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28Novemebr,2012 www.fitnessjob.jpあれから1年半インストラクターの視点で見る震災復興の今県気仙沼にて支援活動第1弾のイベントレッスンとお食事の提供という活動を宮城県エアロビック連盟のボランティアメンバーと共に行いました。現地の指導者の方々には、スタッフとして仕事をしていただき収入としていただきました。同じ形でその後年末まで、宮城県多賀城市、仙台市、石巻市、福島県いわき市、岩手県大船渡市の各地でイベントを行い、被災した方々がもう一度健康づくりに取り組むきっかけにしていただけるようにしていきました。また被災した関係者には支援金を送りました(※この場合の被災とは、主に津波被害と原発被害を指します。地震被害は自宅全壊を対象としました)。 少しずつ落ち着いてきた今年には、現地の先生方から企画が届き「今年は私達が主となって行います。支援をお願いできますか?」とお話がありました。そして4月頃から宮城県石巻市のイベント、気仙沼の現地指導者によるリレーレッスン、福島県いわき市のキッズジュニア指導者の皆さんによる福島県で初めてのキッズジュニアフェスティバルの開催と続いています。 私が復興支援で思い描いていた活動に繋がり、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。私の思いとは、昨年は当然被災地の指導者の皆さんは生きることだけで大変な状況なわけですから、同じ被災したといっても家や町を失ったわけではない私たち指導者達が被災地へ赴き、健康づくりイベントを行い、何とかまたエアロビックで元気になることの意義を感じていただくことを考えました。そして今年は現地の先生方が自ら発案企画して動き出してくださいました。 震災前、東北のエアロビックシーンが発展してきたのは、東北のすべての指導者の熱い思いがあってこそです。その仲間が窮地に陥っている、ここまで広げてきた活動なのにエアロビックで健康づくりをしたり、仲間と楽しんだりしていた方々が遠ざかってしまう。「何とかしたい!!」その一心でここまで活動してきました。 そのみんなの気持ちが実を結び、先日気仙沼のリレーレッスン後のアンケートでは、「今後有料でも受けに来ます」という方が100%だったそうです。これでやっと指導者の皆さんは仕事の場を取り戻すことができます。私が当初呼びかけた主旨は、一歩一歩ではありますが、叶いつつあります。こうした活動は、エアロビックの仲間の心が一つになった活動です。東北エアロビック協議会では総会を開き、ことあるごとに話合いをしながら支援の道をさぐって活動を続けています。義援金は今もまだ残っていますので必要な場所で今後もいろいろな活動を行っていくつもりです。 「時間」という薬が効くには、段階があります。それも被災状況によって違います。仙台周辺のインストラクターは昨年、夏〜秋頃にはすっかり立ち直って精力的に仕事に戻れました。しかし、被災地の指導者は秋頃には無我夢中だった震災当初よりも現実感が増し、うつ気味になったり、げっそりと痩せてしまった方も見ました。私も仕事場によっては、以前同様のスタジオスケジュールでレッスンが再開されているものの、被災した方々のエピソードを思い出したり、メディアで何度も津波が襲ってくる様子が放映された場所を運転する時は、様々な思いがフラッシュバックして平常心でいられなくなるときもあります。ただその一方で、昨年秋の半年後あたりからスポーツクラブのメンバーはかつてないほど増えていて、その方々の気持ちに応えたいと、以前以上にこの仕事へのやりがいを感 3.11の震災後、私は自分が会長を務める「東北エアロビック協議会」において「エアロビックの仲間の手でエアロビック関係者を支援する」というコンセプトの下に活動を始めました。東北エアロビック協議会は、(社)日本エアロビック連盟の下部組織である県連盟の東北ブロックの代表者で組織する団体です。この組織で活動することにより、県をまたいで被災したすべての県に手を差し伸べることができました。 自分の身辺の関係者の安否がわかった震災後1週間後くらいからすぐにエアロビック関係者の安否確認を始め、状況の把握、不足物資の把握など全く連絡のつかない中、手さぐりで動き出しました。 初めて経験する未曾有の大震災、物資もライフラインもまったく整わない中、自分に何ができるのか、何をすればいいのか、やっていることが正しいのか、わからない中それでも動かずにはいられず活動していました。全国の心優しい仲間達が「何が足りないの?」「何をすればいい?」と連絡をくださいました。私は皆さんのお心を「お金」という形でいただいて現地に届ける仲立ちのボランティアをしようと決めて以来、「自分に確実にできる範囲のことをする」「お金の使い道を最後までぶれずに当初の目的通りに使い、皆さんに公開して承認していただく」ことを決め、現在まで活動を続けています。 詳しい活動内容、会計報告は、すべて「宮城県エアロビック連盟」のホームページ内の左のタブに「東北エアロビック協議会」のページがありすべて紹介していますので、ぜひ閲覧ください。 震災直後の3月末の物資の送付に始まり、4月始めには現地への査察、その後また物資支援を経て、秋には宮城じています。まわりのほとんどの指導者が同じ思いでいると思います。私たちの使命は、健康づくりや体力向上のための動機づけをより高めて、限りある私達の人生を輝かせることです。そして、もちろん誰より自分たちのために。今年は現地の先生方が自ら発案企画して動き出してくださいました小松喜久子さん小松喜久子さん東北エアロビック協議会会長、(社)日本エアロビック連盟参与、FIG国際体操連盟公認審判員、宮城県エアロビック連盟理事長、東北エアロビックアスリーツ代表、アシスト多賀城スタジオアドバイザー
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