Fitness Business65
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March-April 2013 ◎ Fitness Business 6575商品研究フィットネスクラブの初心者定着に寄与する、様々なツールを使ったコンディショニング系プログラム。本号では、機能改善のために女性や高齢者から支持を得て、集客・定着に貢献している、ツールやプログラムを紹介する。フィットネスクラブにとって、コンディショニングプログラムはどのような役割を果たすのか。また、どのように活用することが有効なのか。フィットネス初心者の入会促進、定着で複数のフィットネスクラブを成功に導いている五十苅知博氏にお話をうかがった。やるべきことを示すために 初心者向けグループレッスンが必要お客さまがトレーニングメニューを考えて目標に向かって自主的にトレーニングするためには、知識・経験・モチベーションが必要です。フィットネスクラブ初心者が、そこへたどり着くまでには時間がかかります。それまでは、「クラブに行けばやるべき何かがあり、それに参加すればよい」というのが受け入れられやすいと思うのです。日本では、カルチャーセンターやダンス・スイミングなどのスクールが人気で、比較的高価格でも退会が少ない。一方で、いつでも自由に使えるフィットネスクラブは退会率が高い。つまり、「いつでもできる」ではやらないんですね。行ったときにやることが決まっていて、教えてくれる人がいることが、初心者ほど必要なのです。フィットネスクラブでスタジオプログラムの人気があるのは、そのレッスンに出ればトータルにトレーニングでき、知識・経験・モチベーションを高めやすいからです。トレーニングジムでプログラムを組んでもらっても、それを自分でやるとなると冷めてしまいます。「この日のこの時間にこのレッスンがある」と決まっていることが大切です。初心者定着のためのグループレッスンはそれを補うためのものと考えています。コンディショニングプログラムで 早く効果を実感してもらうそのグループレッスンとして最適なのが、コンディショニングプログラムです。フィットネス初心者の多くは体力がありません。そして、できるだけ早く効果を出したいと考えています。筋肉をつけて体脂肪を落とし、減量をするのには時間がかかります。すると、結果が出る前に飽きてしまうんです。そこで私が勧めているのが骨盤体操です。骨盤体操を30分間行えば、すぐに効果が出ます。レッスンの前後でサイズを測れば、それは明白です。そして、骨盤が広がらないように大腰筋を鍛えるエクササイズも行います。それを3ヶ月間続ければ必ず効果を実感できます。歪んだ身体でトレーニングをすると、そのまま筋肉がついてしまいます。ですから、まずは身体を整える。そのためのエクササイズが骨盤体操だと私は常々お客さまに伝えています。そういった理論理屈を、各クラブがきちんとつくるべきではないでしょうか。コミュニケーションを図り クラブ全体の利用を促すコンディショニングプログラムというと、フリースペースで動画を流したり、写真や図を貼ったりしているクラブもありますが、スタッフがプログラムとして提供することが必須です。そこが、初心者とのコミュニケーションHitItemの場となるからです。そのとき、スタジオではなくジムのオープンスペースで行うことをお勧めします。初心者の多くはスタジオに入りづらいと感じていますし、オープンスペースで行うことでジムにいるお客さまも興味をもつからです。お客さまには、コンディショニングプログラムに加えて、ウェイトトレーニング、スタジオプログラム、余力があればカーディオトレーニングという流れでご案内していきます。必ずしもこの流れでなくてよいと思いますが、クラブとして標準的な流れを決めて誘導していくことが大切です。そうすることで、お客さまは安心するのです。これらのコンディショニングプログラムは常時展開し、いつでも参加できる状態をつくるとよいと思います。プログラムの内容は、「効果が出る」「簡単」「お客さまとスタッフの距離が近い」ものがよいでしょう。時間は30分が目安です。短くすることで参加のハードルがぐっと低くなりますし、マシンジムの利用にもつながります。身体が一番変わるのはジムなので、そこへ導くために必要なのです。その流れを徹底できるかどうかは、スタッフのオペレーション次第です。コンディショニングプログラムを有効に展開することで、トータルでクラブの利用を促すことにつながり、個客からみたクラブの価値が高まります。コンディショニングプログラムコンディショニングプログラムの意義クラブをトータルで利用していただくための入口として有効五十苅知博事務所 代表 五十苅知博氏

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