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RUNNINGスグに使える! ボディデザインランニング指導の4ステップ ミス・ユニバースファイナリストの身体づくりを、ランニングでサポートする金塚陽一さん。その理論のベースにあるキーワードは「自律神経」と「物理学」。そのメカニズムを分かりやすく、自分で練習を重ねられるように指導することで、多くの女性ランナーの走り続けるモチベーションを支えている。 「初心者ランナーの指導で特に大切にしているのは、せっかくランニングを始めるのだから、長く続けて貰いたいということです。そのためには、ラクに楽しく走れることはもちろん、走ることが健康や美につながっていくことを実感していただきたい。そこでポイントとしているのが『自律神経』と『物理学』です。このボディデザインランニングの考え方に沿って練習すれば、初めての人がフルマラソンに挑戦する場合でも2ヶ月前から練習すれば5時間を切れることは実証済みです。はじめにこの走り方を身に付けてしまえば、2ヶ月前に40㎞、1ヶ月前に80㎞練習すれば、最後まで痛みや辛さを感じることなくゴールできるのです」 まず「自律神経」についての基本的な考え方は、人の体は交感神経と副交感神経のバランスを保つことで成り立っており、昼は交感神経・夜は副交感神経が優位になっている。このバランスをコントロールすることで「身体に過度な負担をかけないこと」と「内臓の機能を高く維持する」ことができるという。 ランニングやエクササイズなどを行うことで、当然身体には負荷がかかり、交感神経が優位になり、血流が増す。これにより運動の筋肉だけでなく臓器の筋肉にも負担がかかることになる。過度に全身の筋肉を使用することで細胞が疲弊し、機能の低下に繋がってしまう。この過度な血流を抑えるのが副交感神経だ。副交感神経は緊張を緩和しコントロールすることで、身体をリラックスした状態に保ち、走ることを健康や美に繋げられると話す。 「副交感神経をコントロールうえで有効なのが呼吸です。鼻からゆっくり吸って、口から吐く。ヨガの呼吸に通じるものですが、この練習をすることで、過度な血流を抑えて、筋肉や内臓機能を衰えずらくします。内臓機能の維持はとても重要で、特に腸の機能が高いことで、食事で摂取した栄養素がしっかり吸収できたり、メンタル面の強さにも繋がります。緊張するとお腹が下ってしまう人がいるように、メンタルの強さと腸の関係は意外に深いんです」 もう一つのポイントとなる「物理学」については、運動の法則に沿って身体を動かすことで、最少のエネルギーで走り続けることができるという考え方。それによって、余分な筋肉がなく、足首からお尻までスッキリとした、美しい形の脚を実現することができるという。女性にとっては、せっかく走るのなら、こうした走り方をしたいもの。 「大切なのは、『踏み出す』走りではなく、『押し出す』走りを習得することです。『踏み出す』走りとは、自分で脚を前に前にと運んでいく意識で走ること。それに対して、『押し出す』走りは、後ろ脚で、地面を斜め下45度の方向に押し出す意識で走ることです。『踏み出す』走せっかく走るなら、それが「健康」や「美」に繋がれば走るモチベーションも上がるもの。「呼吸法」と「押し出す」走りを身につけて、ランニングでボディデザイン!お話を伺った方金塚陽一さん前日本オリンピック委員会選手強化委員で、数々の金メダリストを輩出してきた名トレーナー。現在は、2012年ミス・ユニバース・ジャパン・ファイナリストへ指導や、一般生活者向け書籍を発行するなど幅広く活動している。りは、脚を前に着いた時にエネルギーが下向きにかかるので脚が太くなり、また踏み出すたびに骨盤が開いてしまうので、内臓下垂に繋がりやすい。一方『押し出す』走りは、エネルギーが後ろ足の足首からお尻の方向に上向きにかかるので、足首も細くなりヒップアップにも効果的です。さらに後ろに押し出す動作なので骨盤の角度が安定して、内臓の位置も安定する。これによって内臓機能も高く維持できることに繋がります。押し出したエネルギーは、前足の着地から重心移動へと無駄なく前進のエネルギーに使うことができて、いいことずくめなんです。この力の使い方をウォーキングから練習して、徐々に走りに繋げていきます。最初にこの走り方をマスターしてしまえば、健康や美にも繋がる。そう思うと、もっと走りたくなりますよね」自律神経に注目する理由自律神経のコントロールが健康・美の維持の鍵を握る身体に過剰なストレスをかけると多くの細胞が死に、機能低下に繋がります。逆に身体を休めてばかりでも身体の機能は衰えます。つまり、身体を疲弊させないように身体を動かし続けることが健康や美の維持のポイント。ランニングでは筋肉にストレスがかかり、血流が増しますが、それを抑制するのが副交感神経(交感神経と副交感神経をバランス)を活性化させるうえで、呼吸法が有効。また、物理学的にもエネルギーを効率的に活用することで、過度な身体への負担を防ぎます。呼吸の練習ヨガの呼吸のように、ゆっくり鼻から吸って、口からはく。ランニングでは、無理なくリラックスしながら呼吸する1『押し出す』動作で歩いてみる後ろ足で斜め下45度に地面を押し出すことを意識しながら歩く。慣れてきたら少しずつ走りにつなげる32『踏み出す』走りと、『押し出す』走りの違いを確認する習得したいのは『押し出す』走り。踏み出す場合と押し出す場合で、筋肉の使われ方や、エネルギーの使われ方がどう違うのかを実感する腹筋下部のエクササイズで身体の動きと内臓の位置を安定させる身体の動きを作り出すうえで安定させたいのが腹筋下部。ここに焦点を当てた腹筋エクササイズをすることで、内臓の位置も安定し、胃腸の調子も整うことがメンタルの強さにも繋がる4ボデイデザインランニング×May,2012 www.fitnessjob.jp25

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