『月刊NEXT』 No.44
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Columnポイント1. 相反性二重神経支配いきなり爪先を掴まずに、充分にハムストリングスに力を入れることにより、大腿四頭筋の弛緩を促す。※相反性2重神経支配(reciprocal double innervation):拮抗筋同士がお互いの筋活動を抑制し合う仕組みのこと。主働筋が収縮する際、拮抗筋は弛緩する。2.エロンゲーション軸足の足底8点(拇趾球、小趾球、踵、5趾)でしっかりと地面を押し、地面反力を受け、百会(耳介の上端を結んだ線と正中線の交点)で天心(空の中心)を突くイメージを持つ。3. 肩甲骨内転ダブルキャッチをしたら、菱形筋に力を入れ、肩甲骨を内転させる。 留意点1. アーチバックトゥキャッチの際、腹部の筋肉を緊張させ、腰が過度に反ることを予防する。2. 種目選択姿勢と自律神経の関係から考えると、運動の前・中には立位で、運動後には側臥位、または伏臥位で行うことが望ましい。BiologicalStretchバイオロジカル ストレッチS.Dream有限会社代表、NESTA JAPAN理事、太田情報専門学校講師。「Drive your HEART&BODY」をテーマにパーソナルトレーナー、チームコーチ、クラブスーパーバイザー、メーカーコンサルタント活動中。雑誌、DVD、TVCM出演多数。Profi le 木内周史 今回は通称、「大腿四頭筋のストレッチ」と表現される「レッグカール(膝曲げ)ポーズ」です。一般的にレッグカールポーズは、立位や側臥位で行われます。パートナーストレッチでは、伏臥位で行われることもあります。これは長時間座位で過ごすことの多い方、腰を伸ばすと痛みが出る伸展型腰痛の方に特におススメのストレッチです。 そして毎回書いていることですが、私は例の如く、このストレッチを「腿の前側のストレッチ」と言うことも、「大腿四頭筋のストレッチ」と言うこともありません。指導をしている対象がアスリートでも、高齢者でも、1番大切なのは「伸びている部位を知らせること」ではなく、「伸ばしたい筋肉を伸ばすこと」です。伸ばしたい筋肉の名前やその部位を無闇に連呼することは、中枢神経系から末梢神経系への刺激を促通し、ストレッチしたい筋の収縮を促しかねません。このことは、実際にインストラクションをする時は、「片方の膝を曲げ、曲げている方の足首を同側の手で掴み、両肩を後ろに引きながら、踵をグ~ッとお尻の方に近づけます」というフレーズをよく使います。もちろん対象によって言い回しは変化しますので、効果的なフレーズを工夫してみて下さい。 ▶手順1. レッグカール(膝関節:膝曲げ)自然起立位の状態から、呼気と共に、膝関節を充分に屈曲させる。余裕があれば、股関節を伸展させると良い。2. シングルトゥキャッチ(爪先片手掴み)呼気と共に、同側の手で爪先を掴む。3. ダブルトゥキャッチ(爪先両手掴み)呼気と共に、反対側の手でも爪先を掴む。両手で爪先を保持したまま、20~60秒ほど保持する。vol.3レッグカールポーズ123パーソナルトレーナーの 感性・感覚・感受性ろには、ほとんどの学生が手を幹に沿え、耳を幹にあて何かを聞き感じようとする。自然の一部になっている瞬間だという森の中にはメジャーとなる木がある。この森にもマザーツリーといわれる実際に胞子を散りばめることで、森を再生させた木がある。ブナの木ではあり得ない太さと神々しい迫力を感じた。自然の中に溶け込むとはこういうことなのかと圧倒された。我々は、人間関係のなかで生活をしている。一人では当然生きてはいけない。でも、ときどき自然の中に身をおいて、本当の「人」に戻ってみる時間を作ってみてはと思う。必ず、お客さまへの対応が変化する気がするのだが。ブナ林の話を聞いたことがあるだろうか。この私のコラムは感じることをテーマにしているので、直接運動指導とは関係ないとは思うが話をすすめたいと思う。ブナ林で有名なのは秋田県にある白神山地である。その近く、リゾートスキー場で有名な岩手県の安比にもエネルギーを感じるパワースポットが存在する。よく伺うロッジのオーナーに、特別に連れて行ってもらった。初めて足を踏み入れる林の中。そこはよく言う原生林ではなく、二次林といい、一度人の手が加わり、伐採され自然の力により何十年もかかって復活を遂げた林らしい。オーナー曰く、「原生林より、もしかしたら生命力はかなり強いのかも」と。枝や葉も木の高い場所にしか生えない。木漏れ日もほとんどないと言っていい。生命を守るために、必要のない枝はつくらないということだろう。雨の日は傘がいらないそうだ。木々がほとんど凌いでくれる。よって雑草がほとんど生えていない。もうひとつ雨の日で驚くことがある。雨の滴が木の表面だけを伝って小川のように地面まで流れるという。とても不思議な光景らしい。今回は見ることができなかったが、是非その光景を目の当たりにして、エネルギーとして感じてみたい。ブナ林周辺の方々が飲む水は、この生命力の営みの賜物。水の美味しいこと。生い茂る木々の中でも所々、成長が遅い木や枯れている木をみかける。そのような木は、自分から生命を絶つのだそうだ。簡単に言えば、枯れていく。それは、他の成長している木々に栄養をいきわたらせるために、自分を犠牲にするということらしい。自然と一体となることで、人間の心も変えられるかもしれない。修学旅行生を「ネイチャーハイキング」としてブナ林に連れて行くこともあるオーナー。都会から来た中・高校生はポケットに手を入れてふてくされたように、協調性など微塵もないようなそぶりで歩き始める。それでもオーナーは、何も説明しないという。ただ、自然に歩くだけ。ただそのことが人の感受性を変化させる。終わるこ第8回 ブナ林から学ぶアスリート選手のストレングス・フィットネスクラブのチーフマネジャーを経て、現在、株式会社プロジェクト・オン代表取締役、NPO法人日本ホリスティックコンディショニング協会副理事長。指導者の育成をしながら、自身もホリスティックコンディショナーとして活躍。岩間徹Profi leNovember,2010 www.fitnessjob.jp33
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