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August,2011 www.fitnessjob.jp27でも上達しやすく、子どもからお年寄りまで楽しめる。さらに好きなダンスやインストラクターのレッスンなら1時間以上かけても通う方が少なくない。つまり商圏がとても広くとれるんです。スタジオの運営受託などで契約したダンサーたちの職場環境や、プロとして活躍できる場作りをサポートしたいと、直営店をつくりました。自分がやっていることの社会性を問いたいという気持ちもありました」 1号店のBOXアカデミー池部本校は、50人の契約ダンサーと2003年にスタート。当時ダンススクールではめずらしい月謝会員制を取り入れ、「予約不要」「レッスン受け放題」「深夜までの営業」などで差別化した。フィットネスクラブ運営から得たノウハウを活かして順調に会員数を伸ばし、2006年には大宮店をオープンした。メンバーは両方のスタジオも利用可能で合計45ジャンル月700本以上のレッスンが受けられる。ヒップホップだけでも10種類以上を揃えているという。 その一方で、経営効率も考え抜いた。1店舗の広さは50〜70坪に2スタジオを備え、極力余分なスペースを排除することで施設面積あたりの売上効率を高めている。菅野さんはそのこだわりをこう話す。 「固定費を抑えることで、インストラクターのフィーを高められます。また、当社ではスタジオ運営の経営指標をオープンにして、スタジオ運営に興味を持てば、経営も学ぶ環境にしています。自分がパフォーマンスすることにしか興味をもたなかったダンサーにも、インストラクターとして活躍できる場を提供することで、固定収入を得たり、生徒が自分のショーやパフォーマンスに来てくれて集客が楽になるなどのメリットを体験することで、好きなダンスを長く続けられる環境を創造していきたいと思っています」ダンスを社会性の高い事業に J-TOPではダンス事業に社会性を持たせてきていることも強みとなっている。 2006年に開校した「国際芸術学園」は、通信制の高校。国語、数学などの教科は通信教育とし、学校設定科目や体育の授業としてBOXアカデミースタジオでのダンスレッスンが認められている。文部科学省の認可も受けており、学生は相応の単位をとることで、高等学校卒業の学位が得られる。「通信制」と「ダンス」の組み合わせによる、副次的な効果も見られている。中学校までに不登校や普通の高校ではうまくいかなかった子どもが、「ダンス」への興味で入校するケースが少なくない。ダンスの楽しさや仲間と作品を仕上げていく体験を通じて、見違えるように前向きになる。また、レッスン後にその他の教科の勉強もサポートし、3年間で高校を卒業出来ない生徒はおらず、「ダンス」で「高校卒業」!を実現化している。このような成果は教育関係者からも注目されている。 フィットネスインストラクター養成コースは厚生労働省の認可を受けている。フィットネス業界で唯一、厚労省の基金訓練(求職者支援訓練)に指定されており、ハローワークでこの養成コースに申込みをすれば給付金が受けられる。これにより通常10万円以上のコースに、自己負担1万円程度で通える。全432時間4ヶ月の内容充実のダンス事業の商圏の広さに着目 ダンスの市場性に目をつけ、約10年前に池袋にオープンした会員制ダンススクールを足がかりに、これまでダンス事業を大きく育ててきている株式会社ジェイトップネットワーク(以下、J-TOP)。同社のダンス事業は、これまでに厚生労働省や文部科学省にも認められており、社会性の高い事業として展開を図ってきた。今回のダンス必修化を追い風に、さらに事業展開の可能性が広がっている。同社社長の菅野公紀さんは、元競技エアロビック選手。だが選手当時も、富士通で営業として働き、その後フィットネスクラブの支配人として経営改善に取り組んだ。同社を設立して小規模スポーツクラブやダンススクール、アパレルなどのコンサルティングに携わる中、ダンス事業の将来性に着目したと話す。 「フィットネスクラブとダンススクールを見ていて、『ダンス』の顧客層の広さを感じたんです。フィットネスは周辺商圏で、顧客層は運動に対して極端に抵抗の無い成人が中心。それに対して、ダンスは運動を親しんでいない人お話を聞いた方菅野公紀さん株式会社ジェイトップネットワーク代表取締役1968年生まれ。富士通に勤務後、商社、経営コンサルタント会社を経て、スポーツクラブ、ホテルの支配人に就任。「アジアユース ミュージックアワード(韓国)」日本代表審査委員。「バドミントン世界選手権」、「アジア パフォーマンス フェスティバル(中国/広州)」、「ミルウォーキー ワールド フェスティバル(米国/ミルウォーキー)」、「インターナショナル アーティスト コンサート(米国/シカゴ)」、「デスティニーチャイルド ワールドツアー in JAPAN (official party)」、「アシャンティー ジャパンツアー」等のパフォーマンス演出&プロデュースを手掛ける。 ジュニアダンス大研究コースで、ダンスインストラクターとして同社のスタジオで働ける道も用意されている。 東京都のイベントや教室などへの指導者派遣や、学校関係者への指導機会も増えている。ダンス必修化を受けて、専門学校での指導者養成コースの提供や、通信制の学校からダンス授業の提供などの引き合いも増えている。菅野さんは今後についてこう話す。 「小中高校でのダンスニーズが高まることは確実です。この動きを受けて、当社では放課後に安心して毎日でも通えるスクールとして、子どもの会員制スクールも始めました。ダンスは子どもたちに自信を与え、成人しても長く続けられるものです。私たちは、お客様を『ファン』と位置づけ、ファンの皆さんが楽しだり、輝いていただけるようなファンサービスを充実することで、ファンを増やしていくことを目指しています。これからもダンスやそれに従事する人たちが社会的に認められるお手伝いもしていきたいと考えています」CASE02社会性の高いダンス事業で、青少年に夢を与えるp.29で、BOX Academyマネージャー候補募集中!

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