢しています。以前、『潰れるクラブの特徴の1つに低退会率がある』と書かれていたのも知っているので、とても違和感があります。」Q今回のお悩み内容フィットネスの時流を考えるね。人口規模が大きい団塊Jr世代が中年化し、不定愁訴/メタボ/更年期症状等、様々な健康問題、生活習慣による症状が増えていくここ数年はまさに成長期のステージだと思います。 このステージはマーケットは増大していきますから、大事なのはチャネル(販売する場所)を確保している事だと思います。従って、稼げる思考や行動とは、チャンス(機会)を増やしていく事ができる能力やスキル、行動なのだと思います。 インストラクターをグループエクササイズの指導者と定義するならば、ステージはどうでしょうか?かつてのエアロビクス世代の今後を見ると提供するプログラムの価値そのものを転換する時期に来ているかもしれませんね。また、ヨガが再び活性化しているのも上述の団塊Jr世代のタイミングを考慮すると必然的な流れのようにも見えます。 従って、インストラクターが持つべき視点は、現在の主要顧客層が今後、年齢や健康や精神の軸でどのような課題やニーズが出てくるかの視点と同時に、新しいマーケット(顧客層)の波がどこで来るかという点だと思います。 このように整理すると、トレーナーもインストラクターも大事なのは時代の流れを読む・乗るという考え方のようですね。そうすれば扱っている商品やサービスカテゴリーはライフサイクルでいうどのステージにあるかを見て、その時代に必要な能力やスキル、活動が見極める事が出きると思います。 いま、売れる相手に売る活動と、次のステージに合わせて準備をしておく活動と両輪がいつの時代でもどの業種でも必要だという事ですね。 また次回に。(株)ティップネス 都心店営業部長1994年(株)レヴァン入社。2001年合併よりティップネス入社。店舗、人事、マーケティング、開発等を経験し現在に至る。ティップネス丸の内スタイル、TIP.X TOKYO等都心店事業を担当。 上野和彦Kazuhiko Ueno 今回の特集は「稼げるインストラクター・トレーナーの思考と行動」に関するものでした。パーソナルトレーニング市場の活性化に伴い、トレーナーの方々が独立したりスタジオを開設したりの活動も珍しい事ではなくなった時代になりました。様々な業態やメソッドが開発され市場に展開されていく事は業界全体の成長に貢献するものですし、結果的に消費者のメリットが増えていく事を意味しており大変素晴らしい事だと思います。 但し、ご承知の通りどの業界、業態、商品にもライフサイクルが存在する事を認識しておかなければなりませんし、現在のステージ(段階)を正しく認識しておかないとなりませんね。 パーソナルトレーニングのようなサービスが一般消費者に届く(買う)ようになってから約10年でしょうか。特にここ2~3年は首都圏以外の郊外でも消費者が増えています第5回 チャンス(機会)を増やす能力、スキル、行動ピート率90%=2年目スタート売上129.6万円では、「自慢の退会率」を0%にしてみましょう。●初期登録者50名×単価1万円/年×リピート率100%=2年目スタート売上50万円 これでおわかりだと思いますが、「退会率が低い」というのは「一面的」でしかないのです。 私の敬愛する経営者も「退会率とか言っている時点で、この業界はダメ」と主張されていますが、それは「お客さまが継続することは大事だが、顧客創造が機能していなければ意味がない」ということを言われているのです。 入会が少ないため、退会率低下にしか活路がないなら、それだけを必死でやればいいことですが、リーダーとしてはまるで成長しないと思います。 そもそも「売る力」がない人(ビジネス)は遅かれ早かれ淘汰されるだけです。 ご自身の成長を考えるのであれば、そのような会社(上司)は見切りをつけるのが賢明だと思います。36March,2013 www.fitnessjob.jp
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