Fitness Business65
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March-April 2013 ◎ Fitness Business 6523エクセレントマネジャー特 集Feature部下の心 に火をつけるリーダーシップマネジャーに必要な要件のひとつは、リーダーシップがあることでしょう。部下の心に火をつけ、自発的に動けるように育てることが大切です。その方法はワンパターンではなく、時には厳しく、時には褒めるなど、その人に合った指導ができることが理想だと思います。次に必要なのは、現場をしっかりみられることです。それには指導・サービス現場の運営管理だけでなく、営業、施設、人材育成など、全体にわたり目配りをし、適確な判断をすることが要求されます。私が担当していたころと違い、現在では店舗運営は少人数で行われるようになりました。マネジャーという管理職であってもシフトに入り、プログラムに入るケースも多いと思います。しかし、現場をしっかりみるには、現場にどっぷり浸かった「現場の一スタッフ」になってはいけません。フロントやジム、プール、スタジオなど、どの場所でも気配り心配りを欠かさず、しっかりと存在感を示さなければなりません。さらに、優れたマネジャーに共通するのは「やりきる」ことができることです。経営数値に明るく、人材育成もしっかりできます。設定した目標をあらゆる戦略・戦術を使い、確実にやり遂げることができるのです。また、お客さまに安心感を植えつけられる人であることも大切です。仕事を任せてサポートマネジャーの役割として、部下への仕事の任せ方は重要なポイントです。優れたマネジャーは、まずスタッフに業務を任せ、それをバックアップしながらスタッフ自らが達成できるようにサポートします。一方、そうでないマネジャーには、大きく次の2つのパターンが見受けられます。1つは、部下に任せられないパターン。もう1つは、任せっ放しになるパターンです。仕事が任せられないマネジャーの下では、なかなか部下は育ちません。せっかく部下が自ら対応しようとした場合でも、途中でマネジャーが口を出してやり方を変更してしまうので、「そんなことなら最初から自分でやればいいのに」というように、部下のモチベーションを下げてしまいます。逆に、「任せっ放し」は無管理状態につながりますから、任せても報告させる、チェックをする、進捗管理をするなど、常に部下のやり方に関心をもつことが重要です。このチェックができないと、部下は「何をやってもマネジャーは関心を示さないから、勝手にやってしまおう」と、自分の判断で行動しかねません。特に人の管理、お金の管理、お客さまとの人間関係など、間違った対応が大きな問題に発展する可能性のある課題については、常に注意して見守ることが必要です。マネジャーレベルの人財を育てる私はグンゼスポーツの創業に参画して以来、多くの新規出店に立ち会い、数多くの支配人業務を経験してきました。今は営業店9店を統括する部長ですが、ここに至るまでには様々な貴重な体験や困難を克服してきました。そのなかで一番大切だと感じたのは、やはり人財(人材)育成です。次の世代を育て、マネジャーレベルの人財をどのように育成していくかが最も重要なことだと思います。グンゼスポーツの行動指針には、①相手を認める心をもつ、②相手の目を見て、心から挨拶する、③思いやりをもち、相手の立場に立って考え行動する、④さり気なく褒める(相手をよく観察する、興味・関心をもつ)など、全部で10項目あります。このような、当たり前のことをきちんと積み重ねていくことが非常に大切だと思っています。例えば、スタッフの出勤時の顔色や挨拶の声色を注意して観察すると、Key Point 1スタッフが自発的に動けるようにグンゼスポーツ株式会社 営業統括二部 部長 伊地智和彦氏Ⅱかつて支配人を経験し、現在支配人をスーパーバイズする立場にある方々にインタビューし、あるべき「エクセレントマネジャー」像を明らかにした。優秀な支配人とそうでない支配人の違いに着目いただきたい。Key Point 支配人の上司が求める「エクセレントマネジャー」像

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