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August,2012 www.fitnessjob.jp1111ママも子どもも参加したくなるプログラム 「赤ちゃんの脳は3歳までに成人の80%、6歳までに90%完成されると言われています。この時期は赤ちゃんの脳はとても柔軟。楽しい経験を通して、感性の根っこを育てることを重視しています」 こう話すのは、OKJエアロビックファミリー代表の上田泰子さん。OKJエアロビックファミリーは1998年より親子、キッズの運動プログラムを中心に研究開発を行なってきており、特に幼少期の親子のプログラムに高い定評がある。その要因として、子どもが遊ぶように身体活動に触れることで運動が好きになり、親と一緒に行うことで、感性が育てられるように配慮している点がある。また、親にとっての心身への効果も十分に得られる内容となっている。上田さんは親子プログラムの狙いをこう話す。 「プログラムでは遊びの心理学と、子どもの運動能力向上のための基本動作を網羅できるように、60分のレッスンで50曲以上を使いながら、様々な場面設定での動作を次々に展開していきます。ママと一緒に様々なシーンを同じ窓から覗くように、親子で体験を共有することで感性も育てられます。単に色や曲に反応するだけでなく、その場面設定から『キレイ』『やさしい』『強い』『大きい』などのイメージを膨らませたり、必ず肯定語で話すことで、物事を前向きに捉える感覚を養っていただくことに重点を置いています」 プログラムに出てくる場面設定や動きには、「子どもへの効果」「親への効果」「親子のコミュニケーション」が考慮されている。特に「子どもへの効果」については、心と身体両方に確実な効果が出せるよう理論的・科学的根拠が基盤にある。 心理面では、子どもがプログラムを「遊び」と認識できるように、フランスの哲学者ロジェ・カイヨワが著書『人間と遊び』の中で記した遊びの4原則に基づいて構成されている。年齢に応じて、お腹の中にいた時の「ゆらゆら感」(眩暈)から、曲や音に反応して動くこと(偶然)を採り入れ、年齢が上がるにつれて、動物や乗り物になる(模擬)をしたり、「足が高く上がるかな」「一番格好いいのは誰かな」といった(競争)などを多く採り入れる。子どもたちはストーリーの主人公になって様々な体験をするうちに身体能力を高めていく。 身体面では、動きの種類はプログラム開発者の上田さんが、これまでの経験をもとに編成してきているが、山梨大学教育人間科学部の中村和彦教授が提唱する「子どもの体力や運動能力を飛躍的に向上する36の動き」を十分に網羅する内容となっている。その他にも、リトミックや右脳開発のメソッドに加え、社会性を育てるルールやマナーを身につける要素も盛り込まれている。 それでも上田さんは、親子のプログラムでは、むしろママへの効果を優先していると言う。 「それは子どもの発育発達には、ママの愛情と体力が必要だからです。最近、ママたちのウツや体力不足が深刻です。ママたちの体力がないことで、抱っこを十分にできず、すぐに寝かせたり、バギーに乗せてしまう。ママに抱かれる温かさや、心臓の音や鼓動、安心感を感じることが少ないことで、子どもの脳への刺激も少なくなります。さらに近年、産後ウツも増えていると言われますが、ママ世代の運動不足も原因の一つです。運動不足でママの脳への刺激や酸素供給が不足していることで、脳内ホルモンが減ってウツになりやすいのです。こうしたことから、ママたちが体力をつけること、運動習慣を持つことが、子どもの発育に大きく影響するのは明らかです。OKJでは、ママの気持ちが満たされていることで、子どもに最適な保育環境を提供できるという考え方をベースにしています。ママ自身が楽しんで毎週プログラムに参加したいと思えることが、子どもの知育に繋がると考えています」お話を聞いた方上田泰子さんOKJエアロビックファミリー代表。指導歴30年。幼児体操から指導をスタートさせ、お客さまからのニーズと社会環境の変化に合わせてプログラムの幅を広げてきた。0歳児の「赤ちゃん親子」、1~2歳の「よちよち親子」、3~6歳の「キッズビート体操」をはじめ、パパとの親子プログラムなども人気を集めている。遊びの理論に基づいて運動を提供ママも子どもも「楽しいから、もっとやりたい」環境をつくるわんぱく親子体操名人知育としてのフィットネス1歳3歳OKJエアロビックファミリーTEL.03-5715-0186 HP: http://homepage3.nifty.com/okj/ E-mail:okj-info@ybb.ne.jp眩暈クラクラ、ゆらゆら、など回転や揺られることで得られる感覚偶然曲や音に反応して動いたり、止まったり、思いがけない動きをしたりという体験模擬子猫、鳩、バナナ、熊、カエル、車、電車などになって、役割も演じる競争「もっと高く上がるかな」「一番格好いいのは誰かな」など、他人や自分と競うロジェ・カイヨワの遊びの4原則

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