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自然と集まった。「経営については社会に出たころから興味があり勉強していた」ということもあり、資金、顧客、従業員と、すべてにおいて順調なスタートだった。 吉田さんが「トレーナーとして働きたい」と考えるようになったのは、大学2年生のころから。中学時代から陸上選手として第一線で活躍しており、それまでずっと「オリンピックに出場すること」を目標に掲げていた。しかし、大学時代にトップ30までいったもののそれ以上の記録を出すことができない。オリンピック選手となるには厚く高い壁が存在することに気付き始めていた。「多くの選手と接していて、自分がオリンピック選手になるのは無理だと、理屈ではなくわかりました。でも『オリンピックに携わりたい』という思いはありました。そこで、選手のサポートをするトレーナーになろうと考えたのです。そこで選手と一緒にがんばりたいと思いました」 そうして、大学卒業後トレーナー派遣会社に入社。フィットネスクラブのお客さまやアスリートのトレーナーとして活動を始めた。そんなとき、仕事で行ったアメリカで、吉田さんは衝撃を受ける。「当時、日本はやっとパーソナルトレーナーが普及し始めたころでした。正直にいえば、トレーナーとして一生働けるのかもわからないような状態です。でも、アメリカに行くとトレーナーの地位が高く、すごく進んでいました。個人の専門性を活かしてチームでアスリートをサポートするということが当たり前のように行われていたのです。それまで指導しながら漠然と考えていたことが、アメリカの指導現場を知ったことで明確になっていきました」 その後も、それまでと同じように活動しながら、これを具現化したいという思いが次第に強くなっていった。そして、それ以前から興味をもっていた経営の勉強を真剣に始めた。 経営に興味をもったのは、若くして経営者として成功している人たちと接する機会が多かったためである。それぞれの専門分野を活かして社会に貢献している姿を見て、「自分も何かのかたちで社会の役に立ちたい」と思うようになった。「自分が社会貢献のためにできることは何かを考えたときに、そこで活かせるのはやはり運動に関する技術と知識でした。そこで何ができるかを考えたときに、今のビジネスモデルを実現させたいと思ったのです」 PCP CENTERには、アスリートはもちろんだが一般のお客さまもたくさん通っている。「介護保険に関する法律が変わり、病院で受けられるリハビリが短縮されてきています。きちんとリハビリをすればまだ身体が動くのに、それをしないことで寝たきりになってしまったり、行動の幅が狭まってしまったりすることは残念なことです。そういう方の受け皿となる施設にしたいと思っています」 理学療法士や管理栄養士もいる同施設は、病気をもつ人も安心して通うことができる。その信頼と安心がクチコミで広まり、特別なプロモーションを行わずともお客さまはどんどん増えている。吉田さんの理念が、それだけ多くの人の共感を呼んでいるということだろう。 将来の夢は「世界を変えること」。「夢は大きなスケールで考えています」と笑いながら話すが、その顔は真剣だ。「世界全体が、私たちが行っているこのシステムでアスリートをサポートできるようになるようにしたい」という大きな夢に向かって、今、一歩一歩階段を昇るように進んでいる。「日本人はこまやかな神経をもっていますし、指導も丁寧です。そういうところで欧米よりよいところはたくさんあるのに、今は欧米の後を追っていますよね。このシステムを日本から発信できるように、今はその準備段階だと思っています」 まずは今よりも大きな施設をつくり、いずれは多店舗展開を行う。そして、日本で足固めをして世界に進出する。それを実現するためにも、今は目の前のクライアントに誠実に対応している。 吉田さんの「夢」は、明確な「ビジョン」としてはっきりと描かれている。吉田さん自身は、パフォーマンスコーチとしてアスリートをメインに運動指導を行う03社会貢献できることをかたちにしていく04世界中に広めたいチームサポートの仕組みPCP CENTER東京都江東区東陽1-27-5 1階03-6666-3051吉田さんの思いを具現化した施設Gym02五輪を目指した学生時代裏方として夢を追う決意所在地 東京都江東区東陽1-27-5 1階Tel 03-6666-3051webサイト http://www.p-core-p.com/設立 2009年7月資本金 1000万円組織 10名収支構造 【売上】トレーニング指導料、メディア監修、トレーニング施設の委託など 【経費】人件費、家賃May,2012 www.fitnessjob.jp43Organization Data株式会社PCP
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