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奥山さんからの自分らしいキャリアをつかむ「環境が与えてくれるチャレンジを、チャンスに変えよう」自分では苦手、やりたくない、やりかたが分からないと思っても、声をかけられたり、任せて貰えることは一つのチャ....

奥山さんからの自分らしいキャリアをつかむ「環境が与えてくれるチャレンジを、チャンスに変えよう」自分では苦手、やりたくない、やりかたが分からないと思っても、声をかけられたり、任せて貰えることは一つのチャンス。特に20代はとにかくチャレンジすることをお勧めします。そしてやるからには、精一杯やる。そんなところにも、将来のキャリアに繋がるチャンスの芽があるのです。奥山彰さんフリーインストラクター環境の変化がもたらしたチャレンジ栃木県の県南エリア。奥山彰さんは地元でフリーインストラクターとして活動を続けている。アクアレッスンやアクア・スタジオのインストラクター育成に加え、格闘技系レッスンや高齢者指導、その他各種ワークショップの開催などを手がけている。奥山さんは学生時代陸上部に所属し、〝勝つこと?を目的にスポーツに接してきた。身体を動かすことが好きだったことから、将来も体育指導の職に就きたいと東京の専門学校に進学した。だが、そこで学んだ生涯体育に強く惹かれるようになる。「勝つために過酷な環境に生徒を追い込む学校体育より、楽しくスポーツに接して貰う機会を増やす仕事がしたい」その思いを強くした奥山さんは、卒業後地元に戻り、スイミングスクールに入社した。そこで、専門学校で学んだスイミングの指導と、ジムでのトレーナーの仕事でキャリアをスタートさせた。子どもが好きだったこともあり、当初は希望どおりに楽しく水泳を教えられることにやりがいを感じていた。ところが、しばらくしてバブル経済が崩壊。各企業がコスト削減に走り始めた。奥山さんが働いていたスイミングスクールも例外ではなく、様々な仕事を社員スタッフが兼務することになる。その時、奥山さんに回ってきた仕事がエアロビクスレッスン。それまでインストラクター派遣会社に外注していたレッスンをすべて社員で賄うことになったのだ。奥山さんにとってエアロビクスは専門学校時代からの苦手科目。避けてきた分野だったが、「社員」としての責任感から、練習を重ね、インストラクターデビューにこぎつけた。間もなくして、アクアエクササイズのブームが到来。それまでスイミングスクールは「泳ぐ場所」とされてきたが、テレビや新聞でもアクアエクササイズが注目され始めたことから会社がアクアエクササイズの導入を決定。そのインストラクターとして奥山さんに白羽の矢が立てられた。スイミングとエアロビクス両方の指導をしていたからだ。ところが、当時はまだ栃木県でアクアエクササイズを導入していたクラブは少なく、勉強の方法も分からない。奥山さんは新たな課題に戸惑いながらも、時間をみつけては東京に出向き、アクア指導を習得していった。その後も、格闘技系やコンディショニング系などフィットネスプログラムが多様化するたびに、休みをとっては勉強に行った。奥山さんは当時を振り返ってこう話す。「当時、地方のスイミングスクールの社員といえば、水泳指導からフィットネスの指導、フロントにも立てば、スクールバスも運転するくらい、何でもやるのが当たり前でした。そうなると、外部研修に行くことにも気が引けるようになって、そのことが自分の活動の範囲を狭めてしまうことにもなりかねなかった。でも私の場合は、幸か不幸か、自分の苦手分野の仕事を任されたことで自分の殻をやぶることができたんです。そのうち東京に行くたびに、とにかく地元でも都内と同じレベルのものを提供したくなったし、他の人が新しいプログラムをやっていたら、自分もやれるようになりたかった。負けず嫌いの性格が良かったのかもしれません」苦手なことが天職に気づくと、苦手だったエアロビクス、学び方も分からなかったアクアが、自分の活躍の場になっていた。奥山さんの転機は、アクアインストラクターを認定できる資格を取得した時。それまでの自分がいいレッスンを提供しようとしてきた立場から、こんどは、いいレッスンができる人を増やすことに立場が変わる。この違いは思った以上に大きかったと話す。「それまでは知識と技術で乗り切ってきた感がありましたが、インストラクターの養成は本人のモチベーションを高めて、その人が知識や技術を高めようと思えるようにコミュニケーションをとることが必要になります。どうすればそれができるようになるのかと試行錯誤しているときに、大山恵美子さんの『メンタルクリーニングエアロ』の講座に興味を持ったんです。心理学を応用してレッスン参加者の方々とコミュニケーションをとる内容なのですが、その講座に出てから考え方が180度変わりました。それまではインストラクターはリードする人で、参加者の方々がそれについてきてくれるものだと思っていたのですが、インストラクターが参加者に寄り添うことで一体感が生まれ、楽しさやモチベーションを惹き出すことができることを学びました。当時このことに気づけたからこそ、今でもレッスンも養成コースの仕事も続けられていると感じます」今ではこの仕事を「天職」と話す奥山さん。苦手分野だったからこそ、様々な気づきを敏感に受け入れ、それを習得して自分の強みに変えてきた。「とはいえ、苦手分野に取り組むには心理的な負担も大きいですよね。私の場合は、職場の先輩がうまく育ててくれたと感謝しています。苦手分野でも、一つひとつ取り組めば、モチベーションが維持できる。『やってみないか』と声をかけて貰えるのは成長のチャンスです。苦手でも、やるからには人に負けないくらいにやろうと思うことで、天職になることもあるのです」苦手分野だったからこそ様々な気づきを受け入れられたCAREER05アドバイススイミングコーチスタジオインストラクターアクアインストラクターアクア養成コース講師16July,2011 www.fitnessjob.jp