『月刊NEXT』 No.45
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施設運営・指導者育成など自治体をサポート昭和40年設立。当時のオリンピックメダリストや各界の見識者らが集まり、国民の健康・体力づくりを推進するための研究と実践活動を始めたことに端を発する。施設運営や指導者育成事業もスタートさせ「高齢者体力つくり支援士マスター/ドクター」の資格認定事業も行っている。現在では、6カ所の直営施設と3カ所の指定管理施設の運営に当たるほか、「高齢者うんどう習慣化事業」として公園などに遊具を整備し高齢者に特化した運動教室を開催するなどにより自治体の活動をサポートしている。 体力つくり指導協会では平成12年に運動習慣化事業部を設置して以来、多くの地方自治体の活動をサポートしてきている。近年、地域の一般生活者から運動リーダーを育成する施策を進める自治体が多い中、同協会が君津市と一緒に取り組んでいるのは、その一歩先を目指した「全員がリーダーになる」活動である。「君津市でも早くから『指導員育成』に取り組んで来ましたが、指導員のなり手が少なかったり、指導員になっても運動教室を上手く運営できなかったりして、活動が長続きできない例も多くあります。また、運動はそもそも誰かに頼ってやるものでなく、自主的に習慣化できることを目指すべき。そうした考えのもと、『全員がリーダーとして、自分で自分の健康を守ること、そして運動を楽しく続けられる教室を維持する役割を全員が持つこと』を提唱しながら市と市民の方々の活動を支援しています」 この活動は「自主活動促進事業」として、3年計画で進めているもの。1年目は週1回の運動を継続することで習慣化することを目指し、2年目には週1回の運動に加え、月1回「会話と解説」が定着のポイント「自主活動促進講習会」を実施し、運動指導者として学ぶべき内容を教室参加者が学ぶことで、自己管理のあり方と意識を高めていく。そして3年目には参加者に教室運営を任せ、3カ月に1回程度、協会が運動プログラムの見直しなどのサポートを提供している。「運動プログラム自体は、とても地味で基本的なエクササイズをアレンジした60分間のものですが、運動を続けていただくには、それが自分のためになる、おもしろい、と思っていただけるかどうかが重要です。そのため、運動を紹介するときは、やり方だけを伝えるのではなく、感じ方についての解説を必ず入れます。例えば『ムリしないでください』と言われても多くの人はどこまでがムリかが分からない。身体のどの部分がどのように感じていればいいのか、どうするとその感じ方が強くなったり、弱くなったりするのか、それが何に効くのかなど、きちんと説明すると、それだけでおもしろいと思ってくださいます。また、形を真似するのではなく、動きやすい体をつくることの大切さを伝え、動きやすい体を維持することで活動量が維持できることを伝えます。会話と解説が、高齢者の方々が運動を習慣化するうえでのポイント。それに触れられる環境をこれからも広げていきたいと思います」参加者全員がリーダー財団法人体力つくり指導協会体力つくり推進事業部部長斎藤義浩さん1987年に民間のスポーツクラブに入社し、92年協会に転籍。以降、健康増進に関わる業務を一貫して継続してきた。01年から高齢者に対する健康支援活動に本格的に携わることとなり、独自の運動プログラム作成などを手がけてきた。現在は千葉県袖ヶ浦市の健康増進施設の支配人を兼務するProfileこの分野の指導に必要なことは何ですか?人の気持ちが分かること。教室には、「運動ができない人、やりたくない人、我慢してきている人、何かの理由をつけてきている人」など、体力レベルや家庭環境に加え、気持ちの状態もさまざま。そうした人たちの気持ちに配慮して上手くリードできる資質が求められます。活動を続けるうえで難しいことと克服方法は?予算が限られている中での、運動教室の設定と位置づけ。自治体の教室は3カ月クールが一般的であり、運動を習慣化するには時間が不足している。現実は自治会ごとに異なった取り組みを実施しており均一な指導運営が行われているとは考えづらくその効果も疑問。いかに効果的に参加者自立型の自主的な活動につなげられるかが鍵になると思います。CASEフィットネスの「自主活動促進事業」で社会貢献!02AQAQ教えて!社会貢献Q&A活動内容December,2010 www.fitnessjob.jp9
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