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摩訶不思議?摩訶不思議?常識?トレーナー業界の常識?非常識?第6回 自己肯定・+0-46May,2012 www.fitnessjob.jpや意見の妥当性を評価しようとするのです。①自己の能力が正しいか評価しようと動因し、②直接的・物理的な基準がない場合、他者と比較することによって自己を評価し、③一般的には自己と類似した他者と比較することを好む傾向にあります。 例えば、明らかに高い目標、達成することは難しい目標を掲げている場合、その行程ではその時の自己のレベルに近い、または少し低い他者と比較(下方比較)します。下方比較を行うことにより自己肯定をするのです。一方、上方比較は自己の不完全さに目を向けることになり、それが明確になることで、意気消沈に至る危険性をはらんでいます。実際に上方比較するのは他者の水準に到達できると考えられる場合だけでしょう。 自己を肯定するために他者と比較し、比較に 自己肯定。お客様には目標があり、目的がありセッションを受けられます。理想をプラスとするならばその時の自己は少なからずゼロかマイナスとなります。 自己肯定感と否定、内向と外向は、自己の特性によるパターンとその時の状況、関わっている他者との関係によって変わります。また、自己のその時の心理状況によって大きく左右されるものです。広義に自分自身をよしとする自尊感情で基盤を支えることが、情緒的な安定をもたらします。個別の領域における狭義の自己評価が低くなると自己を否定的に捉えてしまいます。 その評価は過去の自己や理想の自己からなる自己比較と自己と他者を比較する社会的比較からなります。皆が同じ心をしているわけではなく、他者と適応するために、自己の能力の程度Profi le 吉田直輔FIT WAY代表。元自衛隊体育学校レスリング班所属、元プロ総合挌闘家。トレーナーとしてだけではなく、小規模ジムのコンサルタント、テクニカルアドバイザー等も行う。トレーナーとしては「継続出来るフィットネス」を提供する。http://www.fi t-way.jp/よって否定が生まれます。安定した心理状況を保つためには、自尊感情で自己をよしとすること。上方比較で意気消沈する自己をよし、下方比較で自己を肯定する自己をよしとすることが重要です。 人は理想を持つ生き物です。理想を持つが故に、自己比較し、社会的比較をしてしまいます。しかし、人は理想を持つ生き物であるということを考えるならば、比較をすることが必然です。必然と考えるならば、自己の不完全さや、否定も当然ではないでしょうか。 お客様も理想という比較を持ってセッションをうけられているはずです。理想に向かう自己がプラスであることを共有したいものです。 運動指導者においても、理想を持って日々精進する心と姿そのものがプラスなのです。ボトムでは肘を完全伸展させることなく、伸張反射を充分に活用し、勢いよくスタートポジションに戻します。脊柱起立筋群の活動により股関節を伸展させながら、その勢いで肩関節を屈曲し、そのまた勢いで肘関節を屈曲させます。そして、トップポジションで急ブレーキ。正しくできていれば、トップポジションで2回音が「カチャン・カチャン」と鳴るはずです。1度目の音(カチャン)は、プレートの内径下部とバーベルの下部がぶつかる音、2度目の音(カチャン)は、プレートの内径上部とバーベルの上部がぶつかる音です。アームカールでさえ、体幹トレーニングであるという考えのもとで行うとこのようなフォームになります。 こういった考えは、すべての種目において有効です。効かすトレーニングでは決して得られない、驚異のパフォーマンスを手に入れてください。ウエイトトレーニングの世界が変わります。S.Dream有限会社代表、NESTA JAPAN理事、太田情報専門学校講師。「Drive your HEART&BODY」をテーマにパーソナルトレーナー、チームコーチ、クラブスーパーバイザー、メーカーコンサルタント活動中。雑誌、DVD、TVCM出演多数。Profi le 木内周史 今回は、「ウエイトトレーニングの不思議」です。今回も勇気をもって、既成概念・不思議な常識への挑戦です。 ジムでのトレーニング中、パーソナルトレーナーも一般トレーニーもみんな「効かせること」に一生懸命…。パーソナルトレーナーは、バーバルコマンド(口頭指示)やタッチトレーニング(接触)などにより、主働筋の感覚をより研ぎ澄まさせるのに必死です。私には、何のためにそんなことをしているのかが不明です。そんな風景を見ると、みんながみんなボディービルダーを目指しているかのように感じられます。しかし、日常動作を含めあらゆるスポーツでは、効いたら(乳酸が過剰に蓄積したら)それ以上運動を続けるのは困難になります。ランナーは脚がパンパンになったら走れなくなるし、テニスでも腕がパンパンになったらプレーは続けられません。本来のトレーニングの目的は、「パフォーマンス」や「モーション」の向上であり、そのために神経筋(神経と筋の連動)を鍛え、「効かない身体」なのです。つまり「効かせる」トレーニングはボディービルダー以外にとってはアンファンクショナルなトレーニングなわけです。 スタンディングバーベルカールを例にとって考えてみましょう。ジムでよく見かけるのは「肩関節を固定して、上腕二頭筋を意識しながら肘関節のみを動かす」フォームです。ですが、ご存じの通り上腕二頭筋は二関節筋であり、その起始部は肩関節を跨いで肩甲骨に付着しています。にも拘らず、なぜ肩関節を固定してしまうのか。 多くの運動は股関節を基点及び起点とし、末梢の関節に向かってエネルギーを伝播させていきます。トップポジションで十分に上腕二頭筋を収縮させた後、脊柱起立筋群の緊張を解除することにより上体を前傾させます。その結果、モ―メンチアームの拡大により、トルクが増し、筋張力が一定であれば、肘関節は伸展します。vol.4“効かす”トレーニングで運動音痴の巻ウエイトトレーニングの不思議

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