『月刊NEXT』 No.49
14/53
April,2011 www.fitnessjob.jp13トレーニングフォームは細かくチェック。お客様の身体が変化する瞬間に立ち会えることがうれしい。トレーナー養成の授業中。体験も交えつつ、できるだけ具体的に。トレーナー部門 優秀賞 鈴木謙太郎さん「理想のレッスンを提供できるトレーニングスタジオを作りたい!」そんな思いで開設した恵比寿Mind_Bodyは2011年4月で丸6年。現場でのレッスンを第一に行いながら、トレーナーの質と社会的地位の向上を目指す活動を並行して続けている。多岐に渡る知識と技術に貪欲な人物は、とても謙虚で実直な人物だった。鈴木謙太郎(34)さん Kentaro Suzuki株式会社Trainer's Mind代表取締役 恵比寿Mind_Body代表。「生活に溶け込むトレーニングライフの提案」をテーマにレッスンを思案、構築。高いリピートが特徴で82%以上のクライアントが1年以上レッスンを継続している。2010年8月までに3スタジオを展開。トレーナーという仕事を確立していく経営者としてのシビアな面も併せ持つ。経営者でありながら現場にもこだわり続ける パーソナルトレーニングスタジオ(加圧トレーニングスタジオ)の運営をしながら、月のレッスン数平均140件を維持し続ける鈴木謙太郎さんは、常に現場重視の姿勢を貫く。経営者としての顔、そしてトレーナーとしての顔。その二面性が職業としてこの仕事を確立させるのに、不可欠と考えるからだ。 「現場での業務に対して〝がんばっている〞と感じることはないです。自分でも身につけたい知識や技術もある。まだまだ発展途上です。だからレッスンはすべて楽しいと感じる。そう思えていれば、お客様にも楽しさは伝わるはずです」 お客さんの体が変化していく瞬間に立ち会えることが、何よりの喜びと語る鈴木さん。こなしたレッスン数こそ自信になり、自分を支えているのだという。 スタジオは今年4月で創業丸6年を迎える。健全な会社運営の影には、鈴木さんの努力が随所に詰め込まれている。 「個人で仕事をするのと、経営を両立させる事は決して楽ではありません。経営とはなんだろう?と根本的な事をよく考えました。また、皆で仕事をするにあたり、細かい報告・連絡・相談や挨拶の仕方等、嫌がられながらも細かく言い続けました。社内でできない事は、お客様にもできないからです。面倒で嫌な作業でも取り組めたのは、トレーナーを目指す者の仕事を確立したい!という強い思いから。それこそがモチベーションとなっているのだと思います」実践的な理論に感銘を受けトレーナーの道へ進む 試行錯誤の中、鈴木さんは自身の経営方法を体得してきた。そんな彼自身がトレーナーという道を進むきっかけとなったのは、専門学校時代のこと。外部講師として授業に来た、阿部良仁さん(現NSCAジャパン事務局長)と岩間徹さん(現プロジェクト・オン代表取締役社長)との出会いだった。 「マンツーマンのトレーニング指導で対価を頂くパーソナルトレーナー。チームスポーツでの競技力アップのためのストレングスコーチ。双方を確立する姿に憧れました。より実践的な理論に、自分の疑問が次々クリアになり、虜になりました」 その後2人のアシスタントをしながらのバイト生活。同時にトレーナーの仕事と聞けば、無償でも次々に飛びつく日々。積極的に経験を積んでいった。ターニングポイントは突如訪れた代行セミナー。 「急遽依頼を受けたんです。阿部先生と岩間先生の話を聞きに来た方へのセミナーだったので、それはそれは緊張しました。とにかく一生懸命やりましたが、きっと粗だらけだったでしょうね。」 けれどそれを乗り越えたからこその今がある。 「私にとってトレーナーは天職です。お客様に指導をする、というよりパートナーとして技術と知識を提供していきたい。常に鮮度を落とさないように心がけています」20~22歳27歳25歳23歳28歳29歳30歳31歳33歳鈴木さんのこれまでの仕事人生グラフ人生満足度+100%-100%Trainer直営3店舗目となるジムをオープンさせながら、自身のパーソナルトレーナーとしての活動でも高い実績を維持していること、チームスポーツ指導や指導者対象の有料勉強会などを継続して行ってきていることなど、自主性が評価された。受賞理由オンラインで受賞者のビデオメッセージと応募書類が見られます フィットネスTVMust ItemiPad。これのおかげでホームページの確認やメールのチェックがレッスンの合間に行えます。毎日持ち歩き、お風呂にもカバーをつけて持ち込みます。専門学校を卒業。先生のアシスタントとアルバイト生活。早くトレーナー活動がしたいと毎日思う。先生の代行で専門学校非常勤講師やセミナー講師を担当。念願のチームスポーツのトレーニングコーチもスタート。先生が立ち上げた法人で初の社員契約。尊敬する先生や先輩から多くの刺激をもらう。活動現場が増えより大きな経験をする。トレーニング指導に重きを置きたい自分のわがままで、退社。個人でのトレーナー活動をスタート。 恵比寿Mind_Bodyをオープン。第二スタジオをオープン。スタッフが増員される。Mind_Bodyカフェ(研修、打ち合わせ用)の物件取得スタジオMOVEを開設。ダンスレッスンやオリジナルのボディーワークレッスンを展開。同年にクローズする。有料勉強会をスタートさせる。第三スタジオをオープン。スタッフの増員を行い。更なる発展を目指す。
元のページ