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月刊NEXTPCAugust,2011 www.fitnessjob.jp25たマンガ『ガラスの仮面』を見ては主人公になりきり、一人で演じて遊んでいたんです(笑)」遊び程度に演じていただけで、音楽を聴いて感情移入ができる程とは思えないのだ....

月刊NEXTPCAugust,2011 www.fitnessjob.jp25たマンガ『ガラスの仮面』を見ては主人公になりきり、一人で演じて遊んでいたんです(笑)」遊び程度に演じていただけで、音楽を聴いて感情移入ができる程とは思えないのだが…「実は、前々職の会社を辞めた時に、『私はこの先何がやりたいのだろう?』と考えた時期があったんです。その時に、『私はミュージカルや演じることがやりたかったはずだ!』と思い、即、池袋にあるミュージカル学院に入学し、一年ほど通いました。そこでは、歌、ダンス、演技など、ミュージカル全般に必要なカリキュラムを毎日受講していました。でも、歌が下手で叶わぬ夢となったんですけど(笑)、おそらくこの時の演劇の授業が活かされているんだと思います」なるほど、そういうことだったのか。これで、リトモスのトレーニング中の涙、そして、冒頭に書いた写真撮影での女優然とした立ち振る舞いに、納得がいった。今では、リトモスの認定トレーニング三日間を任されるまでの信頼を得た有田さんであるが、幼少期から学生時代の彼女はどのようなものだったのであろう。「子供の頃は本当に落ち着きのない子供だったらしいです。小学校の時はバトン部に入部し、体で表現することの楽しさを初めて知ったのですが、中学に上がるとなぜか陸上部に入部し、高跳びを行っていました(笑)」そして、高校入学となるのだが、ここでの判断が彼女の人生の中で過酷なものとなる。「高校を選ぶときの条件が、都心、そしてセーラー服だったんです」安易すぎる判断基準だが、彼女にしました」なんとも無謀とも思える行動だが、この決断が彼女のフィットネスキャリアの基盤となる事を、おそらくこの時点では本人も分かっていなかったであろう。認定トレーニングが開催されると、彼女の動作スキルのみならず感情表現の豊かさが、日本で唯一のナショナルマスタートレーナーである竹ヶ原佳苗さんの目にとまった。その時の様子を竹ヶ原さんに聞いてみた。「リトモスの認定トレーニングでは、悲しみや恐怖、憂鬱を音楽を聞いてイメージし、エクササイズで表現するというドリルがあるんですね。その時に彼女は、音楽を聞いてる時点で完全に感情移入し、泣きだしたんです。それを見て、彼女は何か持っているなと感じました」しかし、その後すぐにアシスタントマスタートレーナーを打診したわけではないという。「幾ら認定トレーニングで目を引いても、やはり現場でのレッスンを経験しなければ分からない事もたくさんあります。トレーニング終了後一年位は見守っていましたが、彼女の行動力、向上心、そして何より人に対する感謝の気持ちと謙虚さが、アシスタントマスタートレーナーとして適任だと思い声を掛けさせてもらいました」この悲しみを表現するドリルの時の事を、有田さんにも聞いてみた。「音楽を聴いていると、本当に悲しくなってきたんですね。その瞬間、涙が止まらなくなりました」なんとも特異な能力であるが、何も訓練なしにできることなのであろうか。「私は、小さい時からミュージカルや演劇が大好きで、演劇少女を題材にしくの種目のクラスを担当させて頂いていますが、少しずつインストラクターの育成研修なども任せて頂けるようになってきました」有田さんといえば、リトモスのアシスタントマスタートレーナーとして目覚ましい活躍を見せているが、リトモスとの出会いはどんなものだったのだろう。「現在の様にインストラクターを専業で行う前は、OLとインストラクターを並行していた時期が数年あったんです。そんな時にリトモスの1期生の認定トレーニングが開催されることを知りました。でも、当時勤めていた会社を認定トレーニングの3日間休むことは難しく、『ならば、会社を辞めちゃえばいいや!』って、即辞表を提出して、認定トレーニングを受講できるようにとっては大真面目に高校を選択する条件だったらしい。そこで、彼女のお眼鏡に適った高校が、有名人のご子息も多く通うエスカレータ式の某高校であった。しかし…、「入学してまもなく、高校から入った新顔の私に対し陰湿ないじめが始まりました。そして、その後3年間、学校では殆ど友達もいない状態での高校生活を送ることになりました」と、有田さんは笑いながら話してくれてはいるが、おそらく当時は深刻な状況だったのではないかと察した。そんな状況も大学に上がれば解消されるかと思いきや、事は変わらず、ご両親と話し合った結果、入学して4日で中退することを決めたという。「両親は、『もういいだろう。好きな事をやればいい』と背中を押してくれました」そして、OLを経てこの業界に入る事となったのである。そんな彼女に今後について話を聞いてみた。「世の中は、人との繋がりが全てだと思うんです。私は学生時代作りたくても作れる状況じゃなかった。しかし、もともと、その関係性を作り上げる事が苦手な人もいると思う。だから、そんな人たちの心や体に関わる仕事が出来ればと考えています」今後は、「ダンス、格闘技系プログラムと骨盤矯正を組み合わせた、インストラクターのためのケアプログラムも展開していければと考えています」終始にこやかで、穏やかさの中にも強い意志を滲ませて話してくれた有田さん。学生時代の辛い出来事を乗り越え、今ではしっかりと前を見据えて活動していく有田さんを、陰ながら応援していきたいと思う。取材後記有限会社スポーツゲイト代表取締役社長有限会社スポーツゲイトホームページURL:http://www.sportsgate.co.jp個人BLOG:http://ameblo.jp/sportsgate2001/本文の文頭でも書いた通り〝ほんわか〟という言葉がぴったりはまる有田さんだった。ともすれば〝天然〟という言われ方をする事もある言葉だが、有田さんにはそれは当てはまらないとお話を聞いていて感じた。なぜならば、彼女はここまでの人生を自身の強い意思で切り開いてきており、立ち止まった形跡が見えないからだ。“意志あるところに道は拓ける”。この言葉を意識しているかは分からないが、間違いなく彼女は自分の意思を尊重して、キャリアを積み重ねているはずだ。「ほんわか」と「強い意志」。一見、正反対とも思える二つの因子が絶妙なバランスで交わり、とても人としての魅力を感じずにはいられない有田さんであった。INTERVIEWER丸山寛このコーナーが動画でも楽しめます!PC/iPhone対応NEXTデジタルブックからご覧いただけます。丸山寛さんのインタビュー現場レポートとサイト限定のスピンオフトークを公開中!誌面がもっと楽しめる内容満載です。iPhone