『月刊NEXT』 No.50
45/61
類を掛け合わせるとサービスのパターンは幾つにも存在します。 其々の事業が成立するという事はそこに市場がある(消費者が存在する)からなのですが、環境の変化とともに、其々のトレンドが存在します。 最近は総合型フィットネスクラブのトレンドは低調(悪化)と言われています。 それは何故なのか、皆さんの仮説を立ててみましょう。私の見立ては以下の通りです。(もちろんこれが正解とは限りません) フィットネスクラブが成長トレンドに乗っている時代の競争要因(つまり市場に支持される要因)は立地や施設規模、スペックの豊富さでした。いわば「ビジネスフォーマットの時代」です。 マーケティングで捉えるなら機能的価値の時代です。この時代はフォーマットが優れていてその展開力がある会社が勝者となりました。インストラクターやプログラムへの期待はその上にある機能(運動効果を出すためのコンテンツ)だったのです。 但し、上述のように市場が大きくなりサービスが多岐化していくと消費者がタフになり、機能性が消費選択のポイントにならなくなってきます。 ビジネス的に整理すると「フォーマットの時代からソリューションの時代」へ、マーケティング的にいうと「機能的価値のみから、情緒・本能的価値を併せ持つ時代」へ転換を迫られた事を意味します。(モノ売りからからコト売りへも同じ意味ですね。) この大きなトレンドに今回の震災のような世の中の価値観やライフスタイルが変わるポイントがきています。 このように時代が変化し対応するビジネスの考え方が変われば、当然のようにインストラクターやトレーナーの役割、期待される事も変わります。 同じフィットネスサービスでもアウトプットの仕方を変えないといけませんね。 どのような変化の仕方があるのでしょうか?次回はそれを一緒に考えましょう。(株)ティップネス企画部長1994年(株)レヴァン入社。2001年合併により(株)ティップネス入社。店舗、人事、営業管理、マーケティング、開発等の業務を経験し、現職に至る。ティップネス、ティップネスONE、丸の内スタイルなど各業態の事業戦略及びブランド・マーケティング戦略立案、新規事業開発などが主な担当。上野和彦Kazuhiko Ueno(前回のあらすじ) 前回は、顧客や消費者から見た価値を「機能的」「情緒的」「本能的」と3つに分けて体系化しました。最近は、「本能的価値」を重きにおいてマーケティングする事が重要だと言われています。 またビジネスモデルは必ず転換期が来る。転換ポイントは多岐に渡りますが、消費者意識や技術革新など時代や時間の経過とともに訪れる、いわば自然現象に近いものかも知れません。フィットネスサービスの価値構造と変遷① フィットネス(つまり消費者が運動したり体調ケアをしたりするためのサービスは、)は現在相当な種類の商品、サービスがあります。 施設サービス型(総合フィットネスクラブ、単体のジムなど)、情報サービス型(雑誌・書籍PCやモバイルでのコンテンツ)などの提供の仕方分類と契約型(会員制、スクール制)、非契約型(都度購買)などの消費者との関係分インストラクターの未来像を考えよう#20text : Kazuyoshi Endo(株)フィットネスビズ 代表取締役CEO大手、ベンチャー等で、トレーナー、企業フィットネス、SV、副支配人、支配人、営業部長、営業本部長、役員を歴任後、2007年6月に独立。2008年度は富士アスレティック&ビジネス専門学校「パーソナルトレーナー学科」で講師を務める。ブログ「勇気の力」、メルマガ「L&M大学」好評執筆中!URL: http://www.fi tness-biz.net 遠藤一佳Profi le現場たたき上げ談現場たたき上げみtext : Kazuyoshi Endoみお悩text : Kazuyoshi Endo談み相フィットネスビズ兄の自分の人生を 生きる 気持ちはよくわかりますが、「危険か否か」という観点であれば、日本国内であれば、どこでも同じだと私は思います。 なので、当然、辞令を受け入れるべきでしょう。少し前のことですが、日経新聞に似たような事例が掲載されていました。それは、グローバル企業で働きたいと思っていた女性が、面接で「10年後はベトナム勤務になるかもしれませんがいいですか?」と問われ、両親のことや、一人娘であることを悩んだ末に、結局、国内で働くことができる企業に志望を変えたというものでした。「アメリカ」とか「イギリス」でなく、「ベトナム」というところが、極めて現実的でありながらも、学生に対し「覚悟」を問うには最適な感じがしたところも興味深かったですが、いずれにせよ、ここで尻込みしたということならば、そこに至るまで「グローバル企業で働きたい」と考えてきたのは、「一体、どのようなイメージだったのか?」というになってしまいます。 これから伸びるのは、BRICsに続いて、「VITAMIN(ビタミン)」といわれているわけですから、その最初の頭文字であるベトナムなどは候補になって当たり前です。 今となれば、「ベトナムは地震国か?」まで調べなければならなくなります。友人が6月から転勤の辞令を受けました。その場所は今回、大地震が起こった場所です。一人っ子で親にも反対されており、本人も悩んでいます。A現場たたき上げの遠藤からのアドバイスQ今回のお悩み内容 また、ご質問に出てくる方も、新聞記事の方も、いきなり「一人っ子」になったわけではありません。自分が「一人っ子」として、両親や社会とどう向き合っていかなければならないかは、どんなに遅くても成人を過ぎれば考えておくべきことです。 これは「親」も同様です。 私は3人の子どもの父親ですが、自分のせいで子供の夢や志望に制限がかかるなんてことだけは絶対にしたくないと思っています。 要は、本人が「どう生きたいか?」という問題なのです。 「自分の人生」を生きるのか? 「親の人生」を生きるのか? 「自分と親の人生」を生きるのか? この各々は年代や置かれている状況下で変わります。これらのことを日頃からよく考え、常に最適な判断をし続けていくことが大切だと思います。44May,2011 www.fitnessjob.jp
元のページ