『月刊NEXT』 No.48
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早い。事業内容や具体的な活動について考えるより先に、有限会社N2 FITNESSを設立した。 大きな転機が訪れたのは、2002年のピラティスとの出合い。エアロビクスとは違う魅力に、どんどんのめり込んでいった。自宅の一室にリフォーマーを置いて指導を開始し、2004年にはワンルームのマンションを借りてスタジオをオープン。次第に「多くの人に機能的な身体になってほしい」という思いが強くなり、自社での仕事に専念するためにエアロビクスインストラクターの仕事を辞めることにした。「エアロビクスの“みんなで楽しむ”ということも好きでしたが、ピラティスを学んでいたときに知った、“運動によって身体の機能を改善する”ということをきちんと提供したいと思うようになり、辞めることにしました」 当初はスタジオを自宅の一室に設けていたが、インストラクターの仕事を辞めるのとほぼ同時に、池袋にオープンした。それまではインストラクターやスタジオアドバイザーとしての仕事も行っていたため収入を得ることができていたが、スタジオを設けた途端、経済的に窮するようになった。 新しくスタジオをオープンするに伴い、ニューヨークで流行っていたカーディオラティスを日本で初めて導入。これにより、MOVESはメディアに注目されるようになる。竹井さんはメディアの効果でお客さまも増えると期待したが、実際はそれほど集客には繋がらず、マイナスの状況が続いた。 さらに、スタジオを構えていたマンションのオーナーの都合で、移転を余儀なくされる。器具や改装費、保証金などの初期投資や家賃などで、赤字は膨らむ一方となっていた。 経営的に苦しい状況であったが、もともと出店を希望していた目白で再スタートを切ることにした。再スタートを決めることができたのは、通っているお客さまがいたことが一番の理由だ。当時スタジオMOVES全体で60名ほどのお客さまを抱え、週に50件ほどのセッションを行っていた。資金は、それまでの蓄えや家族の援助でなんとか工面した。「このときは本当に苦しかったのですが、辞めようという思いはまったく出てきませんでした。インストラクターとしてクラブで働いて収入を得ることも考えましたが、自分の目指す方向がわかっていたので、それと違うことはやりたくなかったのです。なんとかなるという思い込みもあったんですよね」 この前向きな姿勢に神様が味方をしたのか、スタジオ開設当初から苦楽を共にした山本祐希江さんとの繋がりで、ティップネスからプログラム監修の依頼が入る。この依頼は“機能的な身体にする”という理念にも合っており、以後「Body Curve」プログラムへと発展した。 このころになると、自身のスタジオも、口コミやwebプロモーションにより集客も起動に乗り始めた。同スタジオに通うお客さまには、肩こりや腰痛など不定愁訴を抱える方が多い。マッサージや鍼などを試した末に、自分の身体は自分の力でよくしようと、同スタジオに通い始めるのである。そのため、定期的に続けることが多く、結果が出たお客さまの口コミが広がっていったのだ。 その後、現在MOVESのトレーナーの一人でプロスキーヤーでもあるみやのゆきこさんからの誘いを受け、2009年に目白スタジオから現在の新宿スタジオに移転。三ノ輪スタジオを含め2店舗で運営を続け、2011年に3店舗目となる綱島スタジオをオープンした。 経営については、「ほとんど勉強をしないままにここまできてしまった」という竹井さん。ただ、多くの資金がないなかで心がけていることは「(お金を)かける部分とかけない部分はきちんと分けること」だと話す。 竹井さんが今後最も重要視したいと考えているのは、スタッフの教育だ。綱島スタジオをオープンした経緯には、養成スクールの卒業生の働く場所をつくるという目的もあった。研修や資格取得は積極的に支援し、自立したトレーナーの育成に励む一方、同社にとっては正社員としてではなく歩合制の所属トレーナーとして採用することで、コストを抑えることに繋がっている。 今後については、“多くの人が機能的な身体になる”という理念に沿って、最も適したことは何かを模索している。「願望としては、大きいスタジオをつくりたいという思いはあります。でもそれは目指すべきものとは違うのかもしれないとも感じています。機能改善を求めているお客さまはプライベートレッスンを希望されることが多いので、今の規模が合っているのかもしれないですね。どんなかたちでもいいので、運動で身体の機能を高めるということを広めていければと思います」 現在は、ティップネスのプログラムのほかに、JOYBEATの監修も手がけている。クラブに通う多くの人に、プログラムを通して伝えられることがあると考えているからだ。様々な場所やものを通して、竹井さんは多くの人にバランスのよい身体づくりを提供していく。お客さまの悩みに合わせて指導する。「最終的には、日常的に意識できるようになり、ここへ通わなくても大丈夫になることが目標です」03お客さまの存在を支えに自分を信じて再スタート04理念に基づいた方法で今後の展開を模索中「コンディショニングスタジオMOVES」新宿スタジオ。ピラティス、ジャイロトニック、ジャイロキネシスでプライベートレッスンを中心にセッションを行う。Products02自身のスタジオを構えるが多額の赤字を抱える会社名の由来 竹井さん夫妻(のりお・なおみ)の名前から。 スタジオ名「MOVES」はイチロー選手の「ムーブメント」から。所在地 東京都新宿区若松町9-9 パークホームズ新宿若松町2FTel 03-6380-6449 webサイト http://www.n2pilates.com設立 2000年2月資本金 300万円組織 役員:2人 所属トレーナー:14人収支構造 【売上】レッスン費、プログラム監修費、研修講師費 【経費】施設運営費、人件費、web運営費March,2011 www.fitnessjob.jp31Organization Data有限会社N2 FITNESS

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