『月刊NEXT』 No.49
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April,2011 www.fitnessjob.jp11道もまた険しかった。「一般の方より経験もあるから、それを伝えればどうにかなるだろうと簡単に考えていたんです。ですがそんな薄っぺらな自信はすぐに打ち崩されました。こんなに通用しないものかって。」 以来、トレーナーとして仕事をしながらの猛勉強が始まる。お客様の話を聴いては勉強する。それまでも運動が人にとって大切だということは確信していた。身体の弱かった自分が柔道で強くなれた。試合に負けて心の痛みを味わうことで、心も強くなれた。間違えたトレーニングをしてケガをしても、正しいトレーニングでそれを改善したり、強化することもできる。トレーニングの勉強をすればするほど、「運動は大切だ」という確信が、トレーナーとしての確かな自信へと変わっていった。 健康大陸グランドオープンの準備とちょうど同じ時期、奥さんのお腹に新しい命が宿ったことを知る。壮絶な出産に立ち会い、子どものへその緒を切ったとき、この二人を一生守っていくことも吉田さんの使命となる。そして、それをトレーナーの使命とともに全うできると感じたのが、このジムでの同志との活動だったのだ。組織力を上げる 今後の課題は、運動を始めた多くの方々が、長く運動を続けてくれる環境をつくること。そのために、自分がやってきたこと、自分の使命感を仲間のトレーナーと共有していきたいと話す。 「私のお客様は長く運動を続けてくださる方が多いのですが、自分なりにその要因を分析すると、お客様の話を良く聴いてきたからではないかと感じています。『聞く』ではなく、心がついた『聴く』です。トレーニングだけではトレーニングは続けられない。潜在的に抱えていることを自然に引き出して、精神的な落ち着きというベースが持ててはじめてトレーニングも充実できる。聴くことによって伝えられることも多くなるんです」 現在吉田さんのジムのスタッフは10名。ジムをオープンさせるときに、自分の理想に向けて組織で取り組みたいと考えた。それは吉田さんが「一人の力よりも、同じ使命感を持った人が集まったほうが、単純にパワーが大きい」と考えるからだ。 組織力を大切に考える吉田さん。組織が一体となって、運動の良さや価値を一人でも多くの人に伝え、健康溢れる日本にする。クラブ名の「健康大陸」にはそんな思いも込められている。Must Item「いいんだよ」「夜回り先生のお願い」はともに尊敬する水谷修氏の著書。「幸福の王子」はオスカー・ワイルの不朽の名作童話。ともに自己犠牲から人々に勇気と生きる活力を“くばる”という行動に強く共感。人は人に優しさをくばり、くばられ、助け合い生きる事が大切なんだと再認識させてくれるアイテムです。吉田さんのこれまでの仕事人生グラフ人生満足度2005+100%-100%20062007200820092010トレーナー開始都内ジム入社お客様の支持も少しづつ得る自分の考える会社としての組織づくりができず、もどかしさを感じる結婚・子供誕生健康大陸三茶店をオープン健康大陸をグランドオープントレーナーとしての実力の理想と現実のギャップを知る子供。吉田さんのパワーの源、奥様ともうすぐ3歳になる長男。出産に立ち会い、その感動に、2人を守り続けることを強く心に誓った。自衛隊教育。規律を重んじる基礎を叩き込んで戴いた自衛隊教育時代。(本人1番奥)自衛隊体育学校。オリンピックを目指し、最新トレーニングや古き良きトレーニング実施の日々を送っていた自衛隊体育学校時代。(本人右から3番目)総合格闘家。「プロ」として強さと魅せ方の重要性を覚えた総合格闘家時代。合同研修会。健康大陸のミッションは「人々の健康を第一に考え、個人の特性を見極め、目的、目標の架け橋となり、そのゴールへの一助となる」。これは、吉田さん自身のミッションでもある。

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