『月刊NEXT』 No.49
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April,2011 www.fitnessjob.jp15ピラティスに強く惹かれた2つの理由 櫻井さんがここまで強くピラティスに惹かれたのは、自身がピラティスでどん底の生活から救われた経験があったからに他ならない。ピラティスとの出会いは、約6年前。妊娠が分かり、喜んだのも束の間、ひどい体調不良に襲われた。妊娠中でありながら精神安定剤を処方されるほど。産後もうつ状態が続き、睡眠薬を飲まないと眠れない日々が続いていた。そんなある日、わらをも掴む思いで手にしたのが、1冊のピラティス本だった。 「当時はヨガがブームだったので、最初はヨガの本を検索していたんです。その時目に留まったのが千葉恵美さんの『きれいやせピラティスDVDレッスン』。30日間記録しながら取り組めるようになっていて、1日たったの10分程度、『これなら続けられるかも』と購入しました。実際に始めてみると、10日目に気分が良くなって睡眠薬を飲まなくても眠れるようになったんです。本の冒頭に書いてあった創始者のジョセフ・ピラティスの『ピラティスをすることで、10日で気分が変わり、20日で見た目が変わり、30日で新しい身体に生まれ変わる』という言葉を信じて黙々と続けたのですが本当にその通りでした。その感動は今でも忘れられません。30日終わる頃には、本来の明るい性格も取り戻し、ママ友も増えて。それでママ友にこの本を勧めたら、みんなキレイになって、喜んでくれた。『私インストラクターになるから、それまでこれでピラティス続けてね』って、その時から話してたんです」 もう一つ、今の櫻井さんを突き動かす過去がある。中学生の頃、新体操に惹かれ、人一倍練習に打ち込み、地域の大会で優勝するまでにもなった。本気で「一生やりたい!」と思っていたが、高校進学の時点でその夢を諦めてしまった。新体操ができる環境がなく仕方がなかったとはいえ、「自分の夢を諦めてしまった」という後悔が、心にずっとひっかかっていたのだ。ピラティスの良さに触れた瞬間、一気に当時の情熱が自分の中に湧き起るのを感じたという。「もう二度と後悔したくない!」。その気持ちがピラティスへの思いを後押しする。長くピラティスを続けていただくために スタジオオープンから約半年が経ち、現在の課題は、集まってくれた生徒さんやインストラクターが、これからも長くピラティスを続けられる環境づくり。櫻井さんの頭には、実現したいスタジオのイメージが鮮明に広がっている。 「ピラティスの本当の良さがわかるのは、はじめてから半年、1年が経ったころから。スタジオもちょうど半年を迎えたので、再度体制を整えて、スタッフ対お客様、お客様同士のコミュニケーションの強化や、カルテなどで、お客様お一人おひとりのフォローやケアも強化したいと考えています。レッスン内容のさらなる充実化を図り専門性も高めながらも、お客さまにとっては親しみやすく『居心地の良い場所』、『来ると元気になれる場所』を目指します。これまで思い描いてきた理想のスタジオを実現させながら、私も一生ピラティスを学び続け、伝えて行きたいと思います」ご主人に養成コースに行くことを認めてもらうために、3ヶ月間毎日続けたピラティスの記録。その後、ご主人の就業後に子どもを預け、自宅から1時間半離れたピラティススタジオの養成コースで学ぶ。深夜に勉強と実技練習を続け、デニムのサイズも2サイズダウン。子どもが入園すると、自分でHPを作りピラティス教室を開催した。「一人でも私のレッスンを受けに来て下さる方がいる限り、心を込めて精いっぱいレッスンを行う」という気持ちは、今でも変わらない。子育てをしながらピラティスのレッスンを受けることに苦労した経験から、親子クラスも開催しキャンセル待ちの人気クラスとなった。子どもとも一緒にピラティスをすることもたくさん。子どもの成長とともに、自身のピラティスも成長してきた。ピラティスですっかり心身ともに健康を取り戻し、忙しい合間に時間を作っては、できるだけいろんなところにお出かけするように。体調不良で寝たきりだった生活から一転した。勉強すればするほどピラティスの魅力に入り込み、ピラティスの旅を一生続けて行こうと心に決める。ピラティスを通してのたくさんの出会いも宝物に。櫻井さんのこれまでの仕事人生グラフ人生満足度1997+100%-100%200320042005200620072010Must Itemのど飴。以前に喉を痛めてしまい、レッスンができなくなったことをきっかけに、必ず持ち歩くように。特に、蜂蜜(マヌカハニー)ののど飴は、抗菌作用もあり風邪予防にも。お客さまからも、「先生の声が好き!」と言われることもあり、ケアを心がけている。第一希望の会社に入社し、研究者・エンジニアとして順調な社会人生活。数々の資格も取得し順調な日々だが、結婚による転居に伴い退社。仕事を手放し都心を離れ、悶々とする日々。出産後も心身の不調は続く妊娠により体調悪化。精神状態もどん底に。子どもが入園すると同時にピラティス教室を立ち上げる。心身ともに回復。ピラティス漬けの日々は今でも続いている育児に奮闘しながらも、指導者養成コースに参加。資格取得さらにピラティスの勉強を続けながら、フリーインストラクターとしての活動の幅を広げる。ピラティスに出会い、運命を感じるさらに複数団体のピラティス指導者養成コースに入るなどスキルアップを図る。お客様、スタッフ、友人、家族など、全ての方に心から感謝する日々。天職だと感じる。理想とするスタジオに向かって邁進突然の勤務先の閉店により、スタジオを立ち上げを決心。3ヶ月でスタジオをオープンさせる!学生時代は実験の日々。一生、研究開発の道を進むと思っていた頃。心身の不調は続く心身の不調は続く指導者養成コースに参加。子どもが入園子どもが入園さらにピラティス突然の勤務先の閉店により、上げを決心。せる!お客様、スタッフ、突然の勤務先妊娠により体調悪化。精神状態もどん底に。

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