『月刊NEXT』 No.44
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だが、整骨院で働きながら空手選手としても活動しているうちに、子どもの頃から思い続けていた“世界チャンピオン”になりたいという思いが蘇り、次のステージへの移行を決意する。そんなとき、全日本選手権で國分氏が優勝する姿を見て「この人に空手を教えてもらいたい」と、仕事を辞めて國分氏の住む千葉まで訪ねていった。23歳のときだった。 それから2年ほど、國分氏のアドバイスのもと、日本を代表する指導者を訪ねる修行の旅を続けた。転機が訪れたのは、1999年。当時國分氏が所属していたフィットネスクラブで空手道教室を開設するにあた 現在、全国97のフィットネスクラブで空手道教室を展開し、さらにクラブに付帯する整骨院も手がける株式会社強者。同社は、1999年9月、現在同社の代表取締役会長を務める國分利人氏と阿部恭久さんが共同で立ち上げた。「小学生、中学生のころ勉強は嫌いで学校もいやでしたが、空手道教室だけは休んだことがありませんでした。空手を続けていきたいという思いはずっと心の中にあり、指導者の01憧れの選手とともに空手道教室の運営を開始プロとして仕事を続けるためには、フィットネスクラブでの空手道教室が有効なのではないかと考えるようになりました。またそれは、多くの人に空手を楽しんでもらうことにもつながると思ったのです」 その思いを実現すべく、阿部さんは将来の起業を視野に様々な試行錯誤を重ねる。最初はフィットネスクラブでアルバイトを始めた。そこで北海道最大手の整骨院の院長と出会い、活動の場を整骨院に移すことになる。そこで、治療の技術とともに運営方法や経営についても学んでいったことが、後の事業展開にもつながっていく。ProfilePhotos:長塚 健Dream, BusinessMy My ビジネスで夢をかなえる阿部恭久さんguestvol.016フィットネスクラブに必要とされるコンテンツと仕組みをつくる株式会社強者 取締役社長「運動愛好家のための整骨院」を掲げているクラブ in 整骨院「あいらぼ」。国家資格取得の医療施術者が施術を行うため、保険が適用でき、お客さまに低価格でサービスを提供することができる。Products1975年北海道生まれ。5歳から空手を始め、高校3年生時国民体育大会に初出場以来昨年まで9回北海道代表として出場。フランス国際、USオープン等、国際大会にも多数出場し国内外で入賞を納める。フィットネスクラブ、整骨院での経験を経て、1999年國分利人氏とともに、空手業界初となる事業化に挑戦。空手道教室の開設を軸に株式会社強者(つわもの)を設立。2005年からは新規事業として整骨院事業を開始。2010年5月に取締役社長に就任。28November,2010 www.fitnessjob.jp
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