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June,2012 www.fitnessjob.jp1313歩くこと、動くことが楽しくなるピラティス理学療法士。家の近くにスタジオがあり、なんとなく始めたピラティス。自身、日常生活で呼吸の仕方が変わってきたことから興味が深まった。理学療法の分野でも、部分へのアプローチだけでなく全身の機能的なトレーニングの必要性の高まりを実感、ピラティスをクリニックでのリハビリに取り入れようとインストラクター認定を受けた。現在はスタジオでの指導を中心に、体の悩みを抱えるクライアントと向き合う。「受け身ではなく、クライアント自身が自分の体の使い方に気付いて修正していけるピラティスは、今後リハビリの現場にさらに広まっていくでしょう。またポストリハビリの場として、もっとスタジオを活用してほしいと思います」と話す。日本整形外科学会認定スポーツ医でポールスターピラティスコンプリヘンシブエデュケーター。日本ピラティス研究会会長など。日本で初のピラティススタジオ併設型医療機関となる「スポーツ・栄養クリニック」を2005年に開設。以降ピラティススタジオを「Pilates Lab」として福岡と代官山で運営。2012年には代官山スタジオにもクリニックをオープンさせる。身体がどんどん軽くなる 「ピラティスをすると、元気が出るし、すっかり身体がかわりました」と笑顔で話す小野悦子さん。理学療法士でピラティスインストラクターの濱口由美子さんのクライアントだ。小野さんが初めてPilates Lab代官山を訪れたのは約1年前。膝に痛みを抱えて、好きなダンスはもとより日常生活にも支障をきたすほどだった。友人の紹介でスタジオに足を運んだという。濱口さんは当時の様子を振り返ってこう話す。 「膝に痛みがあることで、それをかばって歩き続けていらしたので、膝が伸びなくなっていました。全身を見ると、股関節の動きにも制限があり、肩も前かがみ。まずエクイップメントを利用して重力のかからない姿勢で、股関節や脊柱の柔軟性を取り戻すことからスタートしました」 膝の痛みの改善とともに、段階的に立位での応用的なエクササイズを増やしていく。特に階段を登る動きに似たエクササイズは歩行動作の改善につながる。濱口さんはこう説明する。 「階段を上る動きには、『歩く』という前後の重心移動に加えて、上下の重心移動が加わります。そのため、身体の立体的な使い方をより意識できることになります。ピラティスでは身体を上下に引き伸ばしながら使うことで軸をつくり、その軸を中心に四肢のしなやかな動きを作っていきます。身体を上に引き上げるためには、下に押し出す力も必要。その身体の使い方をエクイップメントを活用して覚えることで、日常で身体が軽く感じられるようになる。つまり少ないエネルギーで効率的に動くことができるようになります」 一つのエクササイズを終えるごとに、フロアの上を歩いて貰う。歩くごとに自身の身体がどんどん軽く感じられるようになっていくことも小野さんの楽しさに繋がっているようだ。その効果について小野さんはこう話す。 「いつの間にか姿勢が良くなって、使う筋肉が変わってきた実感があります。洗濯物を干すとき両手を上げるといった小さな日常動作でも、胸が広がったことで楽にできます。楽にできるから家事の効率も上がります。動きを改善することで、姿勢が変わり、使う筋肉が変わるから身体も変わっていく。連鎖的に自分の状態が良くなっている気がします」止まっているように見える中間位で全身が活性化しているかがポイント Pilates Labを経営する、スポーツドクターでピラティスエデュケーターの武田淳也さんも、ピラティスによるパフォーマンス向上は、日本でもさらに広い場面で注目されるようになると確信する。 「米国フェニックスにあるアスリートパフォーマンスに2008年に訪れた際に、既にリフォーマーが設置されていて、現在までにエクイップメントの台数も増えてきています。ピラティスは最近スポーツ医学会でも注目されはじめ、今年9月の日本整形外科スポーツ医学会のシンポジウムでもピラティスについて紹介する機会を得ます。特にピラティスが優れていると感じるのはモーターコントロールと呼ばれる神経と筋肉の連動を効果的に作り、『立CASE 04つ』『座る』といった一見止まっているように見える状態を、身体全身の筋肉を活性化させることで、安定化と微調整を行うことができるようになることです。つまり固まって安定している状態ではなく、しなやかな状態で中間位を保っている状態。そのしなやかな安定性を得ることで、日常動作もスポーツなどの激しく複雑な動作も、より機能的・効果的に行えるようになります。こうしたピラティスの価値は、理学療法士やアスレチックトレーナーの世界的なバイブルともいえる『邦訳本:腰痛に対するモーターコントロールアプローチ/腰椎骨盤の安定のための運動療法(医学書院)』を読むと、さらに理解を深めることができます」PILATESStory濱口由美子さんとピラティスProfessional 武田淳也さん

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