NEXT61

NEXT61 page 29/52

電子ブックを開く

このページは NEXT61 の電子ブックに掲載されている29ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
April,2012 www.fitnessjob.jp29する事になったんです」しかし、彼女はここで挫折を経験する事となる。「同級生の大半は、幼児の時からクラシックバレエを習っていたり、某有名歌劇団を目指していたような人ばかりで....

April,2012 www.fitnessjob.jp29する事になったんです」しかし、彼女はここで挫折を経験する事となる。「同級生の大半は、幼児の時からクラシックバレエを習っていたり、某有名歌劇団を目指していたような人ばかりで、田舎で月に何度かのレッスンを受けていた程度の私では、当然のように落ちこぼれてしまいました」結果、入学して間もなくダンスで将来を描く事を諦めたというが、ここで目標を切り替え、母親との約束だった“教員免許を取る”ために、4年間しっかり授業に出て、勉強したという。「ダンスは諦めたのですが、体を動かす事に対する想いはくすぶり続けていて、そんな時、家の近くにフィットネスクラブが出来たんです。即、アルバイトを決めました!」彼女がフィットネス業界に足を踏み入れた瞬間である。そして、このフィットネスクラブで2年間アルバイトを行い、そのままそのクラブに就職まで果たす事となる。その後、3年間正社員として勤務した後、フリーのインストラクターとしてデビューしたのだが、フリーランス契約を希望したきっかけは何だったのだろう。「本来、体を動かす仕事を望んでいたのですが、社員となると事務仕事をする比率も高く、なかなか体を使う事ができないので、思い切ってフリーのスタジオインストラクターを目指す事にしました」この時点で彼女はエアロビクスについての知識は皆無に等しい状態だったが、フリーのスタジオインストラクターとして活動するには、王道であるエアロビクスが指導出来なければいけないと考える。そして、当時勤務していた“チャンスという女神は前髪を見せている時がチャンスであって、後ろ髪を見せた時はもうチャンスではない”と訳す事が出来る。いわゆる、チャンスを見極める判断力と瞬発力、そして準備が必要で、間違いなく彼女はこの能力に長け努力しているだろうが、それをラッキーと表現するあたり、彼女の明るく無邪気な性格の程が伺える。さて、そんな天真爛漫な鈴木さんだが、幼少期から学生時代はどのように過ごされたのだろう。「体を動かす事と人前に出る事が大好きで、学生時代はジャズダンスを習い、生徒会の副会長も務めていました」基本的に目立ちたがり屋でリーダーシップを取る事が好きだという彼女だが、反面、3姉妹の末っ子らしい一面も持ち合わせている。「静岡の実家に帰った時などは何もせずにゴロゴロし、母親や姉達が作った料理のつまみ食いをして、ダラダラと甘えた一日を過ごしています(笑)」そんな鈴木さんだが、なぜフィットネス業界に入る事になったのだろうか。「私が在籍していた高校が、県内でも有数の進学校だったんですね。私はこの高校に入ったことだけで満足していて、大学進学など全く考えていなかったのですが、進学率100%が暗黙の了解となっていたため、特に大学でやりたい事もないのに、どうしても大学には行かなければいけない雰囲気で…。そんな時に、私が習っていたジャズダンス教室の生徒さんに高校の先生がいて、その先生に相談したところ、『大学でダンスを勉強したらどうか』と勧められたんですね。そこで、ダンスで受験できる大学を幾つかピックアップし、東京のとある体育大学を受験し、入学クターとしてだけではなく、フィットネス関連雑誌のモデルやTV番組への出演、最近では、健康を題材とした講演活動なども行っている。「嬉しい事に、色んなお仕事をさせて頂く機会に恵まれていて、本当に私はラッキーな人生なんです!」そう屈託のない笑顔で言う彼女。彼女が言う“ラッキー”という言葉を聞いて、最近読んだ本に書いてあった英語の諺を思い出した。“Taketimebytheforelock”(時は前髪でつかめ)という言葉である。この諺の意味は、クラブのフリーインストラクターに相談し、一期生を募集していた、宇津城久仁子さんと松澤泉美さんが講師を務める養成コースを勧められた。「実は、宇津城先生の事も松澤先生の事も全く知らなかったんですが(笑)、『この二人なら間違いない!』と、フリーの先生に強く勧められたので入校を決めたんです」なんと、お二人の事を全く知らずに養成コースに入ったとは…。更に、この事実を告白するのはこの誌面が初めてとのこと(宇津城さん、松澤さん、そうらしいですよ(笑))。前を向いて目標に向かっている人というのは、人生の何手か先を決めるような人との出会いが必ずあるものだが、このお二人に出会えた事も彼女の考え方や行動力からすれば必然だったのだろう。現に、彼女はその後養成コースを卒業し、講師としてこの養成コースで指導する立場にまでなっているのだから、人生分からないものである。現在は、エアロ全般、ダンス系、調整系と幅広いジャンルを指導する傍ら、フィットネス人口を増やしたいという思いを胸に様々な活動を行っているという。「手段は何でも良いと思っています。とにかく運動を習慣化してくれる人を一人でも増やしたいと本気で考えています」と、それまでよりも声を大きくし私に訴えかけてきた。その強い想いを彼女は講演と言う形で具現化しようとしている。「フィットネスクラブ外の方々に訴えかけることが重要だと思い、講演活動では健康をテーマにお話をさせて頂き、運動の重要性を伝えています」最後に、彼女の仕事に対する考えと今後のビジョンについて聞いてみた。「ご依頼頂いたお仕事は、規模の大小に関わらず、万全の準備をし、必ず『次も鈴木にお願いしたい』と思って頂けるように全力で望みます。そして、大きなビジョンですが、義務教育の授業の中に、“フィットネス”という授業が組み込まれ、当たり前に運動を行う環境作りに携われるような活動を模索していきたいと考えています」平成24年度からは、中学校の必修科目に武道とダンスが入る事が決まっている。彼女の考えと国の動きも連動し、何か大きなムーブンメントを起こしてくれそうな鈴木さん。そんな彼女に期待し、今回の章を終わりたいと思う。取材後記有限会社スポーツゲイト代表取締役社長有限会社スポーツゲイトホームページURL:http://www.sportsgate.co.jp個人BLOG:http://ameblo.jp/sportsgate2001/良く話し、良く笑い、このページでは異例の3時間という取材時間になった。中でも印象的だったのは、健康問題やフィットネス業界の事を真剣に話すその姿。その外見からはミスマッチ感さえ伺える内容なのだが、彼女は本気でフィットネス人口の底上げを考え、行動に移している。つい先日までの一年半、活動拠点としていた関西でもまれた事が、良い意味でこだわりやプライドを取っ払い、〝手段は何でもいい〟というがむしゃらな姿勢を生み出したのだろう。面白い存在が東京に戻ってきてくれた。INTERVIEWER丸山寛