『月刊NEXT』 No.46
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いま、フィットネスクラブ事業のビジネスモデルが転換期にきているという話が、様々なところで出ています。転換期とはいわゆる「もう世の中で通用しなくなっているので新しいビジネスモデル開発(つまり、イノベーション)をしないといけない」という事を意味します。そのビジネスに携わる方々(筆者も)は変化をしないと生き残れず、強制的に今までの考え方や仕事の仕方を変えないといけない苦しい期間です。>>転換期は、どのようにして現れる? 例として、写真とカメラやその関連事業について考えてみましょう。半世紀前、写真の使われ方は記念日などに写真屋さんにいって撮ってもらい台紙に綺麗に貼って残すものでした。それが今ではデジタルカメラ、携帯電話カメラなどが当たり前の時代になり、動画が流通する時代になっています。この事から、半世紀(50年)の間に、カメラ自体とカメラから派生するビジネスやモノ自体の有り様が根本的に変化しています。※今回の考えるポイント 人々にとって、家族や友人との絆の姿を録っておいたり、感動した場所や場面を残すといった写真自体への欲求は絶えず残り、むしろニーズについて用途や残し方などは細分化されバリエーションが増えてきています。一方で、カメラ機器やその関連事業(フィルムやDPE、アルバムなど)は全くといっていいほど、形を変えたり、無くなったりしています。またその転換期はどのように訪れるのか? このポイントを踏まえて、私たちのフィットネスクラブ事業を捉えるとどうなるでしょうか? 次回以降、考え方を共有していきましょう。(株)ティップネス企画部長1994年(株)レヴァン入社。2001年合併により(株)ティップネス入社。店舗、人事、営業管理、マーケティング、開発等の業務を経験し、現職に至る。ティップネス、ティップネスONE、丸の内スタイルなど各業態の事業戦略及びブランド・マーケティング戦略立案、新規事業開発などが主な担当。上野和彦 kazuhiko Ueno 数回程お休みを頂いておりましたが、3シリーズ目の連載です。編集長の岩井さんからは、中期ではなく長期的な視点でインストラクターやトレーナーの方々へ未来のためのメッセージを…と、とてもハードなテーマをもらいました。筆者自身も見た事がない事を世界観や価値観などで表現するのは難しいのですがアプローチしてみたいと思います。前回のシリーズはビジネスのHowTo(教科書的)な内容だったのですが、今回はそれとは全く違う性質のものを綴っていきますので、それぞれ御自身の感性を磨く程度に読んで頂ければと思います。>> 未来を見る為に過去を見てみる ビジネスモデルとは、定義的な表現でいうと消費者の為になる知恵や情報を価値に置き換え、収益をあげるまでの一連の仕組みやプロセスを指しますが、今回はこのビジネスモデルの変遷について考えます。インストラクターの未来像を考えよう#18text : Kazuyoshi Endo(株)フィットネスビズ 代表取締役CEO大手、ベンチャー等で、トレーナー、企業フィットネス、SV、副支配人、支配人、営業部長、営業本部長、役員を歴任後、2007年6月に独立。2008年度は富士アスレティック&ビジネス専門学校「パーソナルトレーナー学科」で講師を務める。ブログ「勇気の力」、メルマガ「L&M大学」好評執筆中!URL: http://www.fi tness-biz.net 遠藤一佳Profi le現場たたき上げ談現場たたき上げみtext : Kazuyoshi Endoみお悩text : Kazuyoshi Endo談み相フィットネスビズ兄のトレーナーとして身をたてるには? ならば、その先輩たちが将来どうなるかを、じっくり見届けたら良いと思います。補足として言えば、これはパーソナルトレーナー等での短期的な成功物語を誇張し、それで商売をしている人たちも同じことです。当たり前ですが、「偽物」は必ず行き詰ります。しかし、その時はご自身も一定の年齢に達しており、そこで道を誤ったことに気付いても「手遅れ」でしょう。 正確には、私は「トレーナーとしてやっていくのが難しい」と言っているのではなく、「マネジメント能力を有さないトレーナーはやっていけない」と言っているのです。そういう人は「現場命」と叫びながら、その実体は、特定のお客さまと仲良くすることをサービスと勘違いし、クラブ業績や継続率を改善するスキルや論理もまったく持たぬまま、そこそこの年収で満足しながら、仲良し集団を形成しているのが特徴です。 こう説明すれば、該当者が身の回りに溢れていることがよくわかると思います。ご自身が中高年になった時に「それでいい」なら、先輩にならってトレーナー一本で行けば良いと思います。私はそのような「どうしようもない中高年」をたくさん見てきたのです。だから、若い人たちに「そうならぬよう」助言しているのです。 そういう中高年がどういう状態になっていくかわかりますか?おおむね2つのパターンにはまるのです。1 所属クラブの業績が悪化して、買収などの事態になる ※当然、新天地、特に大手ではまったく使い物にならない。2 加齢とともに、社内で居場所がなくなってくる。 そして、ここから取る行動が共通しているのです。「過去に戻る」、または「過去にすがる」。過去の仲間に相談し、拾ってもらうのです。何故なら、その「群れ」が一番居心地がいいからでしょう。それは、この業界の「代わり映えしない平行移動のような転職」の多さが証明しています。 若い方々はこんな「キャリア」に憧れますか?「A社のBさんは、今度、C社に行ったらしい」本当にくだらない話題ですね。こんな中高年にならないためには、「トレーナー力」に加えて「マネジメント」が不可欠なのです。 「マネジメント」こそが、ご自身を救うのです!私はトレーナーとして身を立てることを目指しています。遠藤さんの連載等を読むと『それは難しい』ということが記されていますが、何故でしょうか?会社の先輩たちもトレーナー一本で活躍しています。A現場たたき上げの遠藤からのアドバイスQ今回のお悩み内容36January,2011 www.fitnessjob.jp

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